P2Pとかその辺のお話

WinMXとかWinnyとか、日本ではろくな扱いを受けていないP2Pですが、海外ではけっこう真面目に議論されてるんですよというブログ。

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米国ISP Cox、著作権侵害クレームをつけられただけで加入者を切断

以下の文章は、TorrentFreakの「Cox Disconnects Alleged Pirates from the Internet」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Cox Disconnects Alleged Pirates from the Internet
著者:Ernesto
日付:September 30, 2008
ライセンス:CC by-sa

アンチパイラシーロビーは、著作権侵害コンテンツをダウンロードするユーザに対する措置をとるよう、ISPに対して圧力をかけてきた。これまでのところ、多くのISPがユーザへの警告状の転送を行ってきたが、しかし、Cox Communicationsはさらに一歩先を行っているようだ。同社は、著作権侵害ユーザだという疑いをかけられたユーザを遮断している。

350万人のインターネット加入者を持つCox Communicationsは、米国でも大手のISPである。Coxは他のISPと同様に、アンチパイラシー団体から多くの著作権に関連したテイクダウンリクエストを受け取っている。

しかし、 彼らのそれらリクエストへの対処は非常にユニーク、控えめに言えば不穏なものであるようだ。彼らは同社加入者に警告メールを送る代わりに、彼らは加入者の行為によってDMCAテイクダウンリクエストを受け取り、Coxとしてはインターネット接続を遮断すると通知している。加入者がインターネット接続を停止させられる際に提示される警告ページから引用しよう(スクリーンショットは記事の最後)。

DMCAに基づき、あなたが著作権侵害ファイルを削除し、更なる著作物の配布を防ぐための措置が採られるまで、私たちはあなたのインターネット接続を一時的に停止する義務があります。

この通知はいくつかの点で誤っている。まず第一に、そして最も重要な点としては、DMCAはCoxに対して、加入者のインターネット接続を停止させることを強制してはいない。彼らは加入者に対して、著作権侵害の疑いがかけられていることを通知しなければならないが、Coxが実際に採っている措置は明らかにバランスを欠いており、全く持って加入者の最善の利益をもたらすものではない。

実際、多くのCox加入者が既に不満の声を上げている。その1人が、自身のインターネット接続を回復するため、この2日間、奮闘を続けていたとTorrentFreakに話してくれた。その加入者は、問題を解決するためとしてある電話番号に電話をかけるよう告げられた。しかし、その番号は一日中繋がらなかった。そこで彼は、通常のカスタマーサービスを通して話をしたところ、再び彼は同じ(訳注:そして繋がらない)電話番号を告げられた。

1時間以上の保留の末に、ようやく彼の電話は通じた。Cox加入者はこれからどうすればよいのかについて訪ねた。「彼(Cox従業員)は、これから1時間の間、私のインターネット接続を利用できるようにすると言いました。ただ、ちょうどそのとき私は『ルータ業者を呼んでいて、彼らにウチのワイヤレスネットワークをセキュアにしてもらうことになってました。』しかし、彼は、その1時間の間に電話をかけ直してこないのであれば、再び私のインターネット接続を切断するというのです。」

初めての警告であれば、そのユーザのインターネット接続は復旧してもらえるだろう。しかし、2度目以降のテイクダウンリクエストをCoxが受け取った場合には、彼らは永久にそれを失うかもしれない、と彼らは警告されている。「それが3度目であれば、Coxのアトランタ本社に(訳注:判断を)ゆだねられることになるようです。」とCox加入者は言う。

我々はこれを確かめるため、Coxのカスタマーサポートに連絡を入れた。彼らは、実際にCoxには適切なスリーストライクポリシーがあると話してくれた。Cox加入者が3度のテイクダウンリクエストを受けたとしたら、そのユーザのインターネット接続は完全に遮断される。興味深いことに、先週、欧州議会では「インターネットユーザの権利と自由を制限する」として同様のポリシーに反対する投票が行われている。

それでも、Coxにはスリーストライクポリシーを実行に移すための法律は必要なかったようだ。「Coxには、インターネットサービスに関する利用規程違反へのスリーストライクポリシーが実際にあります。カスタマーサービスが同種の違反を3度受け取ったとしたら、加入者はインターネットサービスを停止されるリスクを負っているということです。」とCoxのカスタマーサポートはTorrentFreakに話してくれた。

もちろん、利用規程において、疑われた違反をどう扱うかはCox次第であろう。しかし、問題は、控えめに言っても粗雑な方法を用いて集められた証拠をもって、MPAAやRIAA、その他のアンチパイラシー団体が行う告発に従った行動をとるという点にある。さらに言えば、未だ無線ネットワークをセキュアにしておかなければならないという法律はなく、そしてルータは外部の人とインターネット接続を共有することさえ可能にするのである。

私は、明らかにCoxは度を超していると思っている。確かに加入者たちはエンターテイメント産業の弁護士ほど大騒ぎはしないかもしれない。しかし、結局Coxにお金を支払っているのは加入者たちである。Cox Communicationは現在、「デジタル時代のあなたのフレンド」 などというスローガンを掲げている。とんでもないフレンドだこと…。

Cox Communicationといって思い出すのは…。ComcastによるBitTorrentトラフィック遮断騒ぎの最中、Glasnostと呼ばれるサイトで行われた調査にて、Comcastと同様にひどい結果をたたき出したISPだということだろうか。この調査を行ったMax Planck Instituteによれば、Coxは一日中フルタイムでBitTorrentトラフィックをブロックしていたという。以下に同社が公開しているテスト結果のグラフを載せておこう。

 

