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スリーストライクは効果あり? 仏Hadopi、2013年に警告を倍増させる見通しを示す

以下の文章は、TorrentFreakの「Hadopi Plans Large File-Sharing Warning Increase For 2013」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Hadopi Plans Large File-Sharing Warning Increase For 2013
著者:enigmax
日付:January 23, 2013
ライセンス:CC BY

フランスのアンチパイラシー機関Hadopiは、予算を25%削減されたにもかかわらず、2012年に668,000通だった「ストライク」警告を、2013年には110万通送るのだという。また、Hadopiは市民が合法または違法なコンテンツをオンラインでどれくらい消費しているのかを示す調査結果を公表し、インターネットユーザを正規コンテンツの消費に引きこむことに成功したと伝えている。

2010年、フランスはインターネット上の著作権侵害問題に対処するため、議論の的になっている「スリーストライク」システムを世界に先駆けて導入した。

このシステムは、著作権を持つ企業がファイル共有ネットワーク上の著作権侵害を監視し、侵害が疑われるユーザのISPに警告を渡すことになっている。Hadopi機関によって運用されるこのシステムは、「サード・ストライク」の宣告とペナルティを受け取る前に、正規ルートでのコンテンツ購入の啓蒙を目的にしているという。

Hadopiが公表した統計によると、Hadopiは2012年の1年間に613,271通の電子メールによる警告と、54,712件の書面による警告を送付した。そのうち305件が訴追に至った。2012年中に相当な数の警告を送付したHadopiだが、2013年には更に多くの警告を送るのだという。

Numeramaが報じたところによると、Hadopiは今年110万通の警告状を送付するとしている。Hadopiの予算が25%(300万ユーロ)削減されたことを考えると(日本語記事)、驚くべき増加である。

これまでの音楽や映画、テレビ番組のファイル共有ユーザに加えて、昨年ゲーム産業がこの警告スキームに参加したことで、ゲームを共有するユーザも警告を受けることになった。増加分にはそれも含まれているのだろう。

しかし、このシステムは本当にうまく行っているのだろうか?

2年超にわたって続いたこのスリーストライクシステムについて、Hadopiは「海賊行為とインターネットの文化的利用:フランスインターネットユーザの行動と認識」と題した2度目の報告書を公開した。

Hadopiは1,530人の回答者にインタビュー調査を行い、警告システムが導入されたことで、合法コンテンツの消費が増え、違法コンテンツの消費が減少していると結論づけている。

Hadopiによると、オンライン上で違法なコンテンツの入手しているユーザは2011年12月には20%だったが、2012年10月には15%に減少したという。この15%には、違法なコンテンツだけにアクセスするユーザと、合法的なソースから入手したコンテンツも楽しむユーザの双方が含まれている。

全体として、87%のユーザが正規ソースのメディアへのアクセスしていると回答し、78%のユーザが合法的なソースからのみデジタルコンテンツをダウンロードしていると回答した。後者は2011年には71%だった。また、Hadopiによると特に音楽において顕著な違いが見られたという。合法的なソースからの音源にのみアクセスすると答えたユーザは2011年12月に72%だったが、現在は80%に上昇している。ゲーム(84%)や書籍(87%)でも同様の傾向が見られた。

回答者の約半数(51%)が法令順守の精神から正規コンテンツのみを消費していると答え、43%がクリエイターへの敬意からそうしていると回答した。他の理由としては、高品質な製品を手に入れたい、マルウェアやウィルスのリスクを減らしたいなどが挙げられた。

しかし、これらの数字がHadopiの実施した調査から得られたデータからのものであることを考えると、本当にフランスのインターネットユーザの行動や認識を反映したものであるかどうかは疑わしい。インターネット接続を切断してやるぞと脅す機関が実施した調査に、正直に答えられるものだろうか。

この数字の本当のところはさておき、Hadopiは今まで以上に警告を送付することが、来年さらに良い数字を出すためのソリューションだと考えているようだ。

Hadopiに対する批判的な意見も出ていることから、なんとしても成果を出さないといけないという状況に陥っているところもありそうだね。

後段の調査については、置かれている立場を考えると中立とはいえないHadopiが実施した調査で、かつ指摘されているように回答者が本心を回答したかどうかにも疑問がある調査といえる。もちろん、一定の効果はあったと思うけれども、ほぼP2Pファイル共有に限定されているスキームで、ここまでの成果が出るものかなという気もする。

