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P2Pにまつわる世界のISP帯域制御戦争

日本ではP2Pファイル共有利用者といえば、その大半がWinnyやShare、WinMXを利用しているのだろうけれども、世界的に見れば、ファイル共有ユーザの大半はBitTorrentを利用しているといっても過言ではないだろう。また、日本においてもWinnyやShareに対するISPの帯域制御によって、もはや通常の利用もままならない、という人たちが多く存在するように、それは世界においても同様のこと。現在、多くの論争を巻き起こしているComCastだけではなく、その他のISPも程度の差はあれ、BitTorrentに対する帯域制御を行っている。今回は、カナダ、アメリカ、イギリスにおいて、どのような帯域制御が行われているかという概要を紹介するよというお話。

原典:TorrentFreak
原題:The War Against BitTorrent: Attack of the ISPs
著者:Ernesto
日付:November 06, 2007
URL:http://torrentfreak.com/war-against-bittorrent-throttling-
isps-071106/

BitTorrentトラフィックに対するComCastの妨害、抑制への取り組みに関して、最近数多くの議論が巻き起こっているが、ComCastだけがそのような取り組みを行っているというわけではない。世界中の大小関わらず膨大な数のISPが、彼らのネットワーク上でのBitTorrentトラフィックを制限しようとしている。 概要を示すときがきたというところだろう。戦争は始まっているのだ。

帯域制御の程度は、ISP間でも大きなばらつきがある。あるISPでは特定の地域のみで、または時間帯によってBitTorrentトラフィックを制限しているだけのところもあるし、別のISPでは、よりアグレッシブなアプローチを採り、彼らの顧客がSeedすることや.torrentファイルのダウンロードをすることすら妨害するところもある。実際のところ、ここにリストされるISPは全て確認されている。どのような方法であれ、BitTorrent転送に干渉するISPである。

BitTorrentの制御はさほど目新しいことではない。それは以前からISPが長らく行ってきたことだ。当初、ISPがBitTorrentトラフィックを制御し始めたとき、大部分のBitTorrentクライアントは対抗策、すなわちプロトコルヘッダの暗号化を導入した。これはISPとBitTorrentクライアント開発者達のいたちごっこの幕開けであった。

一部の人たちは、ISPがなぜ彼らの接続を抑制するかについて疑問に思うかもしれない。しばしば用いられる論拠としては、ネットワーク上の全てのBitTorrentトラフィックが、他の顧客の接続を遅くするというものである。その論拠は、(それが真実であるならば)確かに意味をなすものであるが、本当の問題は、ISPが彼らの制御への取り組みについて隠したがるということである。私から彼らへのアドバイスとしては、あなた方がBitTorrrentトラフィックを制限するのであれば、それについてオープンになってほしい、無制限の回線であるという広告をしないで欲しい。

ではそのようなISPはどこだろうか?ここに複数のバッドガイたちの短い概要を記そう。制御を行っている(ワールドワイドな)ISPの定期的に更新されたリストはAzureus wikiを参照のこと。

Canada

カナダのISP、ShawRogersは、BitTorrentトラフィックの制御を初期に採用したISPである。最初のサポートは2005年に遡る。更に今年はじめ、Rogersは暗号化された全てのトラフィックをブロックすることさえ決断した。そして、BitTorrentプロトコルの暗号化が機能しなかったことも確認されている。

BitTorrentトラフィックの制御、または制限を行っているカナダのその他のISPは Bell Sympatico , Cogeco , Eastlink, Explornetである。RogersとCogecoは、Comcastと同様に、積極的にBitTorrent上でファイルをSeedする人々を妨害するISPである。

UK

BitTorrentトラフィックを妨害するという英国のISPに関する報告はそれほど多くない。しかし、それは彼らが妨害していないということを意味するわけではない。英国大手のISP、Pipexは、BitTorrentとの戦いにおいて有名である。彼らはBitTorrentトラフィックを制御しており、特にピーク時には、暗号化された全てのトラフィックを抑制する。BitTorrentトラフィックを制御する英国のその他のISPは、BTBroadbandFreedom2SurfTalkTalkである。Virgin Mediaは取り立ててBitTorrentトラフィックだけをターゲットとはしないようである、彼らはピーク時に単純に全てのトラフィックを抑制する。

US

数百のサイトがComcastの制御/遮断問題について報告しているが、QwestAtlantic Broadbandも同様のことをしている。RCN/Starpower, Adelphia Cable Communications, CablevisionOptimum OnlineはSeedを妨害しているようでるが、BitTorrentトラフィックの制御は行っていないようである。

The Solution?

