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英国、ファイル共有ユーザ対策法を検討の方針?:ISPに音楽産業への協力を求める

border=英国政府が違法ファイル共有ユーザを取り締まるために法律を制定するかもしれない、とのインタビューがBBCの番組で語られたよ、というお話。その前提として、現在行われているISPと音楽産業との自発的な協力関係が築けるときには、それは必要ないだろうとはしているものの、ISP側からしてみれば、音楽産業のインターネット中立性を踏みにじるような要求を拒絶したとしても、立法の側がISPに対してそれを要求するという2段構えの包囲網を敷かれているという状況でもある。ISP側の要求としては、違法ファイル共有ユーザに対するアクセスの遮断や、法的施行時の協力等を求めているようにも思える。また、上述の政府高官は、将来的な電子指紋技術などの実装を見越して、その種のデータベースをもちいて、ISPがユーザの転送をモニタリングし、違法なコンテンツの流通を遮断することを望んでもいるようだ。

原典:BBC News
原題:Anti file-sharing laws considered
著者:BBC
日付:October 24, 2007
URL:http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/7059881.stm

イノベーション・大学・職業技能省政務次官であるLord Triesman(労働党)は、知的財産権の窃盗が大目に見られることはなくなるだろうと語った。

「我々が自発的な取り決めを定めることができないのであれば、法律を制定することになるだろう。」と彼は言う。ここで言う、自発的な取り決めというのは、音楽産業とISPとの協力関係である。Lord Triesmanは、ISPに対し違法ファイル共有の問題について『より積極的な役割』を担うよう求めている。協力といってもメディア産業の要求をISPが飲むか飲まないかというだけなのだけれども、たとえば、特定プロトコルの遮断やユーザのパケットのモニタリング、違法ファイル共有の訴えに応じた警告状の送付など、さまざまな協力を求めるのだろう。

データバンク

ISPと音楽産業との話し合いは依然続いているのだけれども、Triesman卿によれば「半年前よりはずいぶんと前進した」のだという。上述したように、彼はメディア産業とISPとの間に折り合いがつかなければ、立法によって対処せざるを得ない、ということを述べてはいるのだが、本来のスタンスは、メディア産業とISPとの自発的なスキームを構築することで、統制を必要とする(つまりは法律を必要とする)ことはない、というものなのだという。一応、強硬姿勢はとってはいない、ということを前置きしているが、ISPにしてみれば、彼らには選択の余地はない、といっているようなものだろう。

また彼は、違法ファイル共有ユーザを追跡するためのテクノロジーとして、『それがどこで起こっていて、誰が行っているのかを知ることができる』というものが必要だとしている。もちろん、ここでもフォローとして、彼は、政府が「音楽を共有する14歳の子供を苦しめる」というつもりは全くなく、利益のために多くのコピーを製作した人々を探し出すことに力を注いでいるという。

「音楽を知的財産権として登録するすることで、我々はそのような音楽のデータバンクと、ネット上に出回り交換されている音楽とを照合することができるようになると考えています。...私たちにはいくつかのシンプルな選択肢があります。クリエイティブなアーティストが彼らが作り出す作品の結果として生計を立てることができないのだとすれば、私たちはクリエイティブなアーティストを殺すことになります。それは悲劇です。」と彼は言う。

まぁ、正しく言えば、クリエーターではなく、主に産業の利益なのだけれどもね。それはおいておくとしても、このような発想というのは、将来の強力なISPによるモニタリングを見越しているのだろう。つまり、将来的に電子指紋システムが確立され、コンテンツ産業の保持している多くのコンテンツがデータバンク登録されるようになれば、それを利用して一切の不正な著作物の流通をISP側で弾く、ということが可能となる。そうした未来を描いているのだろう。

『愚かしい考え』

ISP協会(ISPA)はこれまで一貫して、いかなるマテリアルであっても、ISPの役割は「単なるパイプ」であり、違法なP2Pトラフィックに対して責任を負うべきではないと主張してきた。つまり、どのようなデータがネットワークを流れていたとしても、それをモニターしたり、遮断したりするということは、ISPが行ってはならないものだということだろう。

ISPAスポークスマンはこのように語っている。

「ISPAは、著作権と知的財産権の窃盗の悪習をサポートするものではありません。しかし、ISPは自らのネットワーク上に流れる情報のタイプをモニターしたり、記録したりすることはできないのです。ISPは郵便局がすべての封筒を開けることができないのと同じように、彼らはネットワークを流れるすべてのパケットを調査し、フィルターをかけることはできないのです。日々、ISPは郵便業務などよりはるかに多いパケットを処理しなければならなりません。そして実際、データ保護法はISPが送信されるパケットの中身を見ることを禁じています。」

ISPが負担するコスト、ネットワークの中立性、個人のプライバシー、そのどれをとってもISPがパケットを監視しなければならない、という主張に対する論理的かつ、正当な反論だと思う。また、ISPA側の反応として、インターネットは急速に消費者にとっての国家基盤の重要な一部となってきており、単にエンターテインメントの供給源という存在ではない、とも主張している。

一方で、BPI(英国レコード産業協会)は、政府の強硬路線を賞賛した。BPIのCEO Jeff Taylorは、このように語っている。

「私たちは、まさにISPがインターネット海賊行為の問題に取り組むために我々と共同しなければならない、というその見解を繰り返し述べている政府を歓迎しています。さもなければ、法律の改正にまでいくでしょうから。

ISPはデジタルミュージックの消費者の経路を管理しています。ISPコミュニティを私たちとの対話を通して、我々はともに全デジタル市場の利益にかなうような、自発的な協力協定に達することができるよう願っています。」

また、このような考えを『愚かしい』と評した著名なブロガーCory Doctorowは、そのような意見は、テクノロジーを理解していない人たちの意見であり、自らの語っていることの本当の意味をわかってはいないと指摘する。

「どのような状況においても一定の責任を伴って、正確に著作物を特定できるのだと考えるデジタル信号処理のコンピュータサイエンティストを探し出すなど、あまりに大変なことでしょう。」

また彼は、こうした考えは「個人を特定しうるプライベート情報の巨大な毒性プール」を作るようなもので、ISPはその秘密を維持することはできないだろう、という。

「あなた方は、監視や監督から自らの身体、精神、会話において自由であるという民主国家の基盤を剥ぎ取られようとしています。これは本当におろかな考えなのです」。

おろかな考え、といってもISPにとって非常に困難な自体に陥っているといえる。つまり、ISPが音楽産業との交渉を決裂させたとしても、Load Triesman曰く、法を制定することでそれをISPに対して強いる、ということになりうる。

個人的には、電子指紋技術によるフィルタリングは将来的に必要な実装だと思う。ただ、それを行うのはISPではなく、個々のサービスであるべきだろう。私はネットワークは中立であるべきだと思うけれどもね。さらにいえば、既存の音楽産業自体が、いまの図体を保っていられるかもわかりはしないのだから。

さて、7月には英国保守党党首が、音楽産業に対して、ISPに著作物を扱うトラフィックを遮断、ファイル共有サイトを閉鎖させるよう求める方針を述べている。もちろん、リップサービスというところもたぶんにあるのだろうが、保守党、労働党ともにこのような動きがあるというのが懸念される。

なお、ISPによる著作物のフィルタリングなどを是非に関しては、上記の記事で述べているので、興味のある方はこちらからどうぞ。

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