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FCC公聴会:Comcastの帯域制御はハッカーテクニックを使用している

ComcastのBitTorrentプロトコルに対する帯域制御問題は、TorrentFreakがその過剰な制御(ともすれば、遮断)に対する批判を行った当初、予想できないくらいに大事になってしまった。このようなテック系ブログなどで盛んに取りざたされていることや、ユーザが大きな声で批判を続けたことで、大手メディアもそれを問題視し、ついにはFCC(連邦通信委員会)においてその是非を議論されることになった。今回は、それに関連して行われたFCCの公聴会のお話。

原典:TorrentFreak
原題:FCC Hearing: Comcast Uses Hacker Techniques
著者:Ernesto
日付:Febrary 26, 2008

本日は、ネットワーク中立にとって重要な1日である。FCCのBroadband Networkマネジメント公聴会において、ComcastがBitTorrentトラフィックを抑制しようとしたことについて議論される。パネリストの1人は、Comcastがネットワーク管理において、「ハッカーテクニック」を使用したと述べた。

我々がComcastがBitTorrentでのSeedingを、積極的に遮断していると最初に報告したときには、まさかそれがFCCの公聴会にまで至るとは思ってもいなかった。しかし、それは現実のものとなった。状況が改善することを祈ろうではないか。

本日の公聴会(PDFリンク)の後半は、複数のネットワーク・テクノロジーの専門家たちが、インターネット、その歴史、その構造について概説することからはじめられた。主要な議論は、受容できるトラフィックマネジメント、受容できないトラフィックマネジメントの線引きについてである。

そこでは賢明な議論が行われ、パネリストたちはComcastが使用したトラフィックマネジメントツールの不公正さについてよい指摘をしている。そこではTCPリセットが特に強調された。それは、BitTorrent Swarmにいる誰かに接続するや否や、Comcastからピアリセットメッセージ(RST flag)が送信され、即座にアップロードが停止してまうというものである。

Richard Bennett(イーサネットのツイストペアシステムとそのプロトコル、1BASESの共同開発者)は、冒頭発言において「もし我々がネットワークマネジメントをコントロールすることができないのであれば、我々はインターネットをシャットダウンしなければならなくなるだろう。」と延べ、いかなるトラフィックマネジメントにも反対の姿勢を示す人々を牽制した。MITコンピュータサイエンスラボのDavid Clarkは、ISPを敵とみなすか、パートナーとみなすか、現状では前者とみなしていると指摘するところからは話を始めた。彼は、その他ほとんどのパネリストと同様に、現在、Sandvineの技術を利用していることは「問題である」とし、Quality of Service (QoS) を選択するのはユーザであるべきで、ISPではない、とした。

マサチューセッツ工科大学の分散情報グループのディレクター Daniel Weitznerは、誤ったトラフィックマネジメントをこうまとめた。「おそらく、ポルノに関する古い格言『それを見れば、それとわかる*1』のようなものでしょう。今回のケースでは、私は、Comastがしていることが不合理の側にある、ということを知っています。これらは、Web上のいかなるアプリケーションに対してもサービスを許さないというハッカーが用いるテクニックです。この点では非常に類似しています。この種のメカニズムについて議論するために、セキュリティ専門家委員会を開設することもよいかもしれません。そう考えているのは私だけではないでしょう。しかし、インターネット上のデータの捏造は、合理的とされる領域の範囲外にあるのでしょう。いかなる標準化団体もそうあらねばなりません。」

しかし、Comcastのアクションに対する最も簡潔な批判は、MIT MediaラボのDavid Reed教授によってなされた。彼は、これまで30年間に渡って発展し続けているスタンダードソリューションに従っていないISPは、インターネットプロバイダーとして自らを宣伝してはならないとし、その代わり、「ネットの一部分だけに選択的なアクセスを提供している」会社として宣伝しなければならない、と主張した。この説明は、多くのComcast加入者の共感を得ることだろう。

FCCでの質問は、パネルディスカッションにおいての続けられた。そして、どの程度ネットワークがビジーな状態にあるのか、という実際のデータが示されていないという問題が指摘された。その質問者の視点では、そうした実際のデータが提供されることで、ネットワークマネジメントにおけるTCPリセットが不合理なものかどうかの判断に役立つという。