先述したように、uTorrent、BitComet、Azureusの開発者達は、プロトコルヘッダの暗号化をクライアントの実装している。暗号化は大半のケースでよく機能するようである。更なる詳細はこちらで見ることができるだろう。暗号化が機能しないのであれば、この記事にある別の方法を試してみることをお勧めする。

久々に帯域制御の話題を紹介するのだけれども、やはり私の考えとしては、「本当の問題は、ISPが彼らの制御への取り組みについて隠したがるということ」に尽きる。確かに帯域制御などないほうがユーザとしては便利でよいのだけれども、一方でそれを許してしまえばネットワーク内がP2Pトラフィックで溢れてしまい、他の顧客の迷惑になる、というISPの意見が本当だとすれば、やはりそれはそれで問題である(もちろん、Ernestoの言うように、ならば無制限などという言葉を用いて広告するな、とは思うのだけれども、最近ではそういう広告も減ってる気がしないでもない)。実際、帯域制御ソリューション企業が行った調査ではあるが、依然としてインターネットの大半のトラフィックがP2Pトラフィックであることが示されており、ISPが誇張をしているといえるほどの状況でもないようだし。

そういう状況である以上、P2Pトラフィックに対して、ある程度の抑制をかけなければネットワークがもたない、といわれるのであれば、多少我慢しようとも思わないでもないけれど、どう我慢すればよいのか、どの程度の我慢を強いるのかを明らかにしてくれるISPはほとんどない。DTIのようにその制限を明確にしてくれるのであれば良いが(上り15GB/日)、その他のISPは帯域制御をかけてはいることは明らかにしているが、どのような帯域制御を行っているのか、どの程度の制限になるのかについては、ほとんど明かしてはくれない。その状況で、P2Pファイル共有ユーザはどのようにしてベストのISPを選択すれば良いのだろう。

決してISPの選択はくじ引きではないのだ。どのようなサービスが提供され、どのような利用が可能であるのか、それに関する情報を提供せずして、入ってみたら使えません、というのでは、あまりにひどい。

もちろん、その仕様の全てを明かせというわけではない。少なくとも、ユーザの利用頻度に応じて選択できる程度の情報を提供して欲しい、ということだ。そんなことをしたら、P2P帯域制御の緩い時間帯なり、ISPなりにP2Pユーザが集中してしまう、というのもわからないでもないけど、それはその段になって柔軟な制御を行えばよいだろう。少なくともヘビーユーザを対象に追加課金を行うことを検討しているくらいなのだから、ヘビーユーザが一定の利用を越えた時点で、帯域を絞るという事だってできそうなものだが。

また、ピーク時に限らず常にきつい帯域制御をかけているISPにとっては、情報を公表することはもはや帯域制御云々の問題ではないだろう。単純に、ネガティブイメージをもたれたくない、というだけではないだろうか。少なくとも自らが決断して行っていることなのだから、その辺は割り切ってきちんと公表して欲しいものだ。「ピーク時にはP2P転送は1.1KB/sに制限しています。非ピーク時には7.7KB/sに制限しています。それ以上は出ません」。それくらいは言ってほしいものであるのだけれどもね。

個人的な利用状況としては、最近はJamendoからのダウンロードでBitTorrentを利用しているくらいで、それほど困ってはいないのだけれども(平均して10~50KB/s程度、もはや帯域制御なのか相手の回線速度なのか判別できないし)、表向きはともかくとしても、中立であるべきISPが「P2Pトラフィック=違法トラフィック」であるかのような過度の抑制手段をとることに違和感を覚える。もちろん、そんなことを言うことはないだろうけれど、きちんとした説明もせず、ただ「規制している、余計なことは聞くな」という姿勢は、そのような利用者をお客さんとして見ていないような気もしないではない。お客さまは神様だ、などとは思ってはいないが、真摯に対応すべき存在であることには違いない。

ISPは過度のP2Pトラフィックで困っているんです、と言われてもユーザにとってそれが確かなのかどうかを判断することはできない。そんなことを何度も何度も言われても、わかったわかったとしか言いようがない。帯域制御の前後でどのような変化があり、どの程度効果的だったのか、ということについて報告せよなどとは言わないが、少なくとも何をしているのか、それが自分の利用にマッチしているのかどうか、ということを判断しうるくらいの情報を提供して欲しいと思うのだけれども、どうなのだろう。

ある意味では、P2Pを利用しない人、P2Pを少し利用する人、P2Pをほどほどに利用する人、P2Pを過度に利用する人の住み分けができて、悪いことはないと思うのだけれどもね。もちろん、P2Pを過度に利用する人の行きつく先は、『追加料金 or 高額プラン』なのだろうけれどもね。

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2008.07.01 11:37 | 専門家や海外ジャーナリストのブログネットワーク【MediaSabor メディアサボール 】
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