ただ、成果があろうがなかろうが、個人的には「インターネット接続を(一時的にであれ)切断するオプション」が含まれている限り、このスキームには断固反対したい。

追記

そういえば以前、以下の記事を翻訳していました。こちらもご参考に。

仏スリーストライク法、著作権侵害を激減させるも売上は上がらず - P2Pとかその辺のお話

フィンランド、市民による著作権法案提出に向けてオープン省で署名進む

以下の文章は、TorrentFreakの「Finland’s Crowdsourced Copyright Law Proposal」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Finland’s Crowdsourced Copyright Law Proposal
著者:Ben Jones
日付:January 24, 2013
ライセンス:CC BY

フランスがHADOPIスキームを進める一方で、すべての欧州諸国が同じ方向を向いているわけではない。

昨年、フィンランドに導入された新たな手続きによって、著作権法にラディカルな変化がもたらされるかもしれない。そのキモは、市民の参加である。

すでに複数の国で市民の政治参加スキームの歴史がある。米国政府はホワイトハウスに請願サイトを設け、一定の支持を集めた提案に公式見解を示している。

たとえば「デス・スターの建設」のような請願に即座に(そして愉快な)回答していたりもするのだが(日本語記事)、昨年のSOPA/PIPAをめぐるMPAA CEOのクリス・トッドが贈賄をほのめかした発言を調査するよう求める請願についてはまったく役に立たなかった

フィンランドの状況はそれよりも良い。複数の海賊党が提案し、用いている流動的フィードバックシステム(liquid feedback systems)に近い。

フィンランドは憲法改正により、6カ月以内に50,000以上の署名を集めることで、市民が議会に法案を提出できるようになった。こうした市民からの発議は、オープン省(Open Ministry)のウェブサイトに掲載され、議論および署名が行われる。現在、このシステムが行われ、その中に著作権法に関する提案が含まれている。

「合理的な著作権法」(To Make Sense of the Copyright Act)と題されたこの提案(フィンランド語)は、著作権法、特に「Lex Karpela」と呼ばれる2006年の著作権法改正を現代に沿ったものに変えることを目的としている。提案には、罰則の軽減やフェアユースの強化、所有しているコンテンツの私的コピーの容易化(フォーマットシフトやバックアップなど)が盛り込まれている。

DailyDotによると、オープン省のウェブサイトで最もコメントが多く、評価が高かった提案の1つであるという。本記事執筆時点で、2日間が経過したこの提案は、すでに目標の7%を集めている。このペースでいくと単純計算で、2月18日に目標を達成することになる。

こうした市民からの支持の背景には、フィンランド著作権法に向けられた怒りがある。昨年11月、フィンランド警察はパイレート・ベイにアクセスした9歳の女の子の自宅を家宅捜索し、クマのプーさんがプリントされたノートパソコンを押収した日本語記事)。この問題は、女の子の父親が著作権団体CIAPCに300ユーロを支払うことで和解した

もちろん、この法案の提出に成功したとしても、議会がその内容を認めるかどうかは保証されてはいない。しかし、有権者の1%以上が直接支持した法案という事実をないがしろにすることはできないだろう。1年前、我々が米国で目にしたように、多数の市民からの抗議は周到なロビー活動ですら跳ね返すこともある。

スラドでも同じ話題の記事が出ていますので、そちらもご参考に。

米シックス・ストライク・スキームの詳細が明らかに――ベライゾンのケース

以下の文章は、TorrentFreakの「Verizon’s “Six Strikes” Anti-Piracy Measures Unveiled」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Verizon’s “Six Strikes” Anti-Piracy Measures Unveiled
著者:Ernesto
日付:January 11, 2013
ライセンス:CC BY

