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誰がレコードレーベルを必要としているのか?

Radioheadがまさにフリープライスで独自に音楽を配信し始めたり、Nine Inch NailsのTrent Reznorがレーベルから飛び出そうとしたり、Princeがレーベルのご意向無視の行動をしてみたりと、最近起こった出来事だけを見てみても、以前のようにレコードレーベルが音楽を支配していた時代が変わりつつあることが見て取れる。そのような中、本当にレコードレーベルは必要とされているのか、という議論が沸きあがっているよ、というお話。個人的な意見としては、流通がスムーズになりつつある現在、中間マージンが高すぎるというでは、見放されて当然な部分もある。過去の影響力を行使して支配しようとすれば、それは崩壊の始まりだ。過去の影響力などいつかは衰える。今の彼らに必要なのは、次の時代にも価値を見出せる「存在意義」だろう。

原典:newsday.com
原題:Who needs record labels?
著者:Glenn Gamboa
日付:October 7, 2007
URL:http://www.newsday.com/services/newspaper/printedition/sunday/
fanfare/ny-ffcol5401048oct07,0,6838647.column

Radioheadが単独でリリースしたニューアルバム「In Rainbow」の議論は未だ尽きてはいないわけだが、そこでは依然としてレコードレーベルは必要なのか、という問題が再燃している。

レコード会社が、新たなアクトの配信やブレイクにとって最良の存在であったことは既知のことであった。しかし、インターネットは過去の流通経路を時代遅れのものとし続ける。そして、新たなアクトを紹介する第1の方法としての(ラジオと入れ替わった)テレビの現在進行中のシフトは、広告代理店やテレビ製作者とアーティストのマネジメントとを、レコード企業とラジオ局との長きに渡る関係と同じくらいのものとした。

なかなか興味深い問題設定ではある。ただ、どちらかと言えば、必要なのというよりは、活動を行うにあたって、絶対不可欠なものであるのかどうか、という問題設定のほうがしっくりくるかもしれない。記事では、こうした動きを示す例として2つの事例を挙げている。

最近起こった2つのブレークスルーを見てみよう。Feistの2ndアルバム「The Reminder」(Cherry Tree)は、5月にリリースされ、たくさんのブロガーの関心と、メディアの動員を集めた。しかし、彼女は、AppleがiPodのニューラインのキャンペーンテーマ曲として彼女の「1, 2, 3, 4」を採用するまで、ヒットするまでには至らなかった。 そのようなAppleのコマーシャルは繰り返し高セールスを叩きだし、Fesitのシングルを、ほぼラジオからのサポートなしに、iTunes Top 10、Billboard Top 30に押し上げた。

さらに、スタテンアイランドのシンガーソングライターIngrid Michaelsonがいる。彼女の「The Way I Am」は、国民意識を気付かせるものであり、最近のOld Navyキャンペーンの浸透に伴ってiTunes Top 20入りした(「Here, Take My Sweater」という曲としてより知られているかもしれない)。 また、楽曲が「Grey's Anatomy」(訳注:人気のテレビドラマ)でも使用されたことから、Michaelsonはレコード会社を介さず、「Girls and Boys」というアルバムをリリースしている。彼女の成功のためには、それは必要なかったのかもしれない。Michaelsonは、いかなる産業基盤からの助けもなく、そして著作権使用料の支払いもないが、それでも全国ラジオでかけられ、Matt Nathansonとの全国ツアーを行っている。

FeistとMichaelsonは度重なる露出を通じて成功を収めている。そして、その露出は、これまでレコードレーベルが提供するものだとされてきたものだ。

プロモーションにおいてレーベルの力を借りることなく、流通においてもiTSというデジタルディストリビューションのおかげで、レーベル、既存の流通の力に頼らずに済んでいることを示しているのだろう。ただ、ロイヤルティの支払いがないというのは気になるところではある。インディペンデントのアーティストでも支払いを受けているという例はしばしば目にするのだが。