それはさておき、今回の件を要約すると、Coxは受け取った著作権侵害クレームの真偽は問わず、ユーザを罰するISPだということ。つまりは、RIAAやその他の権利団体のクレームが誤っていた場合でも、ユーザはインターネット接続を切断されてしまうことになる。ユーザの著作権侵害の疑いを、それを判断するための適切なプロセスを経ず、ユーザの「権利と自由を制限する」ものだと考えている。だからこそ、スリーストライクポリシーは支持されがたいのではないかと思うのだが。

私ならこんなISP、即解約するけどね。

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欧州議会、加盟国におけるスリーストライク法の導入を否定

以下の文章は、TorrentFreakの「European Parliament Says No to Three-Strikes Law」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:European Parliament Says No to Three-Strikes Law
著者:Ernesto
日付:September 25, 2008
ライセンス:CC by-sa

欧州議会は、加盟国が3ストライク法を施行するのを防ぐ修正案を支持する投票を行った。修正案では、アンチパイラシー団体からの証拠に基いて、疑わしきファイル共有ユーザをインターネットから遮断することは、インターネット利用者の権利と自由を制限するものであるとされている。

今年、アンチパイラシーロビイストのパワーは、ヨーロッパ全域で非常に増大していた。英国では、大手ISP6社がファイル共有ユーザに対する警告を行うことで、音楽産業との合意に達している。また、フランスではさらに先を行っていて、エンターテイメント産業は、疑いをかけられた海賊たちに対する3度目の警告で、インターネットからの遮断を可能にする法律さえ提案している。

MPAAとRIAAはともに、こうした法律を採用するよう、他の国に対しても働きかけていた。しかし、彼らがそれに成功を納めるのは難しいようだ。4月には、欧州議会は、こうしたアンチパイラシー手段に対して、これは「人権、市民権とバランス・有効性・抑止力の原則との衝突を生じ」させかねないとして、反対意見を述べている。昨日、この声明は、オフィシャルな投票にてバックアップされることとなった。

Guy Bonoやその他の欧州議会員によって立案されたこの修正案は、圧倒的大多数によって採択された。わずか74名が反対票を入れる一方で、賛成票を投じた議会議員は573名であった。Bonoはこの投票結果に満足し、以下のようにコメントしている。「このように市民の自由をもてあそんではなりません。」「フランス政府は、同国のスリーストライク法を見直さなければならないでしょう。」

この投票結果は、同様に他の加盟国でも歓迎された。スウェーデンの欧州議員Christofer Fjellner、こうコメントしている。「この決定で重要な点は、現在、合法的なプロセスを抜きに、インターネットから人々を追い出すよう[インターネットサービス]プロバイダに強制することはできない、ということが明確に示されたことでしょう。」

法執行機関にのみ与えられるべき権力が、ロビー団体にも与えられるということになれば、それは恐ろしいことだろう。利害関係者によって収集された証拠など公平なものとはなりえない。欧州議会がこれを理解してくれてほっとしたよ。

Guy Bonoらによって加えられたと思われる修正箇所は

(ea) In paragraph 4, point (ga) is added:

"(ga) applying the principle that no restriction may be imposed on the rights and freedoms of end-users, notably in accordance with Article 11 of the Charter of Fundamental Rights of the European Union on freedom of expression and information, without a prior ruling by the judicial authorities, except where dictated by force majeure or by the requirements of preserving network integrity and security, and subject to national provisions of criminal law imposed for reasons of public policy, public security or public morality."

Telecoms Package Plenary Amendments - La Quadrature du Net - Amendment 138 +++

この辺でしょうか。

追記

この件に関して、無名の一知財政策ウォッチャーの独言さんが詳細を解説してくれています。興味のある方は是非読んでみてください。

無名の一知財政策ウォッチャーの独言: 第116回:EU議会によるフランスの3ストライク法案の否定

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前衛音楽家、33秒の曲に70,200曲を引用、利用申請のため70,200部の書類を権利団体に提出

以下の文章は、P2P Blogの「Musician mashes up 70,200 songs, delivers lists to rights holders by the truck load」という記事を翻訳したものである。

原典:P2P Blog
原題:Musician mashes up 70,200 songs, delivers lists to rights holders by the truck load
著者:Janko Roettgers
日付:August 21, 2008
ライセンス:CC by-nc-sa

ドイツの前衛的音楽家Johannes Kreidlerは、ほんの33秒の間に、70,200曲もの他音楽作品からの引用を含む楽曲を作曲した。私は彼を前衛的(アバンギャルド)といったよね?いずれにしても、彼はよき市民であろうとしており、きちんとドイツ音楽権利団体GEMAに利用した楽曲のすべてを報告しようとしている。唯一の問題、それは引用されたすべての楽曲ごとに、それぞれフォーム(書類)に記入して報告しなければならないということ。

Kreidlerは、この楽曲がインターネットの時代における著作権の有効性について疑問を呈するためのものであるという。「コピーは文化の形です。そしてテクノロジーの進歩は常に勝者です。」と彼は最近の記者会見にてジャーナリストに語っている。では、どうやって彼は70,200曲もの楽曲を用意したのだろうか。「純粋な謙虚さです」と彼は自らのWebサイトにて説明する。そして、理論的には1秒間に41,000曲もの楽曲を利用することができたと彼は付け加える。

Kreidlerは、9月12日に記入したすべてのフォームを積んだトラックをGEMAに送りつけることを予定している。楽曲そのものは、Internet Archiveにてホストされている。ただ、現在のところダウンしておりダウンロードはできなくなっている(訳注:9月13日現在ではダウンロードできました)。

(via gulli)

さて、このKreidlerが予定していた9月12日より1日早く、フォームを乗せたトラックは無事GEMAに到着したようだ。

以下の文章は、P2P Blogの「Musician delivers 72,000 forms to rights holders」という記事を翻訳したものである。

