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P2Pファイル共有ユーザが増加傾向・・・でも腑に落ちないところが

今年も楽しみにしていた「ファイル交換ソフト利用実態調査」の2007年版が公開されたよというお話。P2Pファイル共有ユーザ(『ファイル交換ユーザ』って言い方変えて欲しいものだけどね)が昨年調査に比べて激増しているのだとか。とりあえず、最初にぱっと見て言わずにいられないことがあったのでまずはそこだけ突っ込んでみる。それ以外のところはいずれ。

とりあえず、スクリーニング前のサンプル特性を明らかにしなくなったのね。つかサンプル全体の特性がわからないと、細かなところがわからない。総数を見ると確かに増加傾向にあるのはわかるのだけれども、どう増えているのかがわからない。たとえば年代別で見ないことには、どの年代層が増加傾向が強いのかがわからない、とかね。

ぱっと見て気づいたのは、10代のサンプル数を増やしたのかなということ。昨年、10代のサンプル数は301名、そのうち11%が現在も利用と答えているので33名が進行形の利用者ということになる。で、今年の10代のサンプル数は不明ながら、進行形の利用者は171名。まぁ、昨年と同じサンプル数なら54%ほどの利用率になる。さすがにそれはありえないので、サンプル数が増えたのかなと。

なんでそんなことを気にするのかというと、これまでの調査で気になっていた点なんだけど、ファイル共有ユーザの大半を占めると推測される10代、20代のユーザのサンプル数が、これまでの調査では極端に少なかったのね。逆に30代、40代のサンプルが多かったと。で、年代別の利用者の割合もそれぞれ異なっているのね。当然、10代が最も割合が高くて、次に20代、30代、40代と続くと。

そんなわけで、10代のサンプル数の割合を増やすと、必然的にサンプル全体に含まれる利用者の数は増えるってわけ。そういった面もあるからこそ、サンプル全体の特性を明らかにしなければいけないのだけれども、今回の調査はそれを端折ってしまった。邪推すると、全体に含まれる利用者の数を増やすために、もともと利用率の高い10代のサンプル数を増やした?なんてことが言えちゃうわけ。

もちろん、これまでの調査と比較しても、20代、30代、40代の人たちの利用者数が増加している(それぞれ3倍前後の増加)ので、この調査の結果からは増加傾向は示されているのだろう。ただ都合の悪い(悪そうな)ところを伏せちゃうとこういうことを言われちゃうぞ、ということで。

その辺の本当のところを知りたい、というわけではないけれど、実際にどの層がどの程度の利用率になっているのかは興味のあるところなので、できれば公表していただきたいところ。今年に入ってからはWinnyの情報漏洩も一昨年、昨年ほどは報道されなくなってきており(実際に被害がなくなっているわけではない)、抑制要因が弱まったために利用者が増加した、ということも考えられる。あの報道のおかげで『ファイル交換ソフト』の認知度が急激に増大したからね。認知され、かつ脅威情報が減ったことで利用が促進される結果になった、なんてことだったら、それはそれでなんともいえないお話だけどね。

とりあえず、今年は過去調査との比較がないので、同調査がこれまでに出してくれたものを、わかっているところだけ出してみた。

『インターネット白書2007』をもとに、ファイル交換ソフトの利用者の推計を行うと、平成19年3月末日のインターネット利用者数(自宅の機器を利用しての接続利用者数)は、5710.9万人と推定、今回の調査ではファイル交換ソフト利用者が「現在利用者」9.6%、「過去利用者」10.9%であり、以下の計算により現在利用者が約548.25万人、過去利用者が約622.49万人、両者を合算したファイル交換利用経験者は約1,170.74万人(2006年調査では約608.17万人)となる。

■ 現在利用者
約5,710.9(万人)×9.6%=約548.25万人(2006年調査では約175.51万人)
■ 過去利用者
約5,710.9(万人)×10.9%=約622.49万人(2006年調査では約432.66万人)

