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P2P著作権侵害訴訟:初の陪審裁判、明日評決

RIAAこれまでP2Pファイル共有における個人に対する著作権侵害裁判は、裁判官による裁判であった。しかし、Captal Records vs. Jammie Thomasの訴訟では、P2Pファイル共有(Kazaa)裁判では初の陪審裁判が行われているよというお話。さすがに陪審裁判だけあってRIAA側も本気であり、この裁判の証人としてRIAA会長のCary Shermanまで出廷させようとしていた。ただ、全く関係ないし、音楽産業の演説の場にされては困るというツッコミが被告の弁護士から入り、彼の登場の場はなかったようだ。

この裁判は10月2日から始まっており、その経緯は以下の記事にある。

ちょっと紹介するのが遅れてしまったのだけれども、裁判はもう終盤に入っており、もうすぐこの裁判に対する評決がなされるものと見られている。もちろん、陪審裁判においては、大企業の側が不利になるのが通例のようなのだけれども、明確な証拠とはならないにしても、RIAA側に有利な事実が存在しているため、被告側に不利な評決が下される可能性は高そうだ。このような裁判が初の陪審裁判となったことは、非常に残念なことだ・・・。

原典:ars technica
原題:Judge bars RIAA president from testifying in Capitol Records v. Thomas
著者:Eric Bangeman
日付:Octiber 03, 2007
URL:http://arstechnica.com/news.ars/post/20071003-judge-bars-riaa-president-
from-testifying-in-capitol-records-v-thomas.html

Michael J. Davis判事は、RIAA会長Cary Shermanの証言を認めず、Capital vs. Jammie Thomasにおける証言を終了した。本日、裁判において当事者となるレーベルの代理人がその著作権の所有について証言した後、Shermanは午後に証言する予定であった。

本日午後、若干の休憩をはさんだ後、原告側弁護人のRichard Gabrielと被告側弁護人のBrian Toderは、本件にShermanの証言が必要かどうかを議論した。Toderは、Shermanの証言は、本件における争点(Thomasが著作権侵害に対して責任を有するかどうか、という事実)には関係していない、と主張した。Gabrielは、Shermanの証言は、陪審員に対して、なぜこの裁判が重要であるのか、さらに重要なことは、海賊行為がどれほど音楽産業に(RIAAの考えているような)損害を与えているかを詳述することができるのだと主張した。

「私はこの裁判を音楽産業のための演説の場にしたくはありません。」とTorderはそれに応え主張した。

はじめにDavis判事が証人リストからShermanを指名したあと、Gabrielはその必要性を説いた。Shermanは「ファイル共有の恐るべき問題」に陪審員達をひきつけ、RIAAが「損害を持ち出して大もうけするために訴えているのではなく、その点を明らかにするために訴えているのだ」ということを証言することができる、という。裁判官は、Shermanの証言の重要性を説く彼の訴えを退け、裁判は、論点となる楽曲の著作物を実際に所有するUMG、Warner Bros、EMI Records North Americaの証人の証言をもって、裁判を閉じた。

証言台に立つThomas

本日午後、Jammie Thomasもまた証言台に立った。昼食の直後、彼女は直接原告によって呼び出され、原告側は、彼女のコンピュータの経験を尋ねるところから話を始めた。彼女がMatch.com、MySpaceのアカウントを持ち、オンラインゲームをプレイし、自宅にインターネットアカウントを持っていることを確認した後、Gabrielは「tereastarr」というユーザ名で「アンチRIAAブログである」Recording Industry vs. The Peopleに投稿したことがあるか、と尋ねた。彼女が肯定すると、彼はMediaSentryはtereastarr@KaZaAアカウントを発見した夜、彼女の家に別のPCがあったかどうかという別の質問をした。彼女は、それはなかったといった。

数度にわたるやり取りの間、GabrielはThomasに彼女の宣誓証言(Deposition)について述べるよう求めた。彼女は宣誓証言の際に宣誓していること、そして今、宣誓をして証言台に立っていることを思い出させた。それから、Gabrielは、Thomasのオンライン上のペルソナが一貫してtereastarrであることを陪審員達に示した。陪審員達は、彼女のCompaq Presario PCからpogo.com、match.comのプロフィール、スタートメニューのスクリーンショットを見せられた。そのどれもがtereastarrというユーザ名であった。

Gabrielはまた、彼女の過去のボーイフレンド達がコンピュータを使っていたかどうか、そして彼女のWindows XPマシンのアドミンアカウントがいつ、パスワードで保護されたのかについて質問した。彼は、彼女が2004年にボーイフレンドと別れ、それ以来彼女がアドミンアカウントにパスワード保護をかけたこと、そして彼女以外にそのアカウントを使用しなかったことを確認した。

