スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

音楽ファンより音楽産業へ:音楽を聴く機会を奪われては音楽を購入できるわけがない

DemonoidがCRIA(カナダレコード産業協会)からの警告を受け、カナダ国内からのアクセスを遮断していることを受けて、そのユーザがCRIAに対してオープンレターを送付したよというお話。彼は熱心な音楽リスナーであったようで、毎年3,40枚を購入してきたようだ。しかし、CRIAがDemonoidに国内からのアクセスを停止するよう求め、実際にそうなってしまったことから、筆者の気持ちがヒートアップしてしまったようだ。彼が好きなのはメタル、彼は音楽産業から見捨てられたこの音楽を、Demonoidなしにどうやって知ることができるのだろう、と嘆いている。

原典:TorrentFreak
原題:Demonoid Aftermath: An Open Letter to the CRIA
著者:Ernesto
日付:October 04, 2007
URL:http://torrentfreak.com/an-open-letter-to-the-cria-071004/

先だってのDemonoidの混乱の余波として、 「元音楽購入者」がCRIAにオープンレターを送付した。それは、音楽業界の何が良くないか、そして彼らがどのようにして顧客を遠ざけているかについて、優れた概説を行っている。RIAAとCRIAは彼らのビジネスモデルを考え直さなければならない、P2Pサイトを閉鎖するだけでは問題が解決されることはない。

CRIA関係者各位

私は長年、熱心な音楽コレクターでした。私のCDコレクションは1000枚を超えますし、しかもそれはインターネットから購入したデジタルコピーだけのアルバムを含まない数です。私は、年間30-40枚ほどの新しいCDを購入します。しかし、カナダのユーザがDemonoidにアクセスするのを妨害するというあなた方の最近の決断におかげで、この時代に逆行する、機能不全の産業をサポートし続けるために、これ以上私の金を投入することはもうできないと決めました。つまり、私はもう音楽を購入するつもりはないということです。あなた方の組織に1ペニーのお金も渡ることはないでしょう。

私は、「産業」が随分と前にサポートをやめた音楽、ヘビーメタルを愛好しています。なので、(産業に)シンパシーを感じるということはほぼありません。Demonoidのようなサイト達は、あなた方の組織や産業がこれまでの行ってきたこと以上に、私の愛する音楽をプロモーションしてきました。私はそこを通じて、新人アーティストや決してプロモーションされることのないアーティスト達の新譜に出会うことができます。ラジオでもかけられない、MuchMusicやMTVでも放送されない、地方紙でも新譜の紹介やレビューされることのない、そんなアーティスト達の音楽を聴くことができるのです。音楽を聴くことによって、その音楽を買うべきかどうか、という情報に基づいた判断ができるのです。聴いたこともない音楽に、15-20ドルもかけてギャンブルしようとは思いません。

25年前、私は主に友達がダビングしてくれたカセットテープを聞いて、音楽を知ることができました。それを通じて、自分もそのテープを購入すべきかどうかを決断することができたのです。現在、学校を卒業し随分たちますが、音楽を共有する私の「ギャング」な友人は、その場をカセットテープや学校のカフェテリアから、オンラインでのmp3共有に移して います。私はそこで好きになれない音楽を聴くこともあります。その場合はそのアルバムを買うことはありません。でも、それを気に入れば、私はそれを買います。いや、私が新しい音楽を聴くことを、あなた方が止めようと決断する以前は、でしょうか。

産業はレコードセールスが低下していると叫び、その責任を全てインターネット上でのダウンロードのせいだと非難します。もちろん、私はインターネットダウンロードがセールスに何ら影響を及ぼさないというほど、世間知らずではありません。確かにダウンロードは、シングル曲を気に入って買ったら、残りの曲が捨て曲だったなんてアルバムを購入するという馬鹿げたことを私にさせなくなりました(そうして購入してしまったCDは棚の上でほこりを被っています)。しかし、そのような理由で購入しなくなったCDがあるおかげで、私はDemonoidのようなサイトで他の、初めて聴いたCDを購入するのです。

一方で、音楽産業自身が、落ち込むレコードセールスに責任があることを認める必要があります。長きに渡って、彼らはリサイクルされたくだらないものをマーケティングしてきました。人々はそれに飽き飽きしているのです。フレッシュで新しいものをたまたま耳にしたり、ラジオで聴いたりする思いがけない機会があったとしても、音楽産業は、うわべだけ似た数多くのクローンバンドと契約し、せっかくの「新しい、フレッシュな」サウンドを退屈なものにしてしまいます。音楽産業は、優れた音楽を製作しようとか、プロモーションしようとかいう気はないようです。その代わりに、刺激的なダンスができるプリティフェイス、うまい口パク、タブロイド誌におっぱいの写真をでかでかと掲載させながら、ラジオ局に猛烈にプッシュをかける、そんな方法で若者達に売り込みをかけています。もし、AC/DCやMotorheadが今の時代にでてきても、決して成功することはできなかったでしょう。それはダウンロードのせいでダウンロードセールスが落ち込むからなどという理由ではなく、たとえ彼らが契約までこぎつけたとしても、彼らをプロモーションしてくれないというひどく醜い事実のせいなのです。一方で彼らは、Britney Spears, Lindsay Lohanやその他のエアブラシでいくらでもセクシーにできるティーンエイジのトランプ(訳注:ドシンドシン歩く人、いやらしい女、などの意)をプロモーションして甘やかします。

