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BBC iPlayerのトラフィック増大がネット中立性議論を欧州に持ち込む

昨年公式にローンチされ、かなりの好評を得ているBBCのiPlayer。このサービスによって、BBC加入者は過去1週間にさかのぼって放送された番組を、Webを介して無料で視聴することが可能となる。当初はWindows Media DRMを利用したダウンロード版のみの提供していたものの、昨年末にはWebブラウザベースのストリーミング版の提供も開始し、それに伴い利用者およびその利用が激増しているようだ。これはBBCにとってはよかったよかったですむ話なのだが、トラフィックの増大は皆さんがよくご存知の問題を生み出すことになる。iPlayerの利用の急増によって生み出されるトラフィックにISP側が抗議をはじめ、BBCに対し補償を求め始めているよ、というお話。未だに日本でもくすぶり続けているインフラただ乗りのお話が、ついに欧州上陸というところでしょうか。

原典:NewTeeVee
原題:iPlayer Brings Net Neutrality Debate to?Europe
著者:Janko Roettgers
日付:February 22, 2008

オンラインビデオやネット中立性の議論は、これまで主に米国においてなされてきた。しかし現在、ついに英国にもその波が押し寄せてきたようだ。BBCのiPlayerの利用が急速に増加したことで、ISPは不満の声を上げ始めている。少なくともあるISPは、昨年12月、BBCがiPlayerを公式にローンチしてから、そのストリーミングビデオのトラフィックが2倍となったと報告している。

一部の英国ISPはBBCに対して何とかするよう求めており、実際BBCはISPベースでのキャッシングソリューションを模索しているようだ。別のISPは政府の介入を望んでいるが、こうした要請はユニークな解決策を生み出すことにもなるかもしれない。つまり、英国人たちはいかなる新たな制御を望まず、その代わりに地下に新たなケーブルを施設する手助けをする。

英国ISPのPlusnetは、自社のネットワークインフラにおけるiPlayerの影響を縦断的にブログに投稿し、議論を開始した。Plusnetは2月初旬、ストリーミングが1GB/月を超える加入者の数が12月から1月にかけて2倍に増加し、またストリーミングトラフィックの転送にかかるコストは3倍になったことを報告している

Plusnetは本日再びその話題に触れ、現在、iPlayerがその加入者の全帯域幅消費量の5%を占めると主張した。それはあまりたいしたことが無いように聞こえるかもしれないが、Plusnetはその使用による影響で、ネットワークがオーバーロードするかもしれない、と懸念を示している。PlusnetのDave Tomlinsonは、「イングランド代表のサッカーの試合、FA Cupの準々決勝などがあったとしましょう、我々のネットワーク上にいる数千、おそらく数万の人々が、そして全ISPともなれば数十万人の人々が、みな同時にその試合をストリーミングで視聴したいと思うでしょう。」という。また、彼はiPlayerを「帯域幅時限爆弾」と呼んだ。

ではどうすれば解決するだろうか?一部の人々はBBCに対して支払いを求めている。そしてPlusnetもまたこの考えに近いようだ。「それは非常に興味深い提案のようです。」とTomlinsonは記している。また、BBCがオンライン広告によって利益をあげ、そのストリーミングを取り扱うISPに分配するよう提案している。「私たちは、iPlayerによって発生した余分な使用がどれくらいであるのかを正確に把握しています。BBCは、各ISPに彼らが送信したデータがどれくらいであるのかを確認しなければなりません。」

まさにこれは、2005年、AT&TがYouTubeトラフィックに対する補償をGoogleに求めたという、米国におけるネット中立性議論の開始のようではないか。しかしながら、BBCはそれほど心配しているわけではなく、iPlayerの影響を「取るに足りない」と評している。しかし、BBCはそれにもかかわらず、Velocix(以前のCachelogic)のキャッシングソリューション実験を開始している。また、改善のために別の少し変わった場所にも注目しているようだ。

たとえば、地下に埋め込むとか。BBCのフューチャーメディア・テクノロジーディレクターのAshley Highfieldは、昨日のブログポストの中で、ISPに対するiPlayerの影響の問題について掘り下げている。「通りのボックスから自宅までの回線は、さほど時間を要さないでしょう。英国に張り巡らされているコアファイバーバックボーンも多くのキャパシティがあります。しかし、その間にあるものは、アップグレードが必要なようです。」

Highfeildは、この課題について、英国ブロードバンド監査機関のチーフであるEd Richardsと対話している。この政治家はこの問題に対してユニークな考えを持っているようだ。「彼は、政府が別のインフラを利用することを推奨するという非常に興味深いアイディアを示しました。たとえば、この「ミドルマイル」ビジネスにおける新たなキャパシティを作り上げるため、光ファイバーを下水道に施設することを推奨する、というものです。」とHighfeildは言う。

いくつかの新たなパイプを通すことでチューブの詰まりを取り除く-Ted Stevensはなぜそのように考えなかったのだろう?

Ted Stevensは米国においてネット中立性議論が行われた上院商務委員会の委員長(この記事なんかに名前が出てきます)。

いやぁ、なかなか面白い切り替えし。お前らのせいでパイプが詰まってるんだ、その分補償しやがれ、という批判に対して、パイプが細いなら太いパイプを通せば良いじゃない、と応える。おそらく、ISP側には設備増強のための費用を負担させたいという思惑もあるのだろうから、そうした思惑を見透かして、光ファイバの施設の手助けはやぶさかじゃないですよ?という譲歩をちらつかせているというところでしょうか。まぁ、BBC、政府の側が金銭的な補償という譲歩をしようものなら、ネット中立性議論を傾ける格好の前例となりかねないことを考えると、こうした提案を暗に示していることは評価できる。そもそも多少の補償を与えたところで、ここで例に挙げられたようなサッカーの試合といった、極めて視聴が集中するような状況に耐えられるようになるわけでもないだろう。

あと、BBCがISPキャッシングによって負担を抑制しようとしているというのもなかなか興味深い。かつてこのCacheLogicはP2Pトラフィックを緩和するソリューションを売り込みに日本にも来ていたと思うんだけど、その時期のP2Pトラフィックのキャッシングってのが、暗黙に違法P2Pファイル共有を対象にしていたことから、敬遠されたって感じだったと思ったけど、こうした正規にライセンスを有するコンテンツプロバイダであれば、こうしたキャッシングの実現可能性というのは高まるのかなと思ったりもする。

個人的には、こうした大容量コンテンツの利用が進んでいるのは、ユーザの利用形態の当たり前の変化と考えているので、ISP側としてはサービス自体の質の低下、値上げ(または従量課金システムへの移行)、加入者の抑制、設備増強、コンテンツプロバイダと共同したトラフィック抑制手段の導入などをするしかないと考えている。かなりさばさばした考え方だけど、現状に適応できないのであれば、適応できないなりの市場評価、消費者評価を受けるべきであって、適応できていないことを何がしかのせいにするというのもおかしな話だと思うんだけどね。

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