スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

パブリックドメインから利益をあげ、文化を保護する方法-全てを同時に

パブリックドメイン化した楽曲から、いかにして利益をあげ、それと同時に文化を育てていくかという提言のお話。人によっては、パブリックドメインで利益を上げるとは何事か、という人もいるかもしれないけれど、個人的にはそこから利益を上げることができるモデルができることで、埋もれていた創作物への更なるアクセスが増加し、それによって文化の発展に寄与するものであれば、それでよいと思う。ただ、パフォーマンスにかかわる著作隣接権が失効したとしても、著作権は残っているケースが多いので必ずしもフリーというわけではないことに注意が必要だが。

原典:New Music Strategies
原題:How to make money out of the expiration of copyright and save culture — all at the same time
著者:Andrew Dubber
日付:November 27, 2006

50年前、英国市民は真新しいフォーマットを初めて目にすることになる、7インチ45rpmシングルである。

1956年にリリースされたその規格は、その年には78作品のみであったが、1957年以降、45回転は急速にスタンダードとなっていった。それは音質もよく、さらに便利であった。そして、その多くのレコードは、パブの新式ジュークボックスに詰め込まれていった。

英国におけるパフォーマーの著作権を50年から95年 へと存続期間を拡張しないという発表によって、現在、それらのロックンロール、ジャズ、初期の英国のスキッフルなレコーディングを(過去から)引っ張り出 し、きれいにし、再リリースする準備を始めるときが来たといえる。私が見る限り、最近パブリック・ドメインとなった作品には2つの将来的な市場が考えられる。

1)誠実な再リリース:レアで、CDリ リースされていないトラックを見つけだし、包括的に、高品質リマスターがなされたものを再リリースし始めるべきである。広範囲なライナーノーツはデジタル ダウンロードのための完全なメタデータとして必要なものであり、それらは写真、レコーディングの日付や詳細、オリジナルのカタログ番号さえ含まれる。そ う、あなたはコレクターを相手にするのだ。

2)コンピレーション:実際、2つのタイプがある。「失われた宝石のような重要なレアトラックスを含んだ、知識があり、趣味のよい、驚くべきコンピレーション」と、「音楽の適切な前後関係に関する有用な情報をほとんど含まない、必要の無い不十分な情報によって台無しにされた仕事」・・・後者はASDAのバーゲンゴミ箱直行となるだろうが。おそらく両方でお金儲けができるだろう。しかし、正直なところ、あなたは最初のタイプを作りたいだろう。

著作権が失効したレコーディングをリイシューすることは、潜在的に挑 戦的で価値がある。スタジオセッションへの対価を支払う必要が無く、厄介な音楽家のことを気にとめる必要も無い一方で、あなたが「維持し、代表している文 化」へ、そして「初めてこの音楽に触れる新たなオーディエンス」への義務が生じる。あなたの仕事は”archivist”である:保管し、管理すること、それが仕事である。

しかし、最も重要なことに、誰しもがパブリックドメインのもの(matertial)を リリースし、販売することができる。彼らは、音楽に対してあなたに支払いをしているのではなく、音楽をリリースしてくれることに対してお金を支払ってい る。古いレアトラックスを探し出してほしい。それによってパブリックドメインであることを確かなものにするのだ。これらの起源と前後関係を調べるのだ-少 なくとも、必要とされる歴史的正確さを提供してくれる人物を探し出す-そして、慎重に、それらをきれいにするのだ。楽曲を元の状態に戻す多くの市販ソフト ウェアがある-ヒス(シューという音)を減らし、クリック音(プツプツという音?) を取り除き、モノ録音のステレオ-エンハンスすら可能にする。

それから、それらをマスターし、プレスする-もしくはダウンロードショップをweb上に開設する。もし、リイシューレーベルを立ち上げるのではないとしたら、日々増えつづけるパブリックドメインのサンプルから、ディープなバックカタログを作りあげることもできる。私は初期のPetula Clarkボーカルのヒップホップを聞きたい。