あるパネリストは、ビジーであったかどうかは重要ではない、と即座にこれに応えた。彼はTCPリセットをこう表現した。2人で会話しているときに、第三者が会話の相手を装って、「ストップ、おしゃべりはおしまいだ。」と言うようなものだと。彼は更に付け加える。「私とあなたの間にいる誰かが、あたかも私から来たメッセージであるかのように自らが作ったメッセージをあなたに届ける、それは不愉快なことです。これは非常に問題ですよ。」

この公聴会の冒頭でFCC委員長Kevin Martinは、必要があればFCCが介入する用意があることを示唆している。彼らがそうしてくれることを願おうじゃないか。Comcastのhaxxorスキルに思うことがあれば、気軽にFCCにコメントを提出してほしい。この公聴会のビデオは2日以内に公開される。

*1 "I know it when I see it."ポルノの定義を正確に表現することは難しく、またその規範も時、場所によってさまざまである。しかし、何が卑猥であるかを定義することは難しくとも、それを見て猥褻かどうかの判断をすることはできる。かつて、ポルノであるかどうか、という裁判が行われた際の米連邦最高裁判事の言葉。

"I shall not today attempt further to define the kinds of material I understand to be embraced within that shorthand description; and perhaps I could never succeed in intelligibly doing so. But I know it when I see it, and the motion picture involved in this case is not that."(参考:Wikipedia

この公聴会に関しては、CNET日本語版でも報じられている。今回TorrentFreakが報じている部分とは重複するところがあまり無いので、こちらも読む価値があるだろう。

CNETは以前からこのComcastに端を発する帯域制御問題について報じてくれているので、ありがたい。

このComcastによる帯域制御の問題は、非常に論点としては幅広い。おそらく、この議論に参加する人に共有されるコンセンサスとしては、帯域制御は悪ではない、ということだろう。少なくとも、必要に応じて、それがなされるべきだとは考えているだろう。しかし、それが適切なものであるか、という部分で議論が生じている。

確かに、"I know it when I see it."な問題であることは確か。行き過ぎた帯域制御は問題ではあるのだけれども、かといってどこまで行けば行き過ぎなのか、というのは定義しにくいところもある。ただ、ここで議論されているように、BitTorrentプロトコルを介した通信が行われるや否や、それを切断するための手段を用いているということは、正しくない、ということは私も知っている。

また、この議論では、一部のパネリストはComcastのネットワークが実際どの程度圧迫されているのか、というデータは不必要だという見解を示しているが、もちろんネットワーク中立性の根本的な議論の際に、Comcastが非常にビジーの状態だったのだから仕方が無いという話をしてもしょうもないのだが、実際の帯域制御の個々の場面においては、そうしたデータを開示し、そのために帯域制御を行うという方針を示すことも必要ではないかなとは思う。

実際、ISPは一握りの人々が大半の帯域を占有しているのだ、という主張をしているのだけれども、もう一方の見方をすれば、それだけそのISPのキャパシティがしょぼいということでもある。少なくとも、ISPはネットワーク接続を売り物にしているわけで、そのキャパシティというのは売り物に関する重要な情報となる。当然、その辺はあいまいにしておきたいところがあるのは理解しているが、それでもユーザとしてはそのような情報なしに、一部のユーザだけが悪者扱いしてやり過ごそうというのはあまり感心できない。

また、こうした問題でComcastをより不利にしているのは、Comcast自身がビデオ配信サービスを提供しているということだろうか。つまり、競合ビデオ配信サービスの品質を低下させる意図で、こうした帯域制御を行うことも可能である、ということ。この辺の指摘は、VuzeやBitTorrentからも寄せられている。

ただ、ISPと帯域の問題においては、全てのISPが単純に帯域制御で対処しようとしているわけではない。P2PコンテンツデリバリーのPandoと、米国大手ISPのVerizonを中心としたP4P Working Groupにおいて、帯域抑制にこだわらない、より効率的なコンテンツデリバリーを追求する動きもある

**追記**
ハッカーというより、クラッカーってところだねぇ。

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