原典:P2P Blog
原題:Musician delivers 72,000 forms to rights holders
著者:Janko Roettgers
日付:September 12, 2008
ライセンス:CC by-nc-sa

1つの楽曲に70,200もの楽曲をサンプリングし、地元音楽権利団体にそれらすべての登録を行おうとしていたドイツの音楽家のことをご記憶だろうか。明らかに、これらすべてのためにフォームに記入することは彼に多くの時間を費やさせた。しかし、ついに彼は昨日、ドイツ音楽権利団体GEMAにそれらを送り届けたようだ。その配達にビデオはこちら。

GEMAの方々は単に彼を追い払うことはできないと考えたようで、その場にいた人々に即席に記者会見に参加するよう求めた。ドイツのオンラインマガジンgulliによれば、そこではファイル共有ユーザに対するコレクティブライセンスなどといったことが話し合われたが、そこで意見の一致を見ることはなかった。

しかし、ミュージシャンはGEMAの従業員たちを責めるつもりはないという。結局、彼のフォームはすべてその日のうちに返却されることになり、代わりに博物館がそれを引き取った。

なんか展開がよくわからないのだが、gulliの記事(ドイツ語)をWeb翻訳して読むと、とりあえず書類を受け取りはしたあとに、Kreidlerとともに即席の記者会見を開き、そこで著作権使用料分配やWebでの公開、Creative Commons、ファイル共有、コレクティブライセンスなどなどいろんなことを和やかに話し合ったとのこと。で、その後、書類は返却されて、博物館がそれを引き取ることに興味を示した、とか何とか。博物館って何でしょうね。ドイツ語がわかる方に読んでいただきたいところ。

その辺はともかくとしても、ビデオの中にも海賊党の人たちが移っていることからも、全部とは言わないまでも半分くらいは政治的なパフォーマンスなんだろうね。

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英国:「歌ってみた」のおかげでミュージシャンの収入が増加

以下の文章は、paidContent:UKの「Musicians’ Income Growing Thanks To Online ‘Hairbrush Divas’」という記事を翻訳したものである。

原典:paidContent:UK
原題:Musicians’ Income Growing Thanks To Online ‘Hairbrush Divas’
著者:Robert Andrew
日付:August 12, 2008

作曲家、ソングライター、音楽出版社へのデジタルロイヤルティは、昨年から急速に増大しており、フィジカルメディアからの売り上げは未だに下落を続けている。MCPS-PRSロイヤルティ徴収協会の今年の前半期の結果は、オンラインサービスからの徴収額が、昨年前半期に比べ、40%も増加したことを示している。一方CDなどからの徴収額は9%の下落を見せている。

協会は、この支払いは「セルフメイドビデオ―ファンが自ら楽曲を歌う、演奏するのを撮影したもの―の投稿によってブーストされていました。また、これにはグループダンスビデオの流行も貢献してもいるようです。」という。Broadband MDのAndrew Shawは“hairbrush divas(ヘアブラシディーバ)”が収益をドライブしており、それが次のポップスターを発掘するものだという。言い換えると、このビデオをクリックして再生すると、Leona Lewisはマイクロペイメント(少額の支払い)を得るということ。

 

このことは、きちんとライセンスを受けたソーシャルネットワーク、ダウンロードストア、オンラインラジオサイトなどが、CDセールスの落ち込みによる減収を取り戻す助けとなりうることを示唆している。たとえ、音楽ビジネスが、もはや消費者にお金を出してもらうことが望めないのだとしても、その商品を利用するサービスからはお金を取ることができる。MCPS-PRSは支払いの大部分をiTunes Storeから得ている。

しかし、オンラインロイヤルティは依然として小さく、550万ユーロから上昇して700万ユーロになった程度である。これは録音物の6,000万に及ぶダウンロードおよびストリーミングからの支払いであり、徴収協会60,000人のメンバーに分配される。

協会によると、こうした支払額は「急激に」上昇しており、それはライセンスされたオンラインミュージックサービスのためであるという。昨年、YouTubeは先払いの均一料率にてライセンス契約を交わした初のケースとなり、同様の契約がBeboやiTunesとも交わされた。フィジカルメディアセールスからの支払いは予想以上で、これはUSBスティックやDVDなどのフォーマットでのライセンスによるものであった。しかしディスクセールスの下落がたたって、CDからの収益は15%の減少となった。最も重要な点としては、総ロイヤルティ支払額は、2億8,600万ユーロと6%の上昇を見せている。

(中略)

最も歌われたオンラインミュージックは…

  1. Leona Lewis, Bleeding Love
  2. Soulja Boy Tellem, Crank Dat Soulja
  3. Timbaland / OneRepublic, Apologize
  4. Rihanna ft. Jay-Z, Umbrella
  5. Sean Kingston, Beautiful Girl
  6. Britney Spears, Gimme More (It’s Britney, Bitch)
  7. T2 ft. Jodie Aysha, Heartbroken
  8. Sugababes, About You Now
  9. High School Musical, You Are The Music In Me
  10. Timbaland ft. Keri Hilson, The Way I Are

**

日本風に言い換えると、みんなが「歌ってみた」をやってくれたおかげで、収益が増えたということか。まぁFlat Feeによる支払契約を結んでいくことで、ますます多くの収入を得ることになる、というのは、当然のことだったりする。個人的には、まだまだ成長途中にある市場を育てつつ、収益を増やしていくことが必要になると思う。