レコードレーベルは、ダウンロードによってアルバムセールスの利益を失っていると嘆きます。彼らはこれまで、20年に2,3枚の「greatest hits」アルバムを、既にそれらのアルバムを持っているファンから搾取するために1曲だけ新しいトラックをつけてリリースしています。その1曲の新しいトラックのために20ドルを支払わせるのです。もしくは、3ヶ月前のアルバムに「以前にはリリースされなかったボーナストラック」をつけて再リリースしたりもします。それでも、彼らはなぜ人々が購入しないのかを理解することはできず、その代わりに人々がその1曲の新曲をダウンロードしているのだと不正を嘆きます。

私は、レコード産業だけが叫んでいるわけではないということを知っています。レコードセールスから十分な分け前を得られるほどに影響力のあるアーティスト達は、彼らの分け前を心配します。Metallicaなどは、「Downloading is evil」などと文句をいい、彼らの最新アルバムは、910万枚ではなく、900万枚を売り上げています。本当にかわいそーなことです。一方、多くのより若くて、売れていないアーティスト達は、ダウンロードを支持します。彼らは人々に音楽を聴いてもらうための唯一の手段だと知っていますし、彼らのライブに来てくれることを知っているからです。それは、レコードレーベルが全く彼らをプロモートしてくれないためでもあります。しかし、彼らは声に出してそれを言うことはできませんよね?もしそうすれば、彼らはレーベルから追い出されてしまうのではないですか?

そう、教えて欲しいのです。CRIAがメタルをプロモーションするために何をしているのかを。えぇ、確かにあなた方はカナダ国内のTop50「メタル」アルバムへのリンクを貼っています。そのTop10を見てみたのですが、Dropkick Murphys, Finger Eleven, Billy Talentといったパンクアクト、Nickelback, Queenといったロックアクトが入っています。でも、それは全然ヘビーメタルではありません(おそらく、あなた方は、ケルティックパンクバンドDropkick Murphysに、彼らが「メタル」とみなされていることをどう思うか聴いてみるべきでしょう)。

もう1つ教えてください。Demonoidなしに、私はどこでEvileやDublin Death Patrolといったバンドを見つけることができるのでしょう。そして、どこで彼らのアルバムをオンライン購入すべきか判断できるのでしょう(どちらのアルバムもカナダのレコード店で目にしたことはありません)?そして、CRIAは、カナダの才能ある人々のプロモーションを気にかけているのでしょうか。たとえば、長きに渡って活動しているレコーディングアーティストAnnihilatorは、2007年にリリースされたアルバムの中でも優秀なアルバムをリリースしています。しかし、カナダ国内のどのレコード店にも置いているのを見たことがありません。トロントのYoung StreetにあるHMV本店ですら、です。結局、私は英国のWebサイトからコピーを購入しなければなりませんでした。そして、このアルバムを聴くことができた唯一の機会が、Demonoidからのダウンロードだったのです。そのアルバムを聴くこともなく、(訳注:私が英国のWebサイトから購入したというような)この種の努力をしてくれる人を期待しているのですか?

レコードレーベルとCRIAは、音楽のダウンロードや共有が音楽産業を死に至らしめているということを伝えるために、どんなことでもしてきました。目を覚ましてください。そして、テクノロジーを受け入れ、そのアドバンテージを活用するよりも、テクノロジーに抵抗することによって、音楽産業の恐竜達は既に長きに渡って自ら滅亡の道を歩みつづけているのです。MP3フォーマットで音楽配信を行うサイトを指して、「いや、彼らは受け入れている」とあなた方は主張されるかもしれません。しかし私は、愛するメタルの大半が、これらのサービスを通じて利用できないことに気付いています。また、アルバム全体を購入したときに、お店で買うのと比べて高くなるということはないにしても、物質的なコスト、流通コストがもはや存在しないにもかかわらず、大差がないということにも気付いています。もう一度言いましょう。私は音楽業界に対してシンパシーを感じることはできません。私は音楽産業が滅びることを望んでいます。音楽産業の堕落した側面がなくなったとしても、音楽それ自身は不滅でしょうから。そうなってこそ、再び音楽は全盛を取り戻すのかもしれません。

