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LimeWire/Cabosユーザはライトユーザ層が多い?:ACCS調査、ネットエージェント調査の比較

先日、ACCS/RIAJ/JIMCAが纏めた「ファイル交換ソフトの利用に関する調査(PDF)」をもとに、日本で最も利用されている(はずの)P2Pプロトコルは、実はWinnyじゃなくてGnutellaだったよ、と報告したのだけれど、本日ネットエージェントからリリースされた「 Winny・Share・LimeWire/Cabos(Gnutella)の国・地域別利用状況 」 を見てみると、どうもそれは現状には即していないんじゃないか、と思える。

ACCSらの調査では、LimeWire、Cabosが異なる区分けで集計されてたので、どちらもGnutellaサーバントなんだから一緒にしたほうがいいだろうと足してみたら、Winnyを超えて日本で最も利用されている、ということになったわけだけれども、今回のネットエージェントのノード数の観測調査では、どうもそれは支持されていないようだ。

ネットエージェントでは、Winny、Share、Gnutella(LimeWire、Cabos等の互換サーバント全体)のノードを観測し、世界規模での利用実態を公表している。ただ、私が気になったのは、日本におけるその3つのP2Pプロトコルの利用者のパターン。ネットエージェントの公開している図から日本におけるそれら利用者数(ノード)を提示した部分だけを切り取ったものを右に記す。紫色がWinny、ピンク色がShare、緑色がGnutellaを示している。

ご覧の通り、利用者数はWinny、Share、Gnutellaの順に多い。純粋な比較としては難しいけれども、利用者分布のパターンを比較する上で、2つの調査結果を纏めたものを以下に記す。

 

なお、下の図(「ファイル交換ソフトの利用に関する調査」のデータ)はWinny、Share、Gnutella以外のP2Pプロトコルも含めた割合から、それら便宜上取り出したものである。

さて、これらのパターンを比較すると(数値の比較には意味はない)、Gnutellaだけが大幅に異なっていることがわかるだろう。上の図(ネットエージェントの調査)は、調査手法に問題がなければ、調査時の2008年1月13日(日曜日)の時点でのWinny、Share、Gnutellaの利用実態を正確に捉えていることだろう。では、下の図とのパターンの違いは何を意味しているのだろうか。

ACCSらの調査では、「監査とセキュリティのあいだ」でも指摘されているように、「現在利用者」の定義を調査時点から1年間遡って利用経験があるユーザとしている。そのため、極端に言えばその範囲ギリギリのまさに1年位前に利用し、それ以後一切利用していなくても、現役のファイル共有ユーザとみなされることになる。それが反映されたのが、ACCSらのデータから作成した図である。

確かにACCSらの調査手法には問題はあるだろうが(現役利用を定義する期間に一定の幅を持たせるのは間違ってはいないが、その幅をどの程度取るか、その幅を考慮した結果の解釈には慎重を要するべきだろう)、今回はその点に関して追及するものではない。むしろ、そのような調査手法の違いによって見えてみるものもある、というお話。

この2つの調査のズレから見えてくるのは、Gnutellaユーザの利用傾向であろう。可能性としては2つあると思われる。1つは利用頻度がWinny、Shareユーザに比べると少ないという可能性。ここでは、Winnyユーザ、ShareユーザとGnutellaユーザを比較したときに、前者の利用頻度が高いのか、後者の利用頻度が低いのか、という絶対的な基準で断定することはできないが、もし利用頻度によってこのズレが説明されるのであれば、少なくともWinnyユーザ、Shareユーザに比べて、Gnutellaユーザは相対的に利用頻度が低いということはいえるだろう。

もう1つの可能性としては、Gnutellaユーザが比較的短期間に利用を停止しているというものだろう。ACCSらの調査で明らかになったように、ここ1年間でGnutellaサーバントを利用するユーザは非常に多い、しかしその一方で、その利用をやめるユーザが多い、ということも考えられる。推測に過ぎないが、WinnyやShareといったソフトウェアは設定が面倒だったり、それほどよくないイメージを持たれているが、Gnutellaサーバントのほうは設定が容易であり、UIなどのイメージのよさによって利用がなされやすいのかなと思われる。ただ、その利用は、実際に利用してみたものの、自らの予想していたほどの利便性を感じられず(それ以外にもセキュリティに関する懸念や違法性への懸念によっても)、利用を停止していくのかもしれない。

どちらの可能性を見てみても、想像されるユーザ像はライトユーザという感じかなと思う。そうなるとWinny/Shareのほうを問題視する、というのもあながち理解できないわけではない。

もちろん、私の考えた可能性以外にも説明しうるものがあるのかもしれないので、あくまでも私個人の推測、という部分が強いことをご了承いただきたい。何かご意見があれば、コメント欄にでも記していただければ幸いです。

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Comment

tove | URL | 2008.12.07 23:02
だいぶ時間が経ったあとだけどぜひコメントを。

必要があって最近P2Pの利用に関するデータを集めています。
そういえば以前、ACCS調査の資料でGnutella利用者が実際にはWinnyを超えている!というような記事を見かけたなぁ…と思い、それを探してさまよっているうちにこのブログを発見。

大変にすばらしい分析だと思う。
当時ACCSの調査結果には驚いたが、どうも現状と照らしてみると疑問に思う部分がありました。この点の考察をわかりやすくまとめてあるため、十分に資料的価値があると思います。
ありがたく参考にさせていただきました。

遅ればせながらご苦労さまです。
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