また、今回の件には直接関連しないが、オンラインならではの問題も生じうる、ということも重要かなと思える。海外サイトをスムースに利用できるという現在のインターネットの環境であるがゆえに、たとえばYouTubeと未だライセンス契約を交わしていないJASRACの管理曲を利用したビデオを、インターネットユーザがYouTubeにアップロードすることができるという問題をも引き起こしている。複数の国の徴収団体と個別にライセンス契約が必要になる、というのは、1つ1つの徴収団体との契約においては小さい額でも、それが積もり積もることで膨大な額となる、ということも考えられる。さらに、それ以外にも世界中の団体と交渉するというコストも存在するわけで。

もちろん、だからと言って、契約を結ぶな、無断で使わせてやれというわけではなく、そうした部分があるのであれば、そうした現実に即した柔軟な契約、またはシステムが必要になってくるのかな、ということ。

これらの問題は、たとえばインターネットラジオ大手のPandoraなどですでに見られている。先日、Pandoraは、「このまま法外な著作権料を支払っていくのでは近いうちにサービスを閉鎖するほかない」と述べており、年を追うごとに増大する著作権使用料率のために、今後はやっていけなくなるとしている(ネットラジオに対する料率の値上げに関してはこちら)。また、海外徴収団体との契約に関しては、昨年の5月よりライセンスの問題から米国外からのアクセスを遮断せざるを得なくなっている、ということがあった。ただTechCrunchによれば、その後も英国に関しては、「何らかの解決が得られるのではないかという見込みのもとに、著作権団体と現実的に支払いが可能な使用料金について交渉を重ねる間、英国ユーザについてはブロックの対象外」としていたものの、その交渉は頓挫し、今年1月には英国ユーザからのアクセスも遮断せざるを得ない状況となっている。

もちろん、Pandoraといえど自らの利害に従って発言しているわけで、すべてを鵜呑みにすべきではないのだろうけれど、現状のネットラジオの収益性とそのコスト、ということを考えると、難しいだろうなぁと思えてしまう。私個人としては、音楽はどんなことがあろうとも聴くことから始まる、と考えている。すべてのアクションはその次に続くのだ。したがって、その「聴く」ための接点をこそ、音楽ビジネスにおいては最も重要視すべきだと考える。もちろん、そうした接点からも利益を上げたい、というのは理解できるが、しかしそれも度が過ぎれば自ら入口を閉ざしてしまうということにもなりかねない。

上記の記事やこのWiredVisionの記事などを読んでいると、ますますライセンス収入へのシフトが進みつつあるようにも思える。それが全て、ということには(しばらくは)ならないのだろうが、少なくともそれが1つの柱としてこれまで以上に重視されるのだろう。ならば、殺さず活かすことを第一に考えるべきではないだろうか。

余談ではあるけれど、ヘアブラシディーバって言葉は今回初めて知った。でも、言い得て妙というか、言葉からすぐにイメージが連想するという感じ。まぁ、ヘアブラシの代わりにネギを持って歌う歌姫もいるみたいだけど。

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欧州委員会、著作隣接権保護期間延長の提案を採決

以下の文章は、TorrentFreakの「EU to Extend Copyright, Break Royalty Monopolies」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:EU to Extend Copyright, Break Royalty Monopolies
著者:Ben Jones
日付:July 17, 2008 

今週初め、我々が言及したように、欧州委員のMcCreevyは録音されたパフォーマンスのより長期にわたる著作権保護期間を要求していた。現在、この提案は委員会を通過し、議会へと提出されることとなった。ただ、その一方で良いニュースとして、委員会は音楽著作権料徴収の独占を止めさせようともしている。

我々が月曜の記事で説明したように、提案はシンプルなものである。この著作権保護期間の45年の延長は、年老いた「苦しんでいるセッションプレーヤー」を助けてあげるためのものである。いずれにしても、それはご立派な原則のようにも見えるし、委員たちを納得させたようでもある。

おそらく、これに関するアナウンスから感じる最大の違和感は、セッションミュージシャンが1つの作品から50年間の支払いを受けた後に、なぜ突然にさらに45年の支払いを得ることが必要となったのか、ということである。

プリンターに紙を入れ、McCreevyの自宅の図面を引いた人が、これまで50年の間、支払いを受けてきたのであろうか。建築家は、いずれからも支払いを受けてはいなかっただろう。しかし、ミュージシャン、とくに才能がない、あるいは自らの力でスタートするだけの野心がないミュージシャンには、過去数十年の仕事の代金を支払わなければならないという何らかの理由があるのだろう。委員会から出されたプレス向けの資料では、このことはさも当たり前のことであるように書かれている。FAQの設問7に我々皆が感じている疑問への答えが書かれている。

7. パフォーマーは50年の保護期間で、十分に稼げないのですか?

大半のパフォーマーや歌手、セッションミュージシャンは、そのキャリアを20代前半、またはそれ以前に開始しています。つまり、現行の50年の保護では、彼らが70歳代になったときに終わってしまうのです。現在のEUの平均寿命は男性で75.1歳、h女性で81.2歳ですし、普通の人々は、80歳代、90歳代を豊かに暮らしています。ひとたび保護期間が終わりを告げれば、パフォーマーたちは、彼らの録音物からいかなる収入をも受け取ることはできなくなります。セッションミュージシャンや、それほど名の知られていないアーティストたちにとって、このことは引退したときの収入がなくなってしまう、ということを意味しています。それも彼らの生涯で最も頼りない時期に。

まぁ、彼らは1つの重要な事実を見落としているのだろう。人が引退をするとき、彼らはもはや働いていないので、その仕事からお金を得ることはできない。まさにそれが引退が意味するものである。これらのセッションミュージシャンが、1967年以降働いていないのであれば、彼らはこの40年間引退していたといえる。金銭的な苦難を何とかしてくれるということが分かっているのであれば、看護士、庭師、工場労働者、整備士、トラックドライバー、その他の人々が30歳で引退しても、その金銭的な苦難を何とかしてくれる法律を、委員たちが提出してくれるのを期待してもよいのだろうか。

