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RIAA、ソングライター/音楽出版社の著作権使用料レート減額を要求

昨日からGizmodoからのアクセスが結構あって、なぜに?と思ってたら、RIAAが著作権料レートを下げろ主張しているよという記事に、当ブログで一昨年に紹介したRIAAがレコードに対する著作権料(メカニカルロイヤルティ)レートの減額を求めた記事へのリンクが張ってあった。Gizmodeの記事にある今回のRIAAの主張は、前回のレコードに対するものを拡張するようなもので、音楽配信や着うたなどの音楽ダウンロードや音楽ストリーミングに対する音楽著作権使用料レートの減額を求めているよというお話。レーベルは原盤の製作やその録音物の販売をするに当たって、ソングライターの著作物(曲と詞)を利用しているわけで、そこでソングライター(一般的には音楽出版社を介して)著作権料を支払う必要がでてくる。前回のレコードに対する減額を求めているときには、着メロ、音楽配信とかで儲かってるんだからいいだろうみたいなことを言ってたんだけど、こうなってくるとただただアーティストの取り分を抑制したいってことなのかしらと思わずにはいられない。

ちなみに、今回のお話は知らない人にはかなり複雑。私自身、混乱するところもあっていろいろ調べてたんだけど、とりあえずリンクされたことだし記事にしてみる。以下のお話には、作詞作曲をするソングライター、演奏するアーティスト、ソングライターから著作権を譲渡される音楽出版社、その著作物を利用して原盤を制作するレコード制作者(原盤権者)、原盤を元にCDを生産し販売するレコードレーベル、原盤を元に音楽配信を行う音楽配信業者、といったプレイヤーが登場します。米国の場合、レコードレーベルが原盤制作を兼ねているケースが多いようです。その辺の整理は以前の記事を参考にしてね。

原典:Ars Technica
原題:Artists' best interests? RIAA presses for lower royalties
著者:Nate Andersen
日付:February 05, 2008

ソングライターはどれだけのお金を得ることになるのだろうか?この疑問は、米国Copyright Royalty Board (CRB) がソングライターのデジタルミュージックダウンロード、ストリーミングからどれくらい利益を得るのかについて決定ために-初めて-ローンチされたレート設定審理において問われる問題である。当然のことながら、この問題は論議を巻き起こしている。

一方の当事者は、(RIAAに代表される)音楽レーベル やインターネット上で音楽のストリーミングや販売をする(DiMAに代表される)デジタルメディア企業 。 両団体は、楽曲を物理媒体で販売するときや、デジタルバージョンとしてダウンロード販売する際には常に、「メカニカルロイヤルティ」を支払わなければならない。今、彼らはそうした支払いをより少ない額にしようとしている。

これらの団体は、ソングライターがCDセールスからどれくらいの額を得るかという計算に利用されてきた現在のメカニカルレートの約9%を非常に高いと考えている。音楽産業が全体的な収益の低下に苦しめられていることから、これらの団体は産業を力強いものにし続けるためには、ソングライター達がより少額を受け取らなければならないと主張している。

しかし、ソングライターたちは、彼らの作品への低いレートによって足元を見られることはおもしろくないようだ。National Music Publishers' Association会長のDavid Israeliteは、デジタル配信に対するレートは増加すべきであって、理論的にはデジタル配信は物理的な流通に比べるとコストがかからないため、より多くの収益が共有されるべきだと主張する。

Israeliteは現在のヒアリングを、「音楽産業の歴史上、もっとも重要なレートヒアリング」だと延べている。一度ベースラインが設定されれば、その後に大幅に変更することは難しくなるだろう。

これらの団体の認識がいかに隔たっているかを記そう。デジタルダウンロードに関して、NMPAは1曲あたりソングライターには15セントを求めている(通常、ソングライターと音楽出版社とで50/50で折半される)。一方、RIAAとしては1曲あたり5または6セントの支払いを提案している。DiMAは更に低い額を提案している。

音楽ストリーミングに関しては、NMPAは全収益の12.5%が公平な支払いだと提案している。一方RIAAは、0.58%が適切であると考えている。DiMAは、音楽ストリーミングの場合、ソングライターにメカニカルロイヤルティを支払う必要は無いと述べ、ラジオにおけるストリーミングの慣習と比較して、メカニカルロイヤルティの代わりにラジオの「パフォーマンスロイヤルティ」が適用されなければならないとしている。

これらの数字の差異を見るにその溝は深いものだ。両陣営には、産業の将来に対する全く異なった展望がある。今年、我々のKen FisherがホストしたCESのパネルディスカッションにおいて、DiMAの代表であるJonathan PotterとIsraeliteは、この問題についてやりあっている。IsraeliteはDiMAがソングライターへの支払いを抑制しようとしていることに怒り、非難した。

ソングライターがレコーディングアーティストを兼ねていないのであれば(多くの場合そうではない)、これらのメカニカルロイヤルティとパフォーマンスロイヤルティは、彼らの主な収入減の1つであろう。ただ、たとえソングライターがバンド内におり、彼ら自身の作品を録音するとしても、ソングライターのロイヤルティは依然として収益の多くの割合を占める。特にラジオではソングライターには支払いがなされているものの、レコーディングアーティストにはなされていない(議会はこうしたラジオへの特別な扱いを是正する提案を考慮してきた)。

