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英国政府の「違法ダウンロード3回でネット追放」立法への反論

先日、英国Times紙が報道したところでは、フランス同様に英国でもインターネット上での海賊ユーザに対して、「スリーストライクアウト」法(1回目は警告、2回目は一時的な停止、3回目で遮断)の立法提案を行おうとしているようだ。今回はそれに対する反論記事を紹介するよ、というお話。ようやくThe Pirate Bayに対する裁判が始まらんとしているところだというのにねぇ。問題の根本的な解決を避けて、副作用の大きいやり方を推し進めるのはやはり反対せざるを得ない。

原典:TorrentFreak
原題:5 Reasons Why Illegal Downloaders Will Not Face a UK Ban
著者:Matt
日付:February 13, 2008

今朝のThe London Times紙の「インターネットユーザ、違法ダウンロードによってBANの可能性」という見出しは多くのうわさを引き起こしている。またBBCのWebサイトにも、「違法ダウンローダー、英国から締め出し」といった、さらに切迫した見出しの記事が掲載されている。いくつかの点をはっきりさせておかなければならないだろう。

The Timesは「違法に映画や音楽をダウンロードする人々は、来週明らかにされる新たな立法提案のもとでは、インターネットから切り離されることになる。」と伝えている。しかしこれはまったくのたわごとだ。

いくつかの点について明確にしておこう。

  1. この提案は、草案協議上の立法提案書でしかなく、「効果に対するいかなる関与も持たない提案」として定義されており、こうしたものは日々政府が受け取っているものである。これらはダウニング街10番地のジャンクメールのようなものである。こうしたものは首相にとってはトイレットペーパーよりも価値がない。まぁ、行き着く先はどちらも同じであろうが。
  2. この提案は、現実世界においては、確実に、完全に実行不可能なものである。ISPはパケットの中身に対して責任を持たないだろうが(むしろ持ってはならない)、もし、すべての個々のダウンロード/アップロードが違法であるのかどうかを確認しなければならないのであれば、インターネット全体を停止させでもしない限り、その実現は不可能だろう。政府、ISP、そして有権者にとって、これほど望ましくないことはない。顧客を追い出す、数十億もの責任を負わされるなど、ビジネス戦略としては望ましいものではない。また、600万人もの市民を有罪とし、残りの市民に不便を感じさせるのであれば、有権者からの支持は得られないだろう。
  3. ソフトウェアパッチのダウンロード、合法的な共有のためのBitTorrentの利用、オンラインビデオゲーム、VoIP、写真の共有、在宅勤務、その他の合法的な活動と、違法なダウンロードとを区別することは不可能だろう。民間企業からの抵抗は、一般市民の抵抗と同じくらい強いものとなるだろう。
  4. このような考えはまさにEC裁判所の判決に反するものである。そこでは、EU加盟国はファイル共有容疑をかけられた人の個人情報を明らかにする必要はないとしている。また、これは欧州の表現の自由に関する法律の第10条にも違反する。そこでは、すべてのヨーロッパ人が「公権力による干渉なしに、国境を越えて、自らの意見を持ち、情報や考えを受容または授与する自由」が与えられているとしている。
  5. WiFiの相乗りや暗号化されたパケットは、誰がそれを第一にダウンロードしているのかを区別することを不可能にする。これらの技術葉より洗練されてい区のだろうが、それでもコンテンツ産業は揃いも揃って後手に回りつづけることになるだろう。

要約するとこういうことだ。

ここにトイレの水が流れる効果音を入れろ(Insert Toilet Flushing Sound FX Here)

この考えは、電話網を介して人々が「ハッピーバースデー」を歌うのを禁止しようとか、出版産業を保護するために図書館を焼き払おうといったものに近い。しかし、このような考えに脅威を感じてしまうのは、インターネットが実際にどのように機能しているのか、そのような法律が民主主義にどのような影響を及ぼすのかを全く理解しない産業や政府の意思決定者によってなされるというのが世界的な流れとなっているということである。

これに関して更なる議論を深める前に、音楽、映画産業は明確に違法ダウンロードによって本当に数百万ドルの収益を失ったのかを証明する必要がある。CDセールスが減少を続けているのは、もはや彼らを利用していないためでしかない。ハリウッドは海賊行為の中でも、十分に利益を上げているだろう。この「問題」が、本当に問題であるのかを誰かが証明しない限りは、法律を変え、納税者のお金を浪費することについて話す必要はない。

さらに問題があるのだとすれば、納税者はそもそもこの損失をまかなってやる必要はないのである。コンテンツ産業は、効率の悪いビジネスモデルを保護するために政府に要求を強めるのをやめ、この10年間、懐疑的なまなざしを向け続けた真のソリューションに目を向けるべきである。

興味を持ってくれた人に、Free Pressから公刊された私の著書「The Pirate’s Dilemma: How Youth Culture Is Reinventing Capitalism」をお勧めしたい。おそらく、もうじきBitTorrentトラッカーにお目見えするだろうけれど ;)

こうした動きの兆しは昨年から見られていて、イノベーション・大学・職業技能省政務次官であるLord Triesmanが昨年述べていたように、ISPが音楽産業、映画産業と協同して自主的な著作権保護スキームを構築できなければ、法律によってそれを強制する、という方針によるものなのだろう。もちろん、ここで言われているようにあからさまに問題が多いやり方に頼るのでは、現実味がないというところもあるが、その一方でこうした動きは欧州でもますます加速していることを考えると、実行は現実味はなくとも、法律上は現実味を帯びてくる。

ISP側は英国ISP協会が繰り返し主張しているように、ISPは単なるパイプであり、データ保護法に従いその中身を見ることはできない、郵便局が封筒の中身を見ることはできないのと同じように、という。ただ、音楽産業や映画産業は、ISPが違法なダウンロードを後押ししているのだ、そんな時代遅れの言い訳など通用しない!といきまいている。

結局のところ、こうした主張の背景にあるのは、多少の検出エラーがあろうともISPがそのストリームをとめればよいのだ、という考えなのだろう。もちろん、合法的な利用もされている、というのは言い訳に利用されている部分もあるのだろうけれど、その一方で私はかなり本気でそういった利用の可能性を認識してもいる。確かに違法な利用のほうがはるかに多いのは認めるところではあるだけど、だとしたら、そのような違法行為に対してのみ有効な手段がないのかを考える必要があるんじゃないかと。というよりは、副作用の少ないやり方をしてくれ、というところだろうか。

違法ファイル共有のハブ機能を持つものに対する法的規制(BitTorrentサイト、ビデオ共有サイトといったサービスプロバイダの法的責任の明確化、プログラム配布者の責任など)や、アップローダに対する現状の法制度に則った法的施行をスムースかつ確実にするのための議論といったものが先ではないかと思うんだよね。確かに、コンテンツ産業にしてみれば、今がよくなればいいのだろうけれど、10年、20年先のことを考えれば、今の彼らのやり方を保護するためにあまりに強固な縛りをネットワークにかけてしまうのは、社会全体の不利益となりかねない。

現在、欧州においてコンテンツ産業はISPに3つのことを課そうとしている。著作権侵害に関連する特定のサイトへのアクセスブロック、特定のプロトコルの遮断、そして電子指紋を利用したネットワークレベルでのコンテンツフィルタリング、おそらく、この英国の立法提案においても、このすべてを含むとは言わないまでも、この方針を強く意識したものになるのではないかなと思わざるを得ない。ただ、このような方針はEU議会においては支持されていない。

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