ただ、本日の会合の結果は悪いことばかりではなかった。アーティスト、消費者のためになる、他の2つの法案も通過した。1つ目として、著作権保護期間の延長の規定の一部に、「use it or lose it」という条件が付けられたことである。レーベルが既にその録音物を市場に出すことを望んでいないのであれば、ミュージシャンがレーベルから彼らの著作権を取り戻すことを可能にする。商業的な利用可能性が1年以上失われている場合、権利は失われることになる。これは市場に録音物を押し出す試みとみることができる。しかし、これがどの程度効果がみられるのか、あるいは、どのように実行されるのかについては、言及されてはいない。たとえば、小さな町の裏通りの店舗にて、コピーを販売していることが、(訳注:商業的利用可能性としての)資格を得ることができるのだろうか、とか。

2つ目に、我々が最も大きな関心を持つ、著作権料徴収団体との契約についてのことがある。これまで、彼らは国内での独占状態にあった。人前で歌を歌ったとすると、そのアーティストが望むと望まぬとにかかわらず、楽曲が著作権で保護されている限りにおいては、料金を支払わなければならない。著作権改革の最終的な大改造として、そのようなグループが享受してきたナショナルフランチャイズは解体され、アーティストは自らの望んだエージェンシーと契約を結ぶことができるようになる。委員会は競争を望んでいるようだ。

ただ、これはまだ提案の域を出てはおらず、議会に承認されなければならない。しかし、この提案文書が、その提案の背景にある歴史を列挙している点に注目すべきだろう。彼らは2004年に、コメントを求める提案を行い、その後、特定の利害関係者との会合を持っている。EUでの文脈における利害関係者とは、その対象を含むビジネス関係者であり、市民は含まれてはいない。見事なまでに、提案それ自体が、どの点でうまくいかなかったのかについてリストしている。

Summary of responses and how they have been taken into account

保護期間の延長に賛同する反応は、パフォーマー協会、レコード産業、徴収団体、音楽出版社、パフォーミングアーティストおよび音楽マネージャから寄せられた。保護期間の延長に反対する反応は、テレコム、図書館、消費者、パブリックドメイン企業から寄せられれた。保護期間の延長に対するこうした議論は、さまざまなオプションの影響分析において述べられた。
・専門知識の収集と使用について
外部の専門的意見を必要とはしなかった

その影響研究を見ると、それ自身はが1950年代、1960年代に音楽を制作し、公表した人々をのみ考慮し、パブリックドメインとなった場合と、著作権で保護されている場合とのコストの差異を検討したものであるようだ。ただ、こうした研究の概要として記述される結論は、実状を反映していないことがほとんどである。

EU統合の懐疑派たちは、長らくEUを嫌ってきたし、そのための根拠も増えてきている。今回のケースでは、委員たちがコモンセンスや欧州の利益のためではなく、お金によって動かされたことがそうだろう。「欧州のことについて考えることでペイされる唯一の組織」と記述された組織としては、嘆かわしい状況である。明らかに「欧州の」という言葉は、「貪欲な」とか、もしくは「近視眼的な」という言葉の婉曲表現であるのだろう。

Ben Jonesも疑問視しているところではあるけれど、"use it or lose it"規定は役に立つのかどうか分かりにくいところもある。どの程度の範囲の消費者に対して、とか、どのような手段で、とかそういった部分が規定されていなければ、結局はパフォーマーのためにはならないのではないか、とも思う。上記記事であげられたようなごく限られた地域の人にしか利用できない小売店や、非関税障壁によってより広範な潜在的消費者のリーチを許さない音楽配信サービスなどで提供されている、ということが利用可能性を確保していると認められるのであれば、レーベルとしても「とりあえず」そうした方法を用いるだろう。言いかえれば、権利を確保し続けるためのファームを作るという感じだろうか。少なくとも、どの程度の利用可能性が存在しているのかという点は言及すべきかなと思う。

今回の著作隣接権保護期間の延長は、まったくもってナンセンスだとは思うが、それでも不利益だけを生じさせるというものでもない。利用可能性の程度については言及されていないものの、それが担保されるのであれば、レーベルにしてもパフォーマーにしても権利を保持し続けるためには、それを市場で利用可能にしなければならない。1年間、市場に存在しないとみなされたものに関しては、その権利は消失することになっている。この辺は、当該の楽曲を死蔵させないための措置、とも考えられる。

また、パフォーマーに権利が返されるとされる"use it or lose it"規定ではあるのだけれども、そこでパフォーマーと定義される人たちは誰になるのか、というのも気になるところだ。全てのセッションミュージシャンたちが含まれるのか、とかね。そのパフォーマンスに含まれるすべての人に権利が返されるのであれば、それはそれで大変なことのようにも思えるのだけれど、その辺はどうなんだろう?