他のシンガーソングライター達が、メジャーレーベルに身を寄せていながらもほんのわずかな成功にも恵まれていないというのに、どうやって彼女はそうすることができたのだろうか?それは、彼らシンガーソングライター達が彼らのレーベルに問いかけるべき問題だろう。私は彼らがそうすると考えている。

この記事を読んでいて、途中で違和感を覚えた。確かにインターネットの登場によって過去の流通経路とは別のルートができているし、その流れはますます速くなる一方だ。ただ、だからといって、既存の産業のパワーがそれほど弱々しいものだとも思えないし、さまざまに有益な点はある。

たとえばプロモーションやCD流通に関して言えば、やはり音楽産業がこれまで培ってきたノウハウはまだまだ色あせてはいない。まぁ、問題はそのような有益性は存在しているものの、その使い方がおかしいということであって、存在そのものまでを否定しうるものでもないし、そうなることはリスナーにとっても不利益となるだろう。

また一方で、レコードレーベルに頼らずとも、インディペンデントながらも、インターネットその他での活動を介して、多くの人にアプローチすることだってできるようになってきてはいる。ただ、上記に上げられたような例は、ほんの一握りの人に過ぎず、それもよっぽどのラッキーに恵まれた人だろう。

もちろん、たとえ一握りの人であっても、これまで音楽産業を支配してきたレコードレーベルに拠らずに成功したということは、音楽の多様性ということを考えても非常の望ましいことだと思うし、インターネットを通じて、商業的な成功の見込みを度外視して、自らの作品を公開することができる、ということはクリエイターにとっても良い側面となるだろう。たとえ、現在はその道を一握りの人しか通れなかったとしても、その道幅がこれからますます広がっていってくれることを望むというのはやぶさかではない。

しかし、それとは別の次元で、音楽産業に対しても期待しているところがある。上述したように音楽産業にだってそのメリットはある。たとえ、新たなルートに既存の音楽産業にないメリットがあったとしても、そこには既存の音楽産業の持つメリットには適わない部分だって存在する。

結局、両者は排他的な存在でなくとも良いのだ。どのルートを通って我々の前に現れたとしても、素晴らしいものは素晴らしいし、気に食わないものは気に食わない。聴く機会さえ与えられれば、人々は自らの感性に従って、贔屓なくそれを評価するだろう。

そして、両者は相互交換的なものであって良いのだと思う。Radioheadのようにネットを利用したインディペンデントな配信をする一方で、ネットで成功したアーティストがレーベルとサインする。リスナーの耳に音楽が届くのであれば、最善の選択肢を選ぶべきだし、どちらかだけしか選べないというわけではない。

しかし、現状はレーベルとサインしたアーティストは、自らが望んだようなプロモーションをかけてもらえるわけではないし、逆に自らができるプロモーションを行おうとしても、それをレーベルによって抑制されてしまうという問題も生じている。New Context Conference 2007においても、その問題に触れている。

New Context Conference 2007
中野裕之×テイトウワ / 「クリエイティブ・コモンズとWebビジネス」

まだまだレコードレーベルの存在を必要としている人たちは数多くいる。しかし、そのような人たちの声を聞かずにいれば、レコードレーベルの存在意義が次第に薄れていく流れになることだってありうる。少なくとも、著作権を盾に旧来のひじネスを守りぬけるほど、時代の変化は緩やかなものではないのだから。

もちろん、この記事を読んで途中こそ違和感を感じたものの、ここで引用している最後の一文で納得した。筆者はレーベルとサインしたアーティストにレーベルを抜けろといっているわけではない。レーベルに問いかけろといっている。

さて、このエントリでも少し触れたけれども、Radioheadはアルバム『In Raindow』をリスナーのつけた価格で購入させるという、非常に大胆な試みをして話題となった。次のエントリでは、そのRadioheadといえども、今のところはメジャーレーベルを必要としているよ、というお話を紹介したい。

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