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着うた配信から考える音楽のこれから(1/2)

前回のエントリを受けて今回は、着うたを支えるこれまで音楽産業の戦略についての問題を考えてみたい。いまだにもやもやしている部分もあるので、かなりの抽象論&長話になっているのはご愛嬌。結論から言えば、音楽産業が目指すべき将来は、特定のアーティスト、楽曲に頼ったプロモーション戦略ではなく、音楽そのものの魅力を伝えるための戦略にシフトすべきだ、そのために着うたは同利用されるべきか、というお話。随分昔に、Rockin' onの渋松対談で読んだ、「レコード屋に行ってもB'zのファンは確実にB'zのCDを買って帰って来るだろうけど、奥田民生のファンは奥田民生以外のCDを買って帰って来ることも多いだろうね(うろ覚え)」というお話に端を発しているお話かも。

前回のエントリでは、技術、通信の問題が改善されれば、着うたの包含しているビジネスモデルへの疑問が生じてくるだろうということを述べた。もちろん、将来的にWebでの音楽配信との統合がなされることそれは解決することにはなるだろう。利益は目減りすることになるだろうが、それでも音楽産業にとっては、携帯電話からの音楽利用を好む層が存在することが、安定した収入をもたらすと考えているかもしれない。

しかし、現在音楽産業が相手にしている着うたユーザ層は、これまでの音楽産業のビジネスモデルによって育てられてきた層だともいえる。現在、音楽産業は世界的に低迷を迎えており、そこにはライフスタイルの変化やリスナーの変化など時代の変化によってもたらされている部分も大きい。

もちろん、時代に変化によって、着うたや音楽配信などでの音楽の購入が促されたわけだけれども、それは依然として既存のビジネスモデルを過度に守りつつ、そして過去のアプローチを踏襲したままに行われているようにも思える。しかし、着うたや音楽配信があぶりだすこれまでのビジネススタイルの問題は、たとえ、前回のエントリで述べたような問題を解決しようとも改善されることはない。

以前のエントリでも述べたが、着うたや音楽配信が好況だといえども、そのユーザの多くはライトリスナーだろう。もちろん、ライトユーザが悪いというわけでもないし、そういった層にアプローチするというのも悪くはない。しかし、問題となるのは、そのユーザに対するアプローチに重きを置きすぎているということだ。

私は音楽産業の目指すべき未来は、プロモーションによってライトリスナーを増産することではなく、ライトリスナーではないリスナーを育てていくことだと思っている(ハードコアなリスナーを増やせというわけではない)。1つの曲、1つのアーティストに対して強くコミットさせるだけの戦略は、自転車操業も同然だ。そのプロモーションに失敗すれば、その曲、アーティストが飽きられれば、それで終わり。そうならないために、また新しい曲を増産してプロモーションをかけたり、別のアーティスト、別の楽曲をプロモーションして何とか次に繋げる。しかし、それはプロモーションが効果的に成功していることが前提となる。メディアが多様化しつつある現在、そのような戦略が未来永劫続くとは思いがたい。

だからこそ私は、楽曲の魅力、アーティストの魅力だけではなく、音楽そのものの魅力を伝えることに努力して欲しいと思うのだ。どんなアーティストであれ、楽曲であれ、そこからは無数の音楽の糸が張り巡らされている。音楽は決して全てがオリジナルなわけではない。それはその創り手が聴いてきた、影響を受けてきた、愛してきた音楽が反映される。1つの楽曲には、細い糸、太い糸、そうした糸が別の楽曲、別のアーティスト、別の音楽に向けて無数に張り巡らされている。音楽を好きなり、そうした糸に気付いた人たちは、きっとそのような糸を手繰ってみるという好奇心に駆られるだろう。誰しもがハードコアリスナーのように、その糸を10本、20本も手繰っていく、ということを期待しているわけではない。ただ、1人でも多くのリスナーに、1本でも、2本でもその糸を辿り、そこで新たな音楽を発見したり、これまで聴いてきた音楽を改めて見直したり、そういった経験をさせることが、これからの音楽産業には必要となるのではないだろうか。

もちろん、そうした音楽の糸を可視化させるような試みを行ったとしても、直接、そしてすぐさま個々のアーティストやレーベルの利益に結びつくわけではないかもしれない(音楽の糸は異なるレーベル、異なるジャンル、異なる国などのアーティストや楽曲に繋がっていることのほうが多いだろう)。しかし、音楽産業そのものを活性化することは、たとえ遠回りしてでもいつかは自らの元に利益をもたらすことになる。それは、我々が著作権という制度を許容しているのと同様のものかもしれない。多くの人は、著作権という制度によってクリエイターや製作者たちの利益が保証されることで、それによって自らの手元に創作物が届けられることが保証されると認識している部分もあるだろう。

自らの目先の利益だけを考えれば、著作権なんてクソ喰らえだ。しかし、そうした目先の利益だけ基づいた行動がどのような結果をもたらすかは、多少の創造力があれば推測することができるだろう。自分達の直接的な、至近的な利益になる、ならないだけで物事を判断するのは、決して長期的な利益には結びつかないのではないか、と思えてならない。

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