あともう2つ、この件についてそれほど大きくは扱われないけれど、この著作隣接権保護期間の延長の提案の中には、「レコード会社がこの延長期間内(つまり51年目から95年目まで)にあげた収益のうち、20%をセッションミュージシャンをサポートするためにファンドしなければならない」という規定と、「延長された期間でのエアプレイに対するロイヤルティおよび私的録音補償金は、製作者には分配されない」という規定も存在する。この辺は、FAQを参照のこと。

まぁ、ある程度はバランスを取るための規定が含まれているし、もう1つの提案、著作権管理の独占体制を解体(こちらはITmediaの記事が詳しい)に関しても、コンテンツの流通を促進することを目的としていることを考えると、消費者にとって望ましいところではあるのだけれども、その対価として(純粋なバーターではないのだろうけれど)45年間の著作隣接権の延長が果たして呑めるものであるのか、ということはそう簡単には結論は出しにくい。延長それ自体はナンセンスだとしか思えないわけでね。

この話題に関しては、無名の一知財政策ウォッチャーの独言さんでも解説されているので、こちらも併せて是非。

個別の記事にされていると分かりにくいのだが、この競争の決定と延長の提案が同時に出されていることには注意しておかなくてはならないだろう。これらは欧州なりのアメとムチの政策と考えられるのであって、延長の方だけを取り上げて国際動向を論じるなど欧州統一の大きな動きを無視して個別の動向のみを取り上げるのは、常に間違いの元である。

確かに欧州の著作権関連の動きを見ていると、アメとムチというのはよくわかる。

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EU:未だくすぶる著作隣接権の保護期間延長議論

以下の文章は、TorrentFreakの「EU to Extend Music Copyright to 95 Years」という記事の翻訳である。

原典:TorrentFreak
原題:EU to Extend Music Copyright to 95 Years
著者:Ben Jones
日付:July 14, 2008

EUにおける(訳注:パフォーマーの)著作権を45年延長するという提案がなされたことで、IFPIと世界中の凡才なアーティストたちは歓喜した。「ミュージシャンの利益」を目的とした提案が、水曜にも投票されることとなる。また、そのプラスの側面として、著作権料徴収団体は、その実行に関してより詳細に調べられることになる。

アイルランドEU委員のCharlie McCreevy(現在は欧州委員会にて国際マーケット・サービス部門の委員を務める)から、今年2月、最初の提案があった。これはパフォーミングアーティストの著作権保護期間を50年から95年に延長しようというものであった。

この提案は、長らく時代から忘れ去られたアーティストたちの年金を確保するものだと思われる。McCreevyは声明においてこう述べている。「私はCliff RichardやCharles Aznavourのような一線級のアーティストについて話しているわけではない。50年代後半、60年代のレコーディングに貢献した数千人の無名のセッションミュージシャンについて話しているのです。彼らはもはや自分の演奏したレコードのエアプレイから著作権使用料を得ることはできません。しかし、これらの著作権使用料は、しばしば彼らにとって唯一の年金なのです。」

Financial Timesによると、提案は早ければ7月16日水曜にも投票に移されるという。また、委員会の独占禁止部門によって徴収団体を分割するという計画が議論されてもいる。これは、アーティストから使用料を徴収する権利のために、徴収団体を潜在的に相互に競合させるものとなる。

確かにこれは、彼らの全く慈善的ではない行動を抑制するよい方法であると思えるが、これが欧州5億人の市民に更なる著作権コストを求めるものであることを考えると、本当に有益なのであろうか?しかし、わずかな望みがある。2人の委員がこの延長計画に反対の姿勢を示している。テレコム委員のViviane RedingとAntonio Tajanである。

この著作権延長プランが2月に初めてアナウンスされた当初、これは軽蔑を持って迎えられた。Open Rights GroupやEFFといったグループは、この延長プランを阻止するための嘆願活動を開始し、このWebサイトでも問題を扱っている。それにもかかわらず、McCreevyは、このプランを推し進め、現在この提案は投票されるところにまでに至っている。

さて、McCreevy自身はというと、彼は以前勤めていた公認会計会社時代から、既に年金の計画を立てていたようだ(なお、彼は1977年から政治家に転身しているので、非常に早くから計画されていたといえるだろう)。とすれば、なぜ彼はアーティストだけのためのある種の特別年金を法的に認める必要があると感じているのだろうかと疑問に思える。もし、彼らが25歳で仕事を辞めることにしたとして、なぜ彼らが75歳を過ぎてもなお、その対価を支払われ続けなければならないのだろうか?また、それが彼らの唯一の収入源であったとしても、なぜ彼らは、私も含めた他の数億のEU市民と同様に、定年後の生涯設計を立てることができないのだろうか?

McCreevy委員は、これまでのところ、コメントへの要請には応えてはいない。

補足:今回のお話は「著作隣接権」にかかわる延長議論であり、「著作権」の延長議論ではない。欧州では著作権の保護期間は著作者の死後70年と定められている。一方で、著作隣接権に関しては、公表後50年と定められている。

私も筆者Ben Jonesの意見には同意したい。老後の生活設計を立てることができないのであれば、それは個人の資質の問題であり、著作権にかかわる問題ではない。老後の生活のために蓄財できないというのであれば、その50年間の間の支払いの不足をこそ問題にすべきであり、制度を変えてまで「恵んでくれ」などというのであれば、あまりに恥を知らないのだろうとしか言いようがない。

言ってしまえば、こうした動きは、延長によって著作(隣接)権使用料を継続して得たい音楽産業と、そこからお小遣いを分けてほしいアーティストたちのためのものだろう。そして、その声は前者ばかりから聞こえてくる。まぁ、後者がこうした主張をするとなれば、自らを愚か者呼ばわりしているのと変わらないのだから、当然といえば当然の話ではある。

著作権であれ、隣接権であれ、その延長の本当の根拠は、ほとんどが企業のご都合に基づいているものであろう。もちろん、そうした目的が見え透いていたとしても、それでは延長の根拠たりえないので、建前としての根拠を作らなければならない。だから、こうした実際にはほとんど存在しないかわいそうな人、愚か者を作り上げて、そうした人たちの救済を名目にする。