WiredのEliot Van Buskirkは最近、この問題を取り上げている。彼は「音楽は既に悪い状態に陥っている。これまで以上にソングライターへの支払いを少なくすることは、単に作詞作曲された音楽に依存するバンドにとって悪そうだというだけではない。作詞作曲をしているバンドでも、その生き残りが非常に厳しくなることを意味してもいる。」

(実質的に)ソングライターのロイヤルティを削減するという動きは、決して「アーティストをサポートする」ためになされることのようには思いがたい。もちろん、楽曲がより低価格になっていくことは長期的な視点からは望ましいかもしれない。しかし、価格が現在のまま維持されるであろうことは想像に難くないだろう。浮いたお金は単純にレーベルやリテーラーがキープするのだろう。そして、レートを下げたいと願っているのは、RIAAだけではないということも注意すべきだろう。Apple、Amazon、Napster、iMeem、Live365、RealNetworksその他はみな、DiMAのメンバーであり、その彼らは最も低いレートを要求しているのである。

CRBは審理を開始し、2008年10月には最終的な結論を出す予定である。

メカニカルロイヤルティ、作詞作曲された作品の録音(複製)権/送信可能化権に対する著作権使用料って感じなのかな。米国ではよくわからないけど、音楽出版社と50/50で分配されるってことだから、米国でも日本同様に著作権を音楽出版社に譲渡する代わりに印税を得るって感じなのかな。その場合、日本だと音楽出版社は、著作権管理をJASRAC等の著作権管理団体に委託して著作権使用料を徴収する。そういった作詞作曲された楽曲を利用して、原盤を製作、CDをプレス/販売、音楽配信などに利用すると、著作権使用料の支払い義務が発生する。今回は、その著作権使用料のレートをデジタルダウンロード・ストリーミングにおいて減額せよ、というお話。もし、これが日本を舞台にしてたら、レコードレーベルvsJASRACとかになってるのかな?

まぁそれはそれとして、アーティストとしては反発せざるを得ないよなぁ。それでなくとも、いつも要求を強めるときには「アーティストのためだ」、って強く主張しているわけだし。

以前にもRIAAは同様の主張をしたことがある。その際はレコード/CD製作の際の著作権使用料のレートを下げろというものだった。その背景には、おれたちゃ海賊行為で目一杯損してんだ、お前ら着うたとか音楽配信とかで潤っているんだから、いいだろう、という考えが見え隠れしていたのだけれども、ここへきてそのダウンロード、ストリーミングにおける著作権使用料まで引き下げろというのであれば、以前の主張は何だったんだろう?と思わざるを得ない。

以前にレコードでのメカニカルロイヤルティのレートを下げろといったときには、こまごましたことをよく知らなかったので、気にしなかったのだけれども、着うたや音楽配信で潤っているのだから、という理由付けって、レーベルが原盤権を持っているときに通用するのかなと思ったりもする。もちろん、原盤を必要としない着メロ(MIDIとかね)ならばレーベルにお金が行くことはないのだけれど、原盤ありき(つまり、我々がCDや音楽配信で聴いているものそのもの)の着うたや音楽配信の場合、むしろレーベルの方が儲かっているんじゃないの?という気もする。

うーん、たしかにセールスの減少で苦しい台所事情はわかるんだけど、かといってそれをアーティスト側にも負担しろってのはおかしな話で、アーティスト自身だって音楽産業の不振とは無関係なわけじゃない。音楽セールスが冷え込んでいて割を食っているのはアーティストも同じではないのだろうか。

更に今回の件では、DiMAも絡んでいるのが興味深いところ。そして最も低いレートを要求していることも。その理屈として、高いレートによる支払いが、新たなビジネスモデルを蝕み、レーベルに壊滅的な打撃を与えているパイラシーの問題を悪化させることになるのだ、とか

意地悪な見方をすれば、こうした著作権使用料ってオープンだからこそ槍玉に上げられるのかな。ソングライターの作詞作曲した作品って、例えばJASRACなんかの著作権管理団体が著作権管理しているのであれば、使用料を支払うことで誰でも利用することができる。だけど、原盤ってそうじゃないんだよね。例えば、音楽配信を行おうとすれば、権利者1人1人に当たっていかないといけない(まぁ、米国なら大半はレーベルが管理しているんだろうけど)。一括してそれを管理している団体が存在しないためで、その際の原盤使用料はそれこそ配信業者とレーベルとの間のクローズドな交渉で決まる。そういった意味では、今回のRIAAとDiMAとの(結果的な?)共闘ってのは呉越同舟な感もある。

ところで先日、U2のマネージャーPaul McGuinness、はデジタル産業を批判する中で、以下のように述べている。(強調は引用者heatwave。)

We've been used to bands who wrote their own material since the Beatles, but the mechanical royalties that sustain songwriters are drying up. Labels and artists, songwriters and publishers, producers and musicians, everyone's a victim.

敵はデジタル産業だけじゃなかったみたいで。何というか、こうしたレーベルとアーティストの軋轢の結果、多くの大物アーティストがレーベルを去って、原盤を自ら管理するなんて選択をとるのかなと思ったりもする。

余談だけど、McGuinnessのスピーチはデジタル産業批判やISPにコンテンツコントロールを要求してるところがフィーチャーされがちだけど、なかなか面白いことをいってたりもするのよね。全文公開されているので、是非読んでみてね。ちょっと長いけど。

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