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Recut, Reframe, Recycle:どこからどこまでがフェアユース?

フェアユース、という言葉をご存知の方も多いだろうが、具体的にどこまでがフェアユースで、どこからがフェアユースではないのか、という判断を明確にできる人は少ないだろう。そうした問題はフェアユースに明確な基準が存在せず、個々のケースは個々に判断される、という状況にあるためである。そんなフェアユースの問題についての研究がCESで発表されるようで、その研究を概観する記事を紹介するよ、というお話。

原典:NewTeeVee
原題:Study: Many Online Videos Are Fair Use
著者:Janko Roettgers
日付:January 3, 2008
URL:http://newteevee.com/2008/01/03/study-many-online-
videos-are-fair-use/

もう1つのオンラインビデオ著作権論争が起こらずして1週間と経つことはないように思える。Web 2.0のパロディ、Here Comes Another Bubbleを、Let's Go Crazyにあわせて踊る子供を、Electric Slideの論争を考えてみてほしい。最近では、視聴しているビデオに弁護士が削除通知をしてくるまでにどれくらいかかるだろうかと疑問に思うことなく、YouTube上のコンテンツを視聴することはほとんどないかもしれない。

しかし、来週CESで公開されるAmerican UniversityのCenter for Social Mediaの新しい研究によると、それらのオンラインビデオの大半は、フェアユースとしての保護を受ける資格があるのだという。

その『Recut, Reframe, Recycle: Quoting Copyrighted Material in User-Generated Video』と題された研究は、パロディからファンフィルムまで、純粋な引用からド派手なマッシュアップまで、他者の著作物を利用するオンライビデオにおける9つの重要な領域を特定している。これらそれぞれの領域にはフェアユースのためのいくつかの可能性が含まれていると研究の著者は指摘している。彼らはこれらのポイントを例示するためにポピュラーな例を使用する。If Dick Cheney Was Scarface のクリップは、風刺の目的というフェアユースで守られた著作物の利用の例として挙げられる。有名なEvolution of Danceは同様に保護されている例証の目的のために再使用されている著作物(音楽)の利用の例として挙げられている。

この研究の筆者は、ほとんど明確に定義されていない例から、自らが公開しなければ利用することができないようなビデオを一般に公開したいと望む趣味のアーキビストまで、その言及を避けることはない。一般に、オンラインアーキビストはアナログのアーキビストがいずれ直面することになったであろうグレーゾーンを露わにしている。」と研究にはある。「従来どおりのアーカイブは、著作権のレーダーのもとで行われていた。そして著作権者によって気づかれない、問題にされないレベルにまでなった。」

まさにそのグレーゾーンこそが、フェアユースを非常に理解しにくいものとした。全ての人々が、それを自らの作品であると主張するものの、誰も実際に何がフェアユースであるのかを知っているわけではない。それは法律が厳格なスタンダードを定めておらず、しかしそれがケースバイケースで判断される必要があるためである。しかし、研究では、しばしばDocumentary Filmmakers’ Statement of Best Practice in Fair Useについて、それが非強制的ではあるものの、著作物を利用するにあたっての一定の権威あるガイドラインであると言及している。そしてオンラインビデオメーカーにとっての同様のガイドラインがいまだ構築されていない、という。

Recut, Reframe, Recycleは、自動化されている著作物のフィルタリングの議論にも深く関連している。AudibleMagicタイプのフィルタリングは以前にも、ほとんど信頼できないことが明らかにされている。では、どのようにしてa fat cat watching TVがフェアユースかどうかを判断できるようになるのだろうか?

Center for Social Mediaに掲示されているこの研究の概要によると、ここで挙げられた9つの領域とは、「風刺とパロディ」、「ネガティブコメント、批評」、「ポジティブコメント」、「議論を行うに当たっての引用」、「説明または例示」、「付随的な使用」、「個人的なルポタージュ/日記」、「(絶版などにより)視聴困難な、または暴露的な材料のアーカイブ」、「模倣またはコラージュ」などがある。Jankoが最後に例示したビデオは、この区分けでは「付随的な利用」にあたるのだろうか。

このような問題を考えるに当たっては、そのグレーゾーンに海賊行為はほぼ含まれてはいないということを念頭に置かなければならない(もし、フェアユースを海賊行為のための言い訳だ、と考えているのであれば、今一度フェアユースの判断基準を確認して欲しい)。当然のことながら、テレビで放送されていたものをビデオ共有サイトにアップロードすることをもってアーカイブだと主張したとしても、それは単純には通らない話である。

上記のカテゴリにおいて、非常に問題になりそうなのは、模倣/コラージュや「利用可能ではないために行われる」アーカイブ、であろうか。上記のエントリにあるように、これまでの物質的な世界でのアーカイブは著作権者からも一定の理解と、無関心を得てきたけれども、一方でバーチャルな世界におけるアーカイブはそれとは特性を異にしている。物質的な世界でのアーカイブは少なくとも地理上の制約や利用の制約等があり、一般に公開されたところで、著作権者の利益を大幅に損ねる恐れはない。しかし、バーチャルな世界における公開は少なくとも地理上の制約はなく、利用の制約も大幅に緩和されることになる。そうした場合、たとえ絶版等の理由によって顕在的な商業的な利益に影響を及ぼさなくとも、潜在的な商業的利益に影響を及ぼすと考える人もいるかもしれない。模倣/コラージュにせよ、アーカイブにせよ、利益を損ねる可能性という点では、議論の多いところであろう。

UGCがより一般的なものになるにつれて、著作権者もよりフェアユースを許容していくことは間違いない。一部の領域のフェアユースに関しては、早い時期にコンセンサスを得られるだろう。ただ、グレーゾーンとみなされやすい利用に関してはこれからも議論は続くだろう。そうした意味では、抽象的な基準によって個々に判断するというトップダウン的なやり方だけではなく、個々の利用から具体的な類型を作り出す、というボトムアップ的なアプローチの提供という点で、このような研究は価値あるものとなるのだろう。

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