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ISPがP2Pトラフィックに対処するための6つの選択肢

ComcastによるBitTorrentプロトコル遮断疑惑などがあったが、程度の差はあれ、世界中のISPがP2Pトラフィックに対する帯域制御を行っている。日本でも有名なところでは、WinnyやWinMXを利用した際の転送速度に制限をかけるというものがあるだろう。しかし、そのような帯域制御に関する詳細な情報についてはそれほど述べられることはなく、実際どのような帯域制御がISPによってなされているのかを知ることはほとんど出来ない。TorrentFreakは、ある帯域制御デバイスメーカーの最高技術責任者からISPがP2Pトラフィックに対処するための方法についてのコメントを掲載している。ここで紹介されている手法は、決して技術的なものだけに留まらず、なかなか興味深いところではある。ただその一方でどのような手法を用いるか以前に、どのような手法が用いられていて、ユーザの実際の利用にどのように影響するのか、について依然として情報を公開しないことにこそ、問題の本質があるのではないかと思ったりもする。

原典:TorrentFreak
原題:Decluttering The Tubes, Solutions to the BitTorrent “Problem”?
著者:Ernesto
日付:February 01, 2008

世界中の数多くの大規模、小規模ISPたちは、彼らのネットワーク上のBitTorrentトラフィックを制限しようとしている。彼らはしばしば他に選択肢はないのだと主張する。しかし、それは必ずしも真実ではない。

最近、BitTorrentトラフィックを抑制そして遮断しようとしたComcast関して数多くの議論があった。そしてついにはFCCが調査に乗り出すことになった。残念なことに、Comcasstはこの種の取り組みに携わる唯一のISPではない。他の多くのISPが同様の戦略を使用している。

BitTorrent絞りは、ここ2,3年続けられている。しかし、最近ではBitTorrentを利用する人々が増加し続けているため、より多くの関心を集めている。帯域制御に用いられる手法は、ISPごとにさまざまである。あるISPは1日の特定の時間帯、または特定の地域にのみBitTorrentトラフィックの制限をかける。別のISPでは、より攻撃的なアプローチをより、Seedを遮断したり、ひどい場合には.torrentファイルのダウンロードすらさせない。

一部の人々は、なぜISPが接続を絞りたがるのかを疑問に思うかもしれない。最も頻繁に用いられる根拠は、ネットワーク上のBitTorrentトラフィックの性で、他の顧客の接続が遅くなるというもの。その根拠は(真実であれば)確かに筋が通っている。しかし、本当の問題は、ISPがその抑制の努力をひた隠しにしたがるということである。もし、それが本当に大きな問題であるのだとすれば、それを明らかにし、自らの顧客に何ができて、何ができないのかを明らかにするべきだ。

帯域制御デバイスを製造するAPConnectionsの最高技術責任者Art Reismanは、「BitTorrent問題」に対処するためのいくつかのソリューションをリストし、それらをここで共有してくれた。

1) 自発的な協力を求めよう

1つの可能性としては、torrentの利用を減らすよう、または夜間やネットワーク利用の収まった時間帯に利用するよう求めることでしょう。リサイクルや二酸化炭素排出の削減といった環境運動においては多くの先例が見られています。BitTorrentの利用を控えてくれるようキャンペーンをしない理由はないでしょう。

欠点:制限のないBitTorrentアプリケーションが利用できるのに、技術的な制限があるとし、自発的な協力を求めるとするメールをサービスプロバイダから受け取る、ということを創造できるでしょうか?私にも創造できませんね。ただ、いつかはそうなると思います。ただ、今のところプロバイダは、大半の顧客にとって利益第一主義の敵として見られていますね。

利点:それは少し温かいやり方で、気分をよくしてくれそうでもあります。

2) プロバイダネットワーク内の接続を保とう

これはSandvineの提供する人気の製品の助けを借りて、現在行われている手法です。基本的な考え方としては、大きなプロバイダネットワーク上では、クライアントがコンテンツを集めるために、そのプロバイダのネットワークの外にでる必要はないくらいに、十分なBitTorrentホストがいるということです。

