スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

P2Pコンテンツデリバリー:なぜユーザは帯域を提供してくれるのか

2007年は、P2Pを利用したコンテンツデリバリーがますます現実味を帯びてきた年でもある。もちろん、コンテンツデリバリーのメインストリームになったわけでもないし、むしろショーケースの域を出ていない実験段階にあるといえる。ただ、P2PダウンロードやP2Pストリーミングなど今後の展開を期待させるような状況は整いつつある。しかし、P2Pには基本的な命題が存在する。「いかにしてユーザに帯域を提供してもらうか」である。もちろん、無料であったり、低価格であることはユーザのインセンティブとなる。しかし、BitTorrentサイトなどを見るにつけ、果たしてユーザのインセンティブは無料であることだけなのだろうか、という疑問を呈しているよというお話。

原典:NewTeeVee
原題:Rant: P2P Is More than Cheap Bandwidth
著者:Janko Roettgers
日付:December 28, 2007
URL:http://newteevee.com/2007/12/28/rant-p2p-is-more-than
-cheap-bandwidth/

2007年はP2P CDNの年だった。AkamaiはRed Swooshを買収し、BitTorrentはDNAストリーミングソリューションのショーケースを開始した。また、PandoはNBCと提携し、同局のNBC Directダウンロードサービスを介して、"Law & Order"といった番組のP2Pを原動力とした配信を行う予定だ。伝統的なCDNとP2Pを結合することは、ビジネスパースペクティブにおいて非常に重要な意味を持つ。しかし、残念なことに、それはプラットフォームそれ自体をより良くするものではない。

言い換えると・・・、P2Pテクノロジーを利用することは、吸い取るだけではない、ということだ。吸い取るだけのプラットフォームは1人のユーザをも見つけることはできないだろう。そして密度の高いユーザベースを持たないプラットフォームはP2Pの潜在的な能力を活かすことはできない。それはJoostの法(Joost's Law)と呼んでもいいかもしれない。では、どのようにして吸い取るだけを脱することができるのだろうか?それは、P2Pは2,3ドル程度節約することができるだけだと理解すること。

確かに、CDNとP2Pの組み合わせは、机上ではとても素晴らしいアイディアに思える。消費者のアップロードキャパシティをコンテンツ配信に利用することで、その見返りにより高いスケーラビリティとコスト削減を実現できる。しかし、なぜユーザは企業がその映画を配信するのを助けたいと思うだろうか?なぜ、同じようなことを約束してくれるものが山とあるのに、その中から1つの特定のクライアントやブラウザプラグインをインストールしてくれるのだろうか?そして、なぜ人々はThe Pirate Bayなどのサイトからコンテンツをダウンロードし続けることをやめるのだろうか?

JoostやBitTorrentダウンロードストアといったプラットフォームは、正しい方向に向けた最初の一歩を踏み出した。無料で、広告モデルによるコンテンツが、快適なストリーミングソリューションによっ提供される。映画やテレビ番組をダウンロードし終えるまで、数時間も待たなくて済む、それはまさに海賊達との競争の始まりである。しかし、海賊行為は単にコンテンツが無料であるからというだけではない。そして海賊と競争するということは、広告やP2P技術による帯域コストの節約によって、単純に価格を下げる必要がある、ということを意味してはいない。

BitTorrentサイトがなぜ非常人気があるのかという理由に関して、彼らがユーザとしてのコミュニティ意識を持っているということはしばしば見逃されてきた。人々は、自らがダウンロードしているコンテンツについてコメントするのを非常の好んでいる。彼らはフォーラムやコメント欄でおしゃべりするのをが大好きである。そして、彼らはサイトをホームだと感じるようになれば、帯域の提供や排他的なアップロードなど、よりそのサイトに貢献する気になるだろう。

音楽サイトのOiNKを例にとろう。2007年で、最大のP2Pストーリーの1つである。音楽業界は今年10月にOiNKを閉鎖することに成功した。そして、産業のプレスリリースでは、OiNKは排他的な、招待だけの会員制システムで守られたプレリリースパイラシーである、というように報じられている。

確かにそれは見方の1つではある。しかし、OiNKのようなサイトを本当にプライベートなままにしておくことが、アンチ海賊行為団体から守ってくれるかというと、単に見せ掛けにしか過ぎないというのが事実だろう。実際、招待性のTorrentコミュニティであっても、常にアンチパイラシー団体に侵入されている。しかし、招待によってのみ加入できるというプロセスはコミュニティ意識を促進する。それはいかなる商業ダウンロードサイトデモ見られていないものである。

ユーザ名の登録すら必要のない数百万のユーザを抱えているThe Pirate Bayといったパブリックサイトでさえも、複数のレイヤーによって強固なコミュニティを有しているようだ。ごく一部の熱心なアップローダ、それより多いコメントをする人々、そしてシステムをうまくいかせるために自らの帯域によって貢献する全てのユーザ、これらの人々が何かをダウンロードすれば常に、潜在的な参加者となる。

このコミュニティ意識をとらえることが、P2P CDNを成功に導く鍵となる。あなたのユーザを魅了して欲しい、そうすれば彼らは十二分にあなたのプラットフォームを喜んでサポートスrだろう。しかし、その結論にたどり着くことは、P2Pが単なるテクノロジーであるという概念を捨てなければならないことを意味している。つまり、ファイル共有のソーシャルな側面を受け入れる、ということなのだから。