もはや、建前としてもまともに機能しない、ネタとしか思えない話であるが、それを主張する人たちは至って真面目な振りをしてそれを主張する。とてつもなく、馬鹿げた話だと思うけどね。まぁ、ネタと分かった上でマジレスすると、「己が救いたいと思うなら、他人の財布を当てにするな。己の財布から金を出せよ。」ってところです。慈善事業をしたいので、お前ら金を出せ、なんてどんな募金強盗ですか、と。

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G8、ACTAの実施に向け合意に至る

以下の文章はTorrentFreakの「G8 Pushes Anti-Piracy Trade Agreement」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:G8 Pushes Anti-Piracy Trade Agreement
著者:J.J. King
日付:July 10, 2008

日本で開催されている年次首脳会議において、G8メンバーたちは年末までにAnti-Counterfeiting Trade Agreement (ACTA)の実施に向けて準備を進めることに合意した。この、マルチミリオンダラー企業によって後押しされた合意は、MPAAやRIAAを大喜びさせるであろうデジタル警察国家への扉を開くことになるだろう。

今年5月、我々はリークされたACTA提案についてポストしている。そして現在、我々が予想していたより早く、最終的な合意に向けた準備が進んでいるようである。出されたばかりのG8会議「Declaration on the World Economy」の「Protection of Intellectual Property Rights」の項では、加盟国に対して、一部の人々の予測より、より早期の国際的なアンチパイラシー体制を実装するよう求めるものであることが示唆されている。

我々は、国際的な法的フレームワーク、ATCAを確立するための交渉をより推し進めることに尽力し、今年末までには交渉を完了するよう促す。

この日付は、米国通商代表が、彼ら独自のATCAタイムテーブルとして設定したものと一致している(何とも驚きだね)。TorrentFreakが得た複数のインサイダー情報よると、これはそれほど起こりうる感はない。

How will ACTA affect P2P users?

では、これはP2Pユーザにとって何を意味するのであろうか。正直なところ、確かなことを言うのは難しい。ACTAの交渉を取り囲む秘密扱いの度合いは驚くべきものであり、そのカウンター戦略を開発するための様々なレベルでの試みを妨害する。そのプロセスはWorld Trade Organisation (WTO)やWorld Intellectual Property Organisation (WIPO)を意図的に避けており、これら団体には、「anti-piracy maximalist」アジェンタに疑いを持つ多数の加盟国がおり、それはACTAの進展を不可能にするために十分な数となっている。

ジュネーブにて6月に行われた「ステークスホルダーたち」つまり、産業代表ばかりで構成されたACTA交渉に続く最近のEU会議では、6月のACTAドラフトの合意点についての情報を得ようという動きがあったものの、それはほとんど公に明らかにされることはなかった。委員会―彼らは産業代表とツーカーであり、そのことはこのポリシーの策定プロセスがどのようなものであったのかをよく示しているだろう―は、基本的に、ATCAがサインされるに至るまで、そのテキストを誰の目にも触れされないことを示唆している。

このEU会議ではまた、ACTAが主に、P2Pやインターネットにおける発展に対処するための法的フレームワークをアップデートすることを目的としていることが露骨に示された。IP(知的財産権)や海賊行為に対処するためのこれまでの体制、TRIPSは成立から12年の歳月が流れており、当局によれば、インターネットはTRIPSが起草されたときと『同一の様態で存在しているものではない』という。この点では、RIAAが以前にKnowledge Ecology Internationalにて示した提案(この真実性は再確認されている)が、ACTAの到達点への重要なヒントが得られるかもしれない。もちろん、他のいかなるロビー団体以上に、RIAAはネットに関連した問題を扱っている。このことは、アンチパイラシーおよびIPロビーが思い通りにできるのであれば、ACTAは彼らの望むような形にもなりうるということを示唆するだろう。

Getting your iPod though customs…

RIAAのACTAへの提案は、米国法を超えて、オンラインの著作権エンフォースメントを可能にするものである。以前に報告されたように、彼らは『権限を有する当局』が、権利者からの申し立てを必要とせずに、海賊版に対する国際的なアクションを起こすことを可能にするよう求めている。EU会議の当局は、ACTAに関する『iPodサーチ』のストーリーを馬鹿げているとし、EUには独自の国境措置を有していることを指摘している。しかし米国の国境エージェントが既に大量のラップトップを把握し、サーチしていることを考えると、これは旅行者にとって、国内、国外において馬鹿げた「セキュリティ」措置に晒されているといってよいだろう。そうしたアイディアを「単に」過激なアンチパイラシーロビーのウィッシュリストの1つに過ぎないという人たちは、これまでのところのACTAの1つのドラフトがあるだけだとしているが(ただ、それを見ることができるのは関係する秘密主義のギャングたちだけであるが)、信頼できるソースはテキストが国境措置規定に関係しているという。したがって、少なくともRIAAのウィッシュの1つが既に、何らかの形でACTAのドラフトの中に潜り込んでいるようである。

RIAAのオンライン「ライツ」エンフォースメントに関するウィッシュリストは、別の点でも問題である。それはRIAAが、私たちが何を共有していたのかを知るために、ISPからプライベートデータを入手することができることを意味するためである。P2P/IP議論が起こってからしばらくが経ち、こうした議論が人々が予見してはいなかったであろうプライバシーや監視の議論と結合していることが明確になっている。我々は、著作権エンフォースメントが国際レベルで我々のデータプライバシーにくさびを打ち込みかねないことを早々に理解する必要があるだろう。