敬具

元音楽購入者より

もちろん、彼の主張に対しては、結局のところ、DemonoidだろうがWinnyだろうが、主に違法にやり取りされているのは、そのくだらない音楽だよ、とか、1曲だけならオンライン配信で買えばいいじゃないか、という突っ込みもできるが、その反論だけをしてこの話を終わらせることは何にも生み出さないと思う。

今回のお話は、以前に紹介した「私が海賊になった理由」にも通ずる話だろう。今回の彼(彼女?)も、そして海賊になった理由を綴った男性も、共に熱狂的な音楽ラバーであった。どちらも、音楽産業にとって非常に優良なお客さんであっただろう。音楽が好きで、音楽産業になくなってもらっては困る、本当はそういった人たちだったのだと思う。しかし、彼らにも我慢の限界というものが存在する。それは、好きであればこそ、なのかもしれないが。

おそらく、ずっと我慢してきた部分があるのだろう。金儲けのためだけのベスト盤、クソ高いファンアイテム、そしてデバイスの変化に合わせた買いなおし、さらにリイシュー、そして時代に逆行するかのようなCCCD、友人との共有どころかパーソナルユースすら制限するDRM、それらの時代を通じて次第に自分の好きな楽曲に対しては全く金をかけてくれず、10年後には誰しもが忘れているであろう安っぽいアーティストにだけ金をかける、インターネットはロングテールに有効だ、などといいつつも、全然その輪の中にも入れてくれない。聴く機会がないなら何とか自分で探して見つけた、それすらも許さないのであれば、どうやって音楽を知ればいいのだと。

音楽産業にどれだけのことをされても、多くの音楽ラバーたちはついてきた。しかし、もはやその我慢の限界を超えている人たちもいるということだろう。以前のエントリの人はそれがDRMであり、今回の人はDemonidだったということ。彼らはどれほど音楽産業に対して譲歩してきたか、と思っているだろう。全ては音楽のため、と思ってきたものの、決して音楽産業は譲歩してはくれない。要求を強めるばかりだ。

もう付き合いきれなくなって当然だろう。音楽産業は魅力的な音楽を作るつもりもない、プロモーションするつもりもない、魅力的な音楽を聴く機会すら与えてくれない、そうなれば、いかに音楽が好きであっても欲しいと思える音楽を手に入れられるわけがない。好きでもない音楽を買える人はいるだろうか。

もちろん、彼の主張を「じゃぁ、それはファイル共有をOKにすれば解決だね」などと解釈するつもりはない。しかし、音楽産業は聴く機会を奪うことで、リスナーを困らせている、減らしている、というのは正しいとは言えないが、間違いではない。そして、そのソリューションとして海賊行為を選択している人がいるという事実がある。Demonoidしか、彼、彼女のの好きな音楽を教えてくれる人がいる場所はなかったのだから。

でも、本質は非常に簡単なこと、音楽は聴いて、好きになって、そして買いたくなるものでしかない。その3ステップの最初の1ステップ目に必要なことを考えればいい。海賊行為などに頼らずとも、我々がそれを担おう、それだけのことなのだけれどもね。現状の音楽産業は、その1ステップ目から儲けを上げようとしすぎていて、結局はそれが購入に結びつかない、と思える。

おそらくは、確実に成功する方法を誰かに見つけて欲しい、そうしたらそれに乗っかろう、と思っているのだろうけれど、そのような方法が容易に見つかるほど、彼らのかけてきた制限は緩くもないし、彼ら自身肥大化しすぎた。彼らが動かない限り、彼らの望んでいる方向へは進んでいくことはないだろう。もちろん、それはリスナーが望む方向でなければ、また同じ過ちを繰り返すことになるのだろうけれどもね。

Trackback

「こんな時代もあったね」と、いつか笑って話せる日が来て欲しい。
でも、本質は非常に簡単なこと、音楽は聴いて、好きになって、そして買いたくなるものでしかない。その3ステップの最初の1ステップ目に必要なことを考えればいい。海賊行為などに頼らずとも、我々がそれを担おう、それだけのことなのだけれどもね。現状の音楽産業は、そ
2007.10.10 18:21 | 思いつくまま 気まま そのまま
Trackback URL
http://peer2peer.blog79.fc2.com/tb.php/761-956b4308

Comment

Comment Form
公開設定

プロフィール
heatwave Author
:heatwave

RSS Jamendo twitter tumblr Creative Commons Attribution 2.1 Japan
ブログ内検索
記事リスト
最新の記事
全記事一覧
他所で書いてるブログ

P2Pとかその辺のお話@はてな

アーカイブ

カテゴリー
最近のコメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。