重要な点は、音楽がパブリックドメインになるとき、つまりそれが初期に利益をあげられる事業として発売された文脈を超えて50年が経ったとき、それは「商業の道具」としての役割から解放され(といっても、ほとんどの場合は、継続してリリースできるほど利益をあげられるわけではないので、利用ができない(unaccessible)であるわけだが)、「文化の道具」となり、全ての人に帰属するものとなる。もしあなたが、一般大衆が自らの文化を取り戻すのを助けることで利益をあげるのだとしたら、それはあなたに多大な利益をもたらすものだと思う。

実質的にメジャーレーベルに所有される全ての楽曲のうち5%弱のものは、現在どのようなフォーマットでの販売にも利用可能である。時は門を開け始めている。

要約すると、パブリックドメインの市場としての可能性は、1つには、パブリックドメインとなったアルバムを1枚丸ごときれいにし、リマスターしてリリースする、もう1つには、パブリックドメインとなった楽曲から選曲してコンピレーションを出す、という形態が考えられる。CDにプレスしてもいいし、Webでのダウンロードサービスでもいい。それに支払われる対価は、楽曲に対してではなく、楽曲を提供するというサービスに対してとなる。オリジナルのリリース後、レコード会社が利益を十分にあげる時間を経た50年後に、創造物は「商業のための道具」から「文化のための道具」となる。

非常に納得できる議論である。パブリックドメインとなった創造物は、確かにフリーであるし、それは全ての人に共有されるべきものである。しかし、誰がパブリックドメインとなった創造物を探し出し、それを視聴可能な程度にきれいにし、そのリリースを行うのか、という問題もある。ほとんどの人は、酔狂な人がボランティアでやればいいと思っているかもしれないけれど、創造的な作品の再発掘はそれほど簡単なことではない。膨大な数に上る創造物を調べて、どれが利用可能であるか、利用不可であるかを調べ上げるというのは骨の折れることである。個人的にはその労力に対して対価を支払い、それによって更なる創造物のサルベージが促進されるなら、それはそれで歓迎すべきことではないだろうか?

確かに、パブリックドメインとフリーというのは切っても切り離せないし、そのビジネスモデルにも、その概念は関わってくることである。感情的にも受容しかねるのも理解できる。であれば、もしそのようなサービスが一般的になってきたとしても、そのサービスに対して有志が競争を仕掛ければよいのである。互いにリリースされた情報は、互いに参照可能である。決して、扱っているものは互いに独占し合う類のものではないし、相手の情報を利用してもよい。相手がこれを出してきた、それならうちもそれをリリースしよう、相手がこれを出していない、なら相手に先行される前にリリースしよう、という競争が起これば、それはユーザにとっての利益となる。リリースにおけるコストも、ファイル共有を利用すれば金銭的なコストを必要とはしないだろう。かかる手間は、ユーザの自発性と、調べまとめ上げ、リリースし、それを共有するネットワークを確立し、維持することである。少なくとも両者の拮抗があるのだとしたら、埋没していた創造物のサルベージがさらに進み、文化はさらに芳醇なものとなる。

もちろん、議論となっていたのは著作隣接権(パフォーミングライツ)であり、それが切れたからといって作詞作曲者の権利(著作権料)が切れたわけではない。なので、当然、前者が消尽したからといって即フリーというわけではない。ただ、少なくとも権利処理などのコストは低減するだろう。それがインセンティブとなり、過去の作品がより多く市場に出回り、我々がそれを耳にする機会が増えれば、これほど望ましいことない。

Trackback

Trackback URL
http://peer2peer.blog79.fc2.com/tb.php/95-801d5f4d

Comment

Comment Form
公開設定

プロフィール
heatwave Author
:heatwave

RSS Jamendo twitter tumblr Creative Commons Attribution 2.1 Japan
ブログ内検索
記事リスト
最新の記事
全記事一覧
他所で書いてるブログ

P2Pとかその辺のお話@はてな

アーカイブ

カテゴリー
最近のコメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。