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豪州:Webに強力な「年齢認証システム」を導入、効果に疑問の声も

オーストラリアでは来年の1月20日より、成人向けコンテンツの閲覧のための認証が厳格になるようだよというお話。年齢認証に際しては、フルネームと個人を認証するもの(クレジットカードまたはデジタル署名)の提示を求められ、またそのデータはコンテンツプロバイダに2年間保存しておくことを求められる。ただ、この施策の問題点としては、オーストラリア国内で提供されるサービスに関してのみであり、他国のサービスに対しては効力を持たないということ。英語圏にあるオーストラリアは現時点でも海外のサービスへの依存度が高く、また国内サービスプロバイダが海内で運営を開始するだけではないか、と施策を疑問視する声もある。

原典:Ars Technica
原題:Australia to enforce a "ratings system" on web, track users
著者:Ken Fisher
日付:December 23, 2007
URL:http://arstechnica.com/news.ars/post/20071223-australia-
to-enforce-a-ratings-system-on-web-track-users.html

オーストラリア人は、世界で最も早く新たな年を迎えることを誇りに思っているかもしれないが、Australian Communications and Media Authority (オーストラリア通信・メディア局:ACMA)によって定められた、新世代のオンライン認証規則の差し迫っている施行を懸念している人たちも少なくない。 規則は子供達をオンラインコンテンツから保護することになっている。しかし、 Communications Legislation Amendment (Content Services) Act of 2007が実際に施行されれば、成人に自己検閲するという負担を強い、一方で、オンラインパブリッシャーが自由に自らの作品を共有することを非常に困難にする。更に悪いことに、それはインターネットを、監視を必要としない子供達の遊び場に変えてしまうという見当違いの試みともなる。

1月20日から、オーストラリアのオンライン、携帯向けの商業コンテンツを公開する全ての人々に、成人向けコンテンツを未成年者に見られないことを確認することが義務付けられる。これは単純にポルノだけの話ではない。この新たな規則は、オンラインコンテンツを超えて、オーストラリアの映画レイティングにも適用される。この新たな規則が施行されれば、オーストラリアのWebサーファーと同様に、オーストラリアのコンテンツ製作者は、これらのカテゴリーによって制限されることになる。

  • 性的に露骨なコンテンツは禁止(X18+やRefused Classificationコンテンツ)。これらは既にそうなっている
  • R18+コンテンツ(性的に露骨ではないが、制限される)は、視聴の前に18歳以上であるかどうかの確認を必要とする
  • いわゆる「成人向け(Mature Audience)」(MA15+)コンテンツは、視聴の前に15歳以上であるかどうかの確認を必要とする
  • ACMA(豪州通信メディア局)は、パブリッシャーにクレームの対象となったコンテンツまたはコンテンツへのアクセスの削除させるため、「削除」「サービス停止」「リンク削除」通知を用いる

この件を伝えてくれたあるArs読者によると、法令を遵守したとすると、成人は若干のプライバシーを放棄しなければならないことを嘆いている。ユーザは自身のフルネームと、クレジットカードまたはオンライン利用のためのデジタル署名を提供することになる。コンテンツパブリッシャーは、2年間の間、誰がどのような証明書で、R18+コンテンツにアクセスしたのか、の記録を保持することが法律で義務付けられてすらいる。もちろん、このようなシスステムは、ゲームにも影響を及ぼすだろう。ただ、子供達は多めに見てくれる大人を探すとか、ママのクレジットカードを利用するといった方法で、回避するかもしれない。また、クレジットカードのアイデンティティ詐欺は、必ずしも高度な技術を要求されるわけではない。

この法律が、商業的なコンテンツプロバイダーを対象としている一方で、規則は「ライブコンテンツ」、たとえばIRCサービスやチャットルームの提供などにも適用される。どのようなコンテンツが商業的なコンテンツとされるかは不明確ではあるが、1ドルを得るブロガーはその資格を得るようである。ACMAの文書によれば、規則が適用されるのは「オーストラリアの接続を持つコンテンツサービスを提供するホスティングサービスプロバイダー、ライブコンテンツプロバイダー、リンクサービスプロバイダー、商用コンテンツサービスプロバイダー」である。

しかし、一部では、この規則が完全な時間の浪費ではないかと疑問視されている。オーストラリアでは、他国のプロバイダーにこの規則を施行することはできず、長期的に見れば、ビジネスを他国でホストさせるよう動機づけるだけではないかと見られている。

もう1つの問題点としては、ブロックすべきコンテンツは必ずしもオーストラリアで運営されているサイトから提供されているものではない、ということ。豪州は英語圏であり、非英語圏の国に比べるとWeb上に利用可能なコンテンツは多い。単純に考えれば、海外のサイトを利用する、というだけかも。

それは何も子供達だけではなく、大人たちに対しても同様のことが言えるだろう。特にモラルに関して過敏な人であれば、自身の確かな個人情報をポルノなどの閲覧で提示するのは回避したいことだろう。

このような政策にはかなりの額が投じられているようで、たとえば家庭用ポルノフィルタリングツールの無償配布に8,900万ドルとか、類似した政策に昨年だけで1億1,600万ドルを投じている。また政府は家庭でのフィルタリングだけではなく、ISPベースでのフィルタリングも検討しているようだ(その辺のことは、Arsの以前の記事に詳しい)。

上述のArsの記事にもあるように、このようなアンチポルノ政策の背景には、クリスチャンロビーの存在があるのかなと思ったりもする。以前にはオーストラリア政府によるWikipedia改竄が報じられたけれども、その中には「イエスキリストこそ唯一の神だ」と言う記述を行っていたといわれている。クリスチャン団体が母体となっているのか、それとも強力な支持団体となっているのかは定かではないが、こうしたアンチポルノポリシーの背景にあることは間違いないだろう。個人的には、いかに政府がこうした施策を講じようとも、親の直接の介入がなければ、(インターネットに限らず)別の手段が問題になる、と思うのだけれどもね。

その辺はともかくとして、結局、ISPはポルノフィルタリングの問題と、海外トラフィックの増大によって二重の苦しみを味わう、ということだろう。特に後者は既に問題になっているわけでね。

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