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米国ケーブルISP Time Warner Cable、インターネット従量課金制導入を検討

米国第二位のケーブルプロバイダ、Time Warner Cableのスポークスマンがアナウンスしたところでは、同社は高速インターネットアクセスの価格設定の見直しのための実験を行うみたいだよ、というお話。その価格設定の見直しとは、顧客がダウンロードした総量に応じて課金するというもの。つまりは、従量課金制をインターネットに復活させるということ。といっても、現在でもこのような従量課金制はモバイルなどで行われており、家庭などでのインターネットの利用がそうなると考えれば理解は早いだろう。利用者は転送量(ダウンロード)に応じたプランを選択することになり、現在のところ5GB、10GB、20GB、40GB/月のプランが提供される予定(サービス価格は未定)。もちろん、日本のようにFTTHが一般的となりつつある状況とは異なるのだけれども、それでもこのような時代に逆行するやり方は、長期的に見て成功しそうも無いのだけれど。

Wiredの記事によると、Time Warner Cableはこれまでの無制限固定価格でのサービス提供から、ダウンロード量/月に応じた段階的な契約プランを模索しており、そのための実験のようだ。同社スポークスマンのAlex Dudlyは、実験は、大量にダウンロードするヘビーユーザに対してより多くの金額を負担してもらうことで、ネットワークのパフォーマンスを改善することを目的にしているという。また、それと同時にネットワーク上でのP2Pアプリケーションの利用によるトラフィックの抑制可能性を見たい、というところもあるようだ。

彼は、現状を、5%ほどの超ヘビーユーザが最大でトラフィックの50%を占めているとし、これらのヘビーユーザは主にビデオ、特に高解像度のビデオダウンロードしているのだと推測している。

この実験がいつごろ始まるのかは明確に定まっているわけではないようだが、Dudlyは第2四半期ごろ、テキサス州ボーモントの新規契約者を対象に開始されるかもしれないとしている(既存の契約者はこのような料金体系に縛られない)。

気になるのはその段階的料金体系の「段階」だろう。Multchannel Newsによると、サービスの提供価格は未定ながらも、Time Warner Cableは5GB、10GB、20GB、40GBダウンロード/月で提供する予定であるとしている(無制限のプランに関しては予定していない模様)。それぞれのプランを超えた利用に関しては、超過したGB分の追加料金が請求されるようだ。Dudlyはそれを「まさに携帯電話の(接続)プランのようなものでしょう。」と述べている。

おそらく、Time Warner CableはP2Pファイル共有トラフィックを何とかするための方法として、このような従量課金形態を採用しようとしているのだろう。このようなアプローチとは異なるが、ComcastやAT&TもP2Pトラフィックの抑制策を打ち出している。

Comcastは、多くの報道がなされているように、BitTorrentプロトコルをはじめとした、P2Pトラフィックの大幅な抑制、または遮断という過剰な帯域制御を行っていることが指摘されている。このような帯域制御に対しては消費者団体から多くの抗議を受け、また、連邦通信委員会(FCC)のポリシー違反かどうかについての調査も始められている。

一方で、AT&Tは、P2Pファイル共有トラフィックに対しての対策としては、帯域制御以外の方法を用いていないように思われる。しかし、AT&Tは先日行われたCESのデジタルパラシーに関するディスカッションの議場で、ISPによる電子指紋技術を利用したネットワークレベルでのフィルタリングも視野に入れた検討を行いたいと発言している。

Comcast、AT&Tのスキームは別として、今回のTime Warner Cableの従量課金制への移行実験は、P2Pを利用しないユーザだけを顧客としたい、という目的があるのだろう。そしておそらく、そのもくろみは成功すると思われる。違法合法は抜きにしても、少なくともこのようなプランにP2Pファイル共有ユーザが契約を申し込むことはないだろう。ただ、それと同時にオーディオ、ビデオコンテンツを日常的に利用しているユーザをも逃してしまう、ということも考えられる。まぁ、それでもより帯域を食うユーザを排除することには変わりは無い。

ただ、問題となるのは、このような制限を課すのであれば、その料金プランは他社と比較して、段違いに魅力を感じる、というものにしなければならないだろう。特に5GB/月というプランなど、平均すれば166MB/日であり、ビデオコンテンツ、オーディオコンテンツなどを利用するのが躊躇われるほどである。まぁ、少なくともこれらのプランに加入するのであれば、全てのプランでそうした利用が抑制されることになる。もちろん、それはTime Warner Cableが目的としていることだろうからかまわないのだろうが、これからますますHDも含めたビデオコンテンツ、オーディオコンテンツのストリーミング、ダウンロードが加速していく中、そうしたコンテンツを全く利用しない、という人はますます減っていくものと思われる。

現在、Time Warner CableはCATVサービス利用者に44.95ドル(下り10Mbps/上り512kbp)、29.95ドル(下り1.5Mbps/上り256kbps)で無制限インターネット接続サービスを提供している。少なくとも、上記の4プランは全て、現状以下の価格帯で提供されなければ利用してもらえないだろう。5GB、10GB制限のプランでは非常に安い価格での提供を行わなければならない。また、CNET Blogでも指摘されているように、Verizon Communicationsは下り15Mbps/上り2Mbpsの接続サービスを月額53ドルで提供しており、Time Warner Cableの高額プランを利用しているユーザの大半はそちらに流れていくのだろう。

おそらくTime Warner Cableにはその辺の算段もあるはずだろう。確かにこのようなやり方が時代に逆行するやり方だとしても、彼らはヘビーユーザ、ミドルユーザを捨て、日常的にWebをそれほど活用していない(活用する必要を感じていない)ライトユーザと非常に低価格での契約ながらも、より多くの契約を結ぶことで利益を上げようというのだろう。

ただ、ライトユーザ層を一手に集約することはできたとしても、その層はますます少なくなっていくことは間違いない。もはや帯域のヘビーユーザはP2Pファイル共有ユーザだけに限られなくなってくる。この戦略は長期的に見なければ、その成功、失敗はわからないのかもしれない。個人的には、今現在の状況では、それほど成功しうる戦略とは思えないけれどもね。

参考記事
Time Warner Links Web Prices With Usage - Wired/The Associated Press
Time Warner Cable to Test Internet Caps in Texas - Multichannel News/Todd Spangler
Time Warner to test metered Web use | Tech news blog - CNET News.com

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