あれ、計算が・・・と思わないでね。アバウトな統計ってのはそういうものだから。だからこそ、詳細な情報がないと混乱しちゃうのよ。

おまけ:利用率の推移

利用率の推移

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「ダウンロード違法化」追記:本当にP2Pユーザは3倍になったのか
昨日のエントリ「ダウンロード違法化・初音ミク着メロ騒動・クリスマスと賛美歌 」でちょっと触れたACCSなどによるファイル交換ソフト利用に関する調査について追記。CNETにも ファイル交換ソフト:利用者、3.5%から9.6%に急増--著作権侵害も激増 (CNET) な
2007.12.25 11:33 | ミーム吉田のネットニュースクリッパー
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Comment

ぬ | URL | 2007.12.22 04:35
この調査かなりの疑問があります。
まず最初に、インターネットのアンケートってところが話になりません。一体どこのP2Pユーザーがつい先日ダウンロードが違法化するような状況で「私はP2Pを使ってます」と申告するのでしょうか?

次にそのような状況下(調査の恣意性が十分に発揮される)において「P2Pユーザーは減っています」との報告がP2Pを敵対視してる団体から出るとは思えないです。

そしてクローリング調査と言ってますが実際問題ノードとノードを繋ぐP2Pにおいて正確とは言わないまでも、その実数を把握できるのか、ましてやそのファイル状況まで把握できるのかという根本的な疑問もあります。

せめてこのような調査に評価を少しでも下したいなら、信頼のある第三者機関が行わなければならないと思います。
navecin | URL | 2007.12.22 15:49
>一体どこのP2Pユーザーがつい先日ダウンロードが違法化するような状況で「私はP2Pを使ってます」と申告するのでしょうか?

じゃあ実際のP2Pユーザーはもっともーっと多い、ということですか
heatwave | URL | 2007.12.22 23:13 | Edit
コメントありがとうございます。

個人的には、調査というものは調査主体のバイアスが何かしらの形で入り込むものだという前提で統計を眺めておりますので、この結果が若干恣意的であることは認識しております。ただ、少なくとも調査統計において数字に手を加えるということはない、と信じておりますので、では調査自体の問題を考え、それを差し引いて実態を捉えるという作業を要すると考えています(だからこそ詳細な情報が必要なわけです)。

確かにダウンロード違法化の問題は最近議論になっていますが、調査時点の9月でそこまで意識していたユーザはそれほどいないのではないかと思います。

P2Pの利用について、利用していると答えにくいのは最近でなくともそうだったでしょう。では、利用していると答える人が増えたのはなぜでしょうか。1つには実際に利用者が増加したと考えられます。その一方で、利用者が利用していると言いやすくなったということも考えられます。また、サンプリングに失敗したこと(母集団を反映していない)も考えられますし、回答者にファイル交換(共有)ソフトという概念が浸透し、自らの利用しているサービスが何であるのかを理解したことで利用していると回答したのかもしれません。

インターネット調査の問題というのは確かにあります。Webアンケート調査(今回はアイリサーチ)の場合、大半の人が報酬目当てで参加しているわけですが、2段階調査の場合、2回目の調査のほうが報酬は高いわけです。となると、利用者は2回目の調査に参加する、という動機づけが生じるかもしれません(嘘をつくという人はいないでしょうが、正直に話すためのインセンティブにはなると思います)。

ただ、この点についての記述がないので確認のしようがありません。昨年までにはないスクリーニング調査についての説明があるので、2段階調査なのかなとも思ったりするのですが・・・。アンケート回答者に対してどのようにして報酬を支払ったのかの説明も欲しいところですね。1回だけの調査で、回答した人全てに同じ報酬が支払われる場合と、2回に分けた調査で、回答によって異なる報酬が与えられた場合とでは、回答の質は異なりますからね。

ただ、個人的には増加していると思っていますよ。強力な抑制要因はなかったと思いますしね。5月にはWinny利用者が逮捕されていますが、1回だけでは抑制効果としては大してないと思っていますし、現在利用者の区分けが2006年9月以降の1年間に利用したことがある人、となっていますので、逮捕報道以前に利用している人も含まれるわけです。

現在利用というからには、調査前1ヶ月の利用くらいにしてもらいたいものですけどね(2005年までは半年だったと思いますが)。
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