RIAA and MPAA want to police the Internet

一般に、RIAAが望むことは、ユーザに侵害行為を助長するとみなされ得る場合に、そのソフトウェアの提供者に責任があるとしたトリッキーなGrokster『誘因』規定を『調和』(つまり、米国法を全世界に拡張させること)である。VODOといったプロジェクトに関するRIAAの議論から考えるに、助長責任の構成の解釈は、アメリカにおいて非常に広範囲に及んでいると思う。産業側が望んでいるのは、NapsterやBitTorrentの法的状態が不確実であることで促される急速なイノベーションを冷却することにある。BitTorrentは歴史上、最も効率的なメディア再生産および流通システムであり、数十万の製作者が自らの作品を企業メディア秘密結社グループの支配を超えて、自らの作品を流通させるために利用しているという事実は、ここではまったく想定されてはいない。これはまさに、メディア複合企業が自らの帝国の断片にしがみついていたいという願望を表わすものであろう。

また、RIAAのACTA提案は、ユーザの侵害行為を防ぐために、ISPや検索エンジンに対する攻勢も継続されている。RIAAは、ISPに対して著作権侵害コンテンツをフィルタリングし、P2Pユーザに対する積極的な取り締まりをし、必要とあればインターネットから遮断することを求めている。また、既にアメリカにおいては盗聴論争として荒れ狂っているが、これは欧州やその他の地域において全く受け入れがたいインターネット仕様の大規模な監視を示唆している。

How We Can Slam On The Brakes

では何ができるのだろうか?そして、ACTAに何を望むことができるのだろうか?まず第一に、内部にはそのプロセスを決してスムースとはいえないであろう反対意見が存在する。まさにその好例が、ISPにP2Pユーザとの契約を打ち切らせる『3ストライク』ルールであろう。事実、欧州議会はこの3ストライクルールを非常に懐疑的に見ており、報じられているところによると、英国政府はこの政治的難問のオルタナティブを模索している。数か月前、英国ではこれがあたかも既定路線であるかのように語られていたはずなのに。これは、ACTAと欧州議会との対立の可能性をしめしている。

第二に、欧州委員会には著作権問題に関して、刑事制裁を実装するための指令書を有してはいないことがある。これは、有権者と対峙することに慎重である個々の加盟国の問題でもあるだろう。これらの刑事制裁がRIAAなどのプレイヤーにとってACTAの重要な「長所」であるとみなされているため―それが時代遅れかどうかというのを抜きにしても―、刑事制裁を含意する法的ベースの不確実性さは大きな問題である。

そして第三に、ACTAを取り巻く秘密が、潜在的な落とし穴となるということがある。協定について交渉するためには、指令書がを委員会から委譲されていなければならない。しかし、それが存在していたとしても、発行のためにはあまりに秘密裏に行われており、少なくとも『機密』のうちに申告されたといえる。この文書が、刑事制裁という委員会の権限を超えた部分での交渉を必要とするために、その正当性を含まねばならない。そしてその正当性は、いささか疑わしいものでだろう。欧州のTorrentFreak読者の皆さんはすぐさま、あなたの国の欧州議会議員に指令所のコピーを要請するよう頼むべきだろう。それによって、我々はそのコピーをオンラインに公開し、刑事規則を含むACTAに関する交渉を、EUがどのように正当化しているのかについて知ることができるだろう。米国はブッシュが退任する前にACTAへの署名が行われることを望んでおり、このような逸脱戦略はその絶好の機会といえる。

手遅れにならぬうちにACTAに抗する行動を…。

久しぶりに訳したからかもしれませんが、やけに訳しづらいなと思ったりしました。誤訳などありましたら、ご指摘くださいませ。

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「海賊」のためのテレビ番組が製作されている模様

以下の文章は、TorrentFreakの「Coming Soon: Pirate TV Show」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Coming Soon: Pirate TV Show
著者:Ernesto
日付:June 29, 2008

人気テレビ番組『Heroes』や『Lost』のエグゼクティブプロデューサーJesse Alexanderと、'The Pirate's Dilemma'の筆者であるMatt Masonは、海賊行為に関する新たなテレビ番組の制作に取り組んでいる。この番組は、Mattの本をベースにしたものとなる見込みで、海賊行為が如何に今日の社会にとって重要であるのかを示すものとなる。

Mattが先日我々に語ったところによると、人気テレビ番組HeroesやLostのエグゼクティブプロデューサーJesse Alexanderとともに、彼の本を元にしたテレビ番組の制作に取り掛かっているという。「それは全て、数か月前、LAでディズニーと対話しているときにおこったことなんだ。」とMattはTorrentFreakに語った。そして「我々は、これを13話構成のテレビ番組にしようってことになった。」と付け加えた。

来るべき番組は、海賊行為の歴史と、それが我々の将来をいかに形作っていくかについて人々を教育するものとなる。パイレーツはイノベータであり、彼らは市場が抱える問題に警鐘を鳴らし、新たなビジネスモデルを導く。にもかかわらず、彼らはしばしば泥棒呼ばわりされる。多くの場合、海賊行為は古い企業がイノベートするのを助け、そして新たな合法的市場スペースを作り出すことを助ける。

番組のテスターはこちら

MattがTorrentFreakに寄稿した記事はこちら。また、海賊版のコピーが嫌だというなら、彼の著作"The Pirate's Dilemma"は現在、こちらから無料で合法的にダウンロードできる。

なお、Jesse Alexanderについては、Wikipediaをご参考に。 製作全体にかかわっているわけじゃなさそうだけどね。

ずいぶん、ガチンコで海賊行為についてとりかかるのかな。ドキュメンタリー的な内容になるなら、、Steal This Film何かとかぶりそうな気もする。当然のことながら、この番組もパイレートされるんだろうけど、制作者自身がそれを望んでいるのだから、最初からCreative Commonsライセンスでもつけて放送すればよいのだろうなぁと思ったんだけど、それではPiracyにならないから、きちんとAll Right Reserved.を表記するのかもしれない。まぁ、あってないようなものなんだろうけど。

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