うーん、難しいところだ。確かにJankoの言うように、P2Pのメリットを最大限活かすためには、ユーザにその帯域を分けてもらう必要がある。そのためにはユーザがその帯域の配分を喜んで行うということがベストだろう。ここ数年の動きを見ていても、ユーザがソーシャルな側面を求めていることは明白だろう。ならばそれをエンジンにして、コストの削減だけではなく、コンテンツそのものの魅力を(プラットフォームも含めて)促進するということもできるだろう。少なくとも「共有」にはそういう効果もあるのだろう。

ただ、個人的にはBitTorrent DNAはユーザに帯域の提供の負担を考えさせずに、結果的に参加させるという点で優れているのかなと思ったりもする。少なくともストリーミングに関してはね。以前、BitTorrent DNAストリーミングの使用感をレポートしたけれども、よっぽど帯域をモニタリングしていない限りは、自らが帯域を提供しているかなんて気づかない。ただ、結果的には誰かの帯域にサポートされ、そして誰かに帯域を使ってサポートしていることになる(そうなるとそのやり方はフェアなのか、という問題になるが)。

そこでユーザにとって問題となるのは、そのプラグインを入れるかどうかにかかってくる。BitTorrentが抱えた悪いイメージを払拭しきれたかどうかでもあるのかもしれないが、少なくともプラグインを入れればいいというのはユーザライクなものだろう。そのまま、Flashを見るためにAdobe Flash Playerを入れるような感じでユーザがインストールしてくれるようになればよい。Javaであれ、Flashであれ、それを見るためには、使うためには必要ですよ、となればある程度のユーザはインストールしてみようかなという気になるかもしれない(ある意味ではそれもまずいんだけどね)。

ただ、昨晩P2P Todayの人たちと呑んでいたときに「何でStage 6は流行らなかったんだろうね」という話になった。そのときには、いかに画質が良くても、マスに達していないからかな(結局はYouTubeの勝ち)、と話したのだけれども、よくよく考えてみれば、Stage 6のコンテンツを視聴するためには、DivX Web Playerをインストールする必要がある。

なぜ流行らなかったのか、をもう一度考えてみると、YouTubeにはない、もう一手間かかる、というのがネックになった部分もあるのかもしれないと思える(ニコ動の場合、レジストするという手間がかかるのだけれども、2chベースという強いサポートがあったという強みが存在していたと思う)。もちろん、最も強い理由としてはマスに達することができなかった、というのがあるのだろう。ただ、そのマスに達することのできなかった理由の中には、単にYouTubeが強すぎたというだけではなくて、視聴のためにもう一手間かかる、という部分も含まれるのではないかなと。

うーん、ただBitTorrent DNAの場合、基本的にはソーシャルなプラットフォームでの利用、というよりは、商用コンテンツのストリーミング/ダウンロード配信という色合いが強いであろうことを考えると、DNAをインストールさせるためには、いかに魅力的なコンテンツプロバイダを見つけるか、そしてその数をいかに増やしていくか、というところにあるのかなと思ったりもする。何かまとまりがなくてごめん。

一方で、Pandoはどうかというと、おそらくは同様の課題を抱えているだろう。ただ、Pandoの場合は米国に幅広く持つユーザベースに向けて、コンテンツを放つというやり方が可能となる(BitTorrentも同様に幅広いユーザベースを持っているのだけれどもDNAをインストールしている層は一部だろう)。

となると、BitTorren DNAにしても、Pando Video Booster(Pandoの提供するP2Pストリーミング/ダウンロードサービス)にしても、少なくとも自らの抱えるユーザベースを足がかりに、マスに手を伸ばす、というやり方になるのかな?(サービス異なるが、この手法に最も成功したといえるのは、AppleのiTunes Storeかも)

で、更に来年にはおそらくJoostがオープンになる(なってほしい)であろうことを考えると、この競争は更に激しいものになるかもしれない。もし、JoostがBitTorrent DNAやPando Video Boosterに先駆けてより積極的にオープンさを売りにしていけば、Joostには1つの強みがある。それは、ワールドワイドな展開が現時点で可能だということ。BitTorrent DNA、Pandoが配信するNBC Directはおそらく米国のみの提供が続くだろう(Ashwin Navinは世界展開を目指してスポンサーを募集中のようだが)。

来年も、P2Pダウンロード、ストリーミングでのコンテンツ配信の話題を数多く聞くことになるだろう。来年の終わりには、どこか成功を収めているのかしら。楽しみにしたいところだわね。

Trackback

Trackback URL
http://peer2peer.blog79.fc2.com/tb.php/906-e1dfa430

Comment

匿名のPeerさん | URL | 2007.12.31 16:34
> Stage 6のコンテンツを視聴するためには、DivX Web Playerをインストールする必要がある。

必要ないです。
heatwave | URL | 2007.12.31 20:45 | Edit
それ、DivXに統合されてるとかじゃなくてですか?
Comment Form
公開設定

プロフィール
heatwave Author
:heatwave

RSS Jamendo twitter tumblr Creative Commons Attribution 2.1 Japan
ブログ内検索
記事リスト
最新の記事
全記事一覧
他所で書いてるブログ

P2Pとかその辺のお話@はてな

アーカイブ

カテゴリー
最近のコメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。