欠点:消費者達は、プロバイダがどのようなタイプのトラフィックであるのかを判断するためにデータを見ているのではないかと疑っています。また、コンテンツの多くが自分のプロバイダネットワークの外にある場合には、消費者はそれほどよい結果を得られないでしょう。例えば、ユーザが欧州で人気のあるファイルをダウンロードしようとしたとき、それをホストしているComcastネットワークのサーバは限られているかもしれません。

利点:消費者は、大半のBitTorrentコンテンツを自由に探すことができます。プロバイダは大幅に接続を減らし、他のプロバイダとコストを交換することになります。

3) 割り当てに応じた利用

この方法では、サービスプロバイダはあらかじめ設定された1ヶ月の転送量を上回ったユーザに対して、より高額の料金を請求します。

利点:プロバイダが総使用量以外に顧客のデータを監視する必要がないという点で、この手法は控えめなものとなります。大学寮のネットワークで行われた実験では、その割り当てが伝えられると、ユーザ達は自発的にpeer-to-peerやBitTorrentの利用を減らしたことが示されています。

欠点:より複雑な料金体系や不満に対処するためのカスタマーサービスが必要になります。また、大手プロバイダはそれでも無制限のサービスを市場に出すことで競争してくるでしょう。さらに、BitTorretnがリソース問題を引き起こしていると誇張されていますが、それは依然としてほんのわずかな顧客が引き起こしているだけです。

4) ユーザごとに一度に接続可能な総接続を制限

利点:非常にシンプルでフェアな実装です。プロバイダは既にインターネット速度にレート上限を設定していますので、これは単に接続に対するレート上限というだけです。非常に類似しているので、消費者からも理解されやすいでしょう。

欠点:ユーザが定められた接続制限に達すると、リンクする全てのトラフィックが遅くなります。

5) 増大した負荷に対処するためネットワークを増強する、そのコストを消費者に添加

利点:うまくいく。

欠点:おそらく経済的に維持はできません。他の負荷軽減の手法が用いられなければ、利用者のコンテンツへの欲求は際限のないものとなるでしょう。

6) 過度の利用を行うユーザを排除しましょう

既にこうしているプロバイダが報告されています。

利点:ネットワークから不利益を生み出すユーザを追い出し、競争相手に押し付けることができます。

欠点:顧客に軽蔑されます。

以前、我々もこれらオルタナティブのいくつかについて議論した。そして結局は、受容可能なソリューションはたった1つであった。インターネットはそれほど長い歴史を持っているわけではないが、ISPがこれからもインターネットを利用していくというのであれば、ISPはネットワークを増強する必要がある。つまり、インターネットゲートウェイ能力、10Gbpsのインターコネクトポート、ピアリング提携にもっと投資すべきだろう。BitTorrentユーザは、問題などではなく、ISPが自らの能力をアップグレードする必要があるというシグナルである。どうしたって消費者は将来、確実にデマンドを高めるのだから。インターネットは、電子メールを送信したり、テキストベースのWebサイトをブラウジングしたりというだけのものではない。

Art ReismanはTorrentFreakに、彼にとって理に適った2つのソリューションを語ってくれた。「定額制をやめ、使用料ごとのレートに値上げすること、もちろん価格設定はシンプルに!もう1つは、顧客の接続をリソースのために制限するということです。」確かに帯域利用への課金は理に適っている、ただし、価格が適切であれば。しかし、接続数を制限するという第2の選択肢は、一時的な解決にしかならないように思える。

私のスタンスとしては、どのような手法を用いるとしても、何をしているのかを明らかにすること、それがISPに必要なことだと思う。

P2PトラフィックにISPが頭を悩ませているということは、私も十分に理解しているつもりだ。だから、過剰に負荷を与えているP2Pトラフィックの帯域制御を行うこと、それ自体にはそれほど反対はしていない。ただ、どのような帯域制御手法を用いているのかがわからなければ、P2PユーザはどのISPと契約を結んでよいのか判断基準がないことになる。私はそれはアンフェアだと感じる。

