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デンマーク:ISPに対するTorrentサイトへのアクセス遮断命令はEU法違反?

デンマーク先日、デンマーク法廷において、The Pirate BayをはじめとするBitTorrentサイトに対するアクセスを、ISPに遮断するよう求めていたIFPIを支持する判決が下され、デンマークのISP、Tele2は同社顧客からのThe Pirate Bayへのアクセスを遮断している。しかし、このような特定サイトに対する遮断措置を行った根拠にあげられたのは、「ルータ上でのコピー」を行うことで、ISPも海賊行為に加担した、というものであった。しかしその論理は、EU法において「ルータ上でのコピー」が著作権者の占有権の及ばない例外であり、制限されると明言されていることを考えると、デンマークが従わなければならないEU指令に違反しているのではないか、という指摘がなされている。

原典:TorrentFreak
原題:Danish Pirate Bay Block Breaks EU Law
著者:Ernesto
日付:February 13, 2008

先週、デンマーク法廷は、ISP"Tele2"に対し、同社顧客のThe Pirate Bayへのアクセスを遮断するよう命じた。この判決は、ISPのインターネットフィルタリングの議論において加熱している。現在、The Pirate Bayへのアクセスを遮断することはEU法に基づけば実質的には違法であるということが判明している。

先週の裁判所の判決において、”Tele2"は同社の顧客にThe Pirate Bayへのアクセスを許すことで著作権侵害を幇助しており、そのため同社のルータ内で著作物をコピーしているのだと結論付けた。そこでは「同電信企業によるwww.thepiratebay.orgへのアクセスの流布が、著作権で保護されたマテリアルを同社のルータを介して伝送がなされている。」としている。

したがって、この判決における重要な点は、The Pirate Bayへのアクセスを許したことで、ISPが自社ルータ内で著作権侵害行為に関与した、ということになる。当然これは不条理な主張であり、それを更に深刻なものとするのは、デンマークの著作権法の基礎となったInfosoc Directiveに反するということである。

Infosoc Directiveの第5条では、権利所有者の占有権に対する例外および制限として「ルータ内でのコピー」が許可されると明確に述べられている。更に言えば、これは交渉次第でなんとかなるという問題でもない。EUメンバーであれば、それを受容しなければならないのだ。本件を広範に、そして公正に調査していた、スウェーデンのインターネットのパイオニアでありライターのOscar Swartzは、デンマークの裁判官は、この裁判においてEU指令(Directive)を誤解していると述べる。

違法ファイル共有と戦うための新たな法律を提案するという任を受けたスウェーデンの裁判官で、特別政府調査官のCecilia Renforsは、デンマークの今回の判決は、問題の条項の誤用であると確認している。「彼女はスウェーデン政府の以前の発言に言及し、デンマークのモデルが、Infosoc Directiveの第5.1条に一致しないと再確認した。また彼女は、デンマークの方法が実際には当該の条項の本来の目的を無効にするものだと繰り返している。」とOscarは述べている。

Danish ISP Business協会は、裁判所の判決に対し抗議することを決定している。協会のディレクターであるIb Tolstrupは、Computerworldとのポッドキャストインタビューにおいて、同団体が「ルータ上でのコピー」について話題となった欧州唯一の国家であるということを理解しているため、Tele2は判決に対し異議申し立てを起こすだろうと述べている。さらにTolstrupは、もしデンマークがトップIT国家を目指すのであれば、このトピックは政治課題とされるべきだと主張する。もし、彼らが判決に異議を申し立てなければ、Googleをブロックするということにもなりかねないと話している。

SwartzはTorrentFreakにコメントを寄せている。「デンマークのISPが明らかに非倫理的で、危険な存在であるのだとすれば、この判決を単純に受け入れていることに驚かされます。法廷は、いかなるネットワークプロバイダでも、同社のルータで「コピー」を実行すると言います。それが正しいとされるのであれば、その結果は恐るべきものでしょう。The Pirate Bayとデンマークでの2つの裁判は、それを議論するための出発点となります。。」Swartzは続ける。「この裁判が示すことは、我々は常に戦わなければならないことを示しているのでしょう。立ち向かえ。背中を向けてはいけない。懸命に取り組め。調査せよ。メディアにメッセージをのせよ。」もちろん、スウェーデンとデンマークにかけているのは、通信の自由のために戦ってくれる学者と弁護士だと考えています。米国のEFFを御覧なさい、一流の学者と弁護士達が、自らの時間と知識によって法廷での裁判をサポートしているではないですか。ここでは、その彼らはどこにいますか?」

この判決に対して、The Pirate Bayはjesperbay.org.をローンチするという形で応戦した。サイトはデンマークIFPIのトップ、Jesper Bayの名をもじって名づけられ、The Pirate Bayへのアクセスを復活させるための方法を、今回の判決によって影響を受けた顧客のために詳細なインストラクションによって提示している。

興味深いことに、Tele2によるブロックがIFPIが望んでいた状況を作り出していないことが明らかにされた。むしろ、デンマークからのThe Pirate Bayへのトラフィックは以前にまして増加している。ただ、この問題はThe Pirate Bayへのアクセス云々の問題ではない。インターネットへの検閲に対する問題である。

実際、EU議会がこうした動きに同調している感じはない。むしろ、ISPによるフィルタリングを否定しており、ユーザのアクセシビリティと知的財産権とのバランスを適切に保つ必要があるという方向性を示唆している。そう考えると、英国、フランスなどと同様に今回のデンマークでの判決は、EU法およびEU議会に反する方向に進みつつあるようにも思われる。

ただ、英国やフランスがISPに対する圧力を高めていることを考えると、もしEU指令がそれを阻害するようなことがあれば、両国共にEU議会においてそれを解決するよう乗り出してくるのかもしれない。そうして再び・・・著作権ロビーが加熱したりするのだろうか。

それでも、少なくとも現状はデンマークの今回の判決がEUにおけるInfosoc Directiveに反している可能性が高いという指摘ができるだけの状況にある。そのような指摘を受けて、今後どうなっていくのか、少なくとも現時点ではTele2は命令に応じているものの、異議を申し立てる可能性が高く、今回指摘されたEU法との不一致に関して、どのような議論がなされていくのかに注目したいところ。

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