その後、質問は彼女のCDリッピング習慣に向けられた。宣誓証言の際には、Thomasは1日で6,7枚以上のCDをリッピングしたことはないと述べている。しかし、今日の証言台では、彼女は2日ちょっとで2,000曲以上の楽曲をリッピングすることができたと発言した。MediaSentryが撮ったKazaaの共有画面のスクリーンショットを提示されたとき、彼女は「これがKaZaA上で発見されたPCのスクリーンショットである、とレーベルが主張していることは理解している」が、これまでにKaZaAを使ったこと、ダウンロードしたことは否定した。

続いて、Gabrielは、彼女の膨大な音楽コレクションに話を向けた。KaZaAの共有画面に見られた複数のバンドと、彼女のハードディスクを方科学的調査で明らかになった彼女のMy Musicフォルダ内で見られたものとを比較した。彼は、Lacuna Coil, Cold, Evanescence, Howard Shore, Green Day, Black Sabbath, Creed, Belinda Carlisle, A.F.I., Dream Theater, Sheryl Crow, Enyaなどの名前をまくし立て、こう尋ねることで結論付けた。「あなたの聴いている60以上のアーティストが、共有フォルダ内に見られらものと同一だったことは、驚きに値しますか?」

「いいえ」、Thomasは答えた。

それからGabrielは、彼女がセントガブリエル大学の学生で、Napsterの研究を行っていたころのことを尋ねた。1998年か1999年、彼女は研究プロジェクトを行っており、Napsterアカウントを作成し、大学のコンピュータに数曲の音楽をダウンロードした。彼女はその当時Napsterを利用することが合法であるという結論に達した、というGabrielの主張に同意した。

Gabrielは音楽産業がいかに音楽のコピーを懸念しているかを指し示す中で、彼女のCDライティングについて質問した。Thomasは、彼女が元ボーイフレンドのKevin Habemeierにバレンタインデープレゼントとして、「From me to you」などの楽曲を含む、2,3枚のコンピレーションCDを焼いたと述べた。彼女はまた、彼女が著作権侵害通知をISPから受け取った際の状況の証言について、Habemeierの証言に異議を唱えた。

彼女の弁護士による反対尋問で、Thomasは日付の矛盾を説明した。彼女は当初、2003年にBest BuyからCDを購入し、ハードディスクは2004年の1月か2月に交換されたと言っていた。法科学の専門家がハードディスクを調べた結果、それは2005年1月以降に製造されたものであるということが明らかになり、その後彼女は、2004年にPCを購入し、そして2005年3月にハードディスクを交換したと述べた。「私は宣誓証言のために、1年の全てを失いました。」と彼女は言った。彼はまた、彼女がその当時、デモンストレーションのために2日の期間を与えられ2,000曲くらいの楽曲をリッピングできたかどうかは、「陪審員には計算できるでしょう」と述べた。

それから、Toderは彼女のコンピュータにKaZaAがインストールされたことはあったか、KaZaAアプリケーションでダウンロードしたことがあったか、を尋ねて結びとした。彼女は、両方の質問に否定の答えを述べた。

レコード会社の代理人が証言を行い、Shermanの出廷が遮られたのち、両者に休憩が与えられ、そして陪審に対する説示が再開した。明日の朝、最終弁論が始まり、この裁判の骨子を述べるための時間が両者に30分ずつ与えられる。その後、陪審員達は審議を開始する。明日にはこの評決についての報告ができるかもしれない。

上述したように、企業対個人の陪審裁判では、企業の側に厳しい評決がなされることが多いのだけれども、上記の尋問にもあるように、彼女の好んで使っていたユーザ名と問題のKazaaユーザのIDが同一であり、そのユーザIDを使用してKazaa上でファイル共有を行っていたユーザのIPは彼女のインターネットアカウントからのものであった。

本来であれば、陪審裁判ではユーザの側に希望が持てそうなものなのだけれど、今回ばかりは難しいかもしれない。、たとえ、IPアドレスが同一であっても決め手とはならないという専門家の意見があったとしても、状況としては彼女にとってかなり不利なものであることは間違いないだろう。

少なくとも、陪審員を納得させうる事実を、音楽産業側は提示しているようにも思える(もちろん、中には馬鹿らしいものもあるけど)。その一方で、被告は陪審員にとって信頼できない相手だと思うことだろう。

個人的には、このような裁判が初の陪審裁判のケースに当たってしまったことが、不幸なものと思われる。少なくとも、これに勝利した音楽産業は、よりいっそうその語気を強め、これまで以上にユーザを脅しかねない。陪審員にはそこまで配慮しろとは言わないが(むしろ、配慮したらしたでそっちのほうが問題)、そのような流れになりかねないのが気がかりなところ・・・。

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