これがP2Pトラフィックだからこそ、反発が少ないのかもしれない。もし、同じ理由でビデオ共有サイトの利用を制限されたとしたらどうだろうか?ビデオ共有サイトのトラフィックが膨大なものであるため、帯域制御を行っています、と言ったとしよう(あくまでも例えであり、このような帯域制御の事実があるというわけではない)。でも、その手法は各ISPさまざまで、そして地域によってさまざま。その情報は錯綜し、一部では速度が遅くて見れないよ、と言う意見もあれば、全く接続もできないよという意見も出てくる。逆に、ウチは全く快適だけどな、という意見もあれば、時間帯によっては制限されているかも、とか、YouTubeは問題ないんだけど、DailyMotionが激遅・・・、という意見も出てくる。でも、ISPは正確に情報を提供してくれないので、どの情報が自分に該当するのかがわからない。契約して問題なければそれでいいのだけれども、全然繋がらない、となったときでも、それが帯域制御による影響かどうかすら判断がつかない。

くどいようだが、こうしたビデオ共有サイトに対する帯域制御という話は聞いたこともないし、おそらくそういう事実はないと思う。ただ、ビデオ共有サイトに対して、このような曖昧すぎる制限がなされたとき、その詳細を明かさないことはあまりにもおかしい。ISPが自らの意思で行っている帯域制御を、なぜユーザに明かすことができないのだろうか。契約しなければ、問題があるかどうかはわかりえず、問題が生じたとしても、それが帯域制御によるものなのかどうかも判断し得ない。ISPが可能な範囲で正しい情報を提供すれば済む話なのに。

あらかじめ、「時間帯によっては帯域制御を行っております、現時点ではこのような時間帯の制限を課しています、ただし、利用状況によってはこの時間帯は変動します」、という断り書きでもあれば、ユーザは納得ずくで契約できるだろう。もっと詳細な情報、例えば地域ごとの情報なども付与されれば更によいかもしれない。もしくは、「P2Pトラフィックに関しては、常時帯域制御を行っています」でもいいだろう。また、常時帯域制御をかけているISPでも、どの程度の制御を行うのかを明言すべきだと思う(少なくとも、1.1KB/s、2.2KB/sといった転送速度に絞るようなISPであればね)。

今のところ、最も明確に帯域制御の手法を告知しているのは、転送量制限を課しているDTIなどだろう。その良し悪しはともかくとしても、少なくともユーザにとっては非常にわかりやすい。その点は、私は評価したいところだ。

確かに、ここではISPが選択しうる6つの方法が紹介されている。ただ、私はそれ以前の問題として、ISPがユーザに対して何を行っているのかを告知することに、あまりにも消極的すぎると感じている。もちろん、ISPにとってその情報を提供することは都合が悪いことだとは思う。P2Pファイル共有に対して緩い制限を行っていると明言すれば、P2Pユーザが押しかけ帯域を占有するだけではなく、P2Pをしないユーザの利用に悪影響を及ぼしてしまうことにもなる。そうなれば、非P2PユーザがそのISPとの契約を控えるようになる、ということも考えられる。その一方で、P2Pファイル共有に厳しい制限を課していると明言すれば、P2Pユーザは一気にそのISPを離れていくだろうし、P2Pユーザが新規顧客となることもないだろう。

私は、P2Pファイル共有への帯域制御の詳細を公表しないことは、単にP2Pユーザだけではなく、非P2Pユーザにとっても不利益を生じさせているのではないかと思う。もちろん、niftyたbiglobeのように非常に厳しい制限を行っているところであればよいのかもしれないが、比較的緩い帯域制御を行っているISPでは、ともすれば過剰なP2Pトラフィックによって、それ以外のユーザの通信品質の低下をもたらすかもしれない。しかし、非P2PユーザにもISPがP2Pトラフィックに対処しているのかどうかはわかりようがないのである。

また、こうしたP2Pユーザ、非P2Pユーザという区分けすら、今後は無意味なものとなるかもしれない。P2Pが問題なのではなく、帯域を食いすぎることが問題なのだから。そして、今後ユーザはより多くの帯域を消費するようになるだろう。そのときになってもまだ、どのような帯域制御を行っているのかを明かさずにいられるのだろうか。私は、ISPがユーザにとって最適な帯域制御を模索する必要があると感じている。多くのユーザが多くの帯域を消費する時代に、帯域を消費するユーザを排除する、もしくは帯域を使わせないという手法だけ対処しうるものとは思えない。つまり、帯域を多く消費するユーザを抱えつつ、ネットワークの品質を保てるような帯域制御を確立していかないといけないと言うことだ。都合の悪いことばかりを隠し続けては、そうした努力が行われにくいのではないだろうか。

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