物議をかもしている米「6ストライク」アンチパイラシー・システムが近日中に開始される。参加するISPはいずれも、侵害を繰り返す加入者をどのように処遇するかについて公表してはいない。しかし、TorrentFreakはベライゾンのポリシーのコピーを手に入れた。重要なポイントとしては、著作権侵害ユーザは帯域を256kbpsに制限される前に、オンライン・パイラシーの結果についてのビデオを見せられるということ。また、ビジネス契約であっても著作権警告システムが適用されることも見逃せない。

2011年、MPAAとRIAAは米国大手の5つのISPを手を組み、Center for Copyright Information(CCI)を設立した。

権利者団体とISPは、権利者が発見したISP加入者の著作権侵害を加入者本人に警告するシステムを実装することで合意した。複数回の警告の後も侵害を繰り返す加入者に対しては、その行為を抑止するためのさまざまな措置を講じる可能性についても留保された。

それから1年ほど遅れた後、この計画は今年初頭に公式に開始される見通しとなっている。

このスキームに参加するISPの1つがベライゾンである。以前、ベライゾンは加入者に言い渡されるペナルティについていくつかの意見を公表している。しかし、ほかのプロバイダ同様に完全な詳細は明らかにはしてこなかった。

TorrentFreakは、ベライゾンが実装を予定している警告システムに関する概要と、抑止のための措置の詳細についての情報を得た。その文書はベライゾンのウェブサーバに保存されているが、現在のところGoogle検索には引っかからないようである。


ベライゾン加入者のIPアドレスがビットトレントで著作物を共有していることが発見されると、まず、そのIPアドレスのアカウント所有者に2つの警告通知が送付される。これらの通知は著作権侵害の疑いについて知らせるもので、さらにファイル共有ソフトをユーザのコンピュータ上から削除する方法について説明する。

警告1・警告2

「電子メールおよび登録されている電話番号への自動ボイスメールを送付する。一人以上の著作権者が、ユーザのアカウントにおいて著作権侵害が行われていると報告していることについて、通知する。」

「ファイル共有ソフトウェアがユーザのコンピュータで使用されているかを確認する方法(および削除する方法)に関する情報へのリンクを提供し、正規コンテンツがどこで入手できるかについての情報を伝える。」

この2つの警告を受け取った後に、さらなる侵害が確認されると、アカウント所有者は画面上に「ポップアップ」が表示される承認フェーズに移行する。ユーザは新たな警告を受け取ったことを承認する必要があり、オンラインパイラシーがもたらす結果についてのビデオを視聴するよう指示される。

警告3・警告4

「警告を受け取ったことを確認し、承認するための特設ウェブページにユーザのブラウザをリダイレクトする。著作権法と著作権侵害がもたらす結果に関する簡潔なビデオを提供する。」

「ユーザは自由なインターネット閲覧をする前に『承認』ボタンをクリックするよう求められる。承認ボタンのクリックは、ユーザもしくは他者が実際に著作権侵害活動を行ったことを認めるよう求めるものではなく、警告を受け取ったことを認めるものである。」

警告4を受け取った後も著作権侵害が継続した場合、加入者は抑止フェーズに移行する。ここでは、加入者は米国仲裁協会(American Arbitration Association)にレビューを求めるか、一時的に帯域を256kbpsに制限されるかを選択する。

警告5・警告6

「ユーザのブラウザを、複数の選択肢が与えられる特設ウェブページにリダイレクトする。インターネットアクセスの速度を一時的(2日または3日)に256kbps(一般的なダイアルアップ接続速度よりもやや速い程度)まで制限することに同意する、または、同程度の期間(2日または3日)の速度制限を認めるが開始を14日遅らせる、または、警告の有効性について米国仲裁協会にレビューを要請することができる」

第6の警告後に著作権侵害が続けばどうなるか。答えは「何も」起こらない。ユーザはいかなる警告も受けず、フルスピードでインターネットを利用できる。

しかし――これはベライゾンによって言及されていないことではあるが――MPAAとRIAAが法的措置を講じるために、そうした著作権侵害を繰り返すユーザのIPアドレスを収集する可能性がある。ISPがIPアドレスとリンクする氏名や住所を自発的に提供することはないが、権利者がこれらの情報をプロバイダから引き出すために裁判所で召喚令状を得ることは可能である。

この警告システムを、著作権者が訴訟に向けて確実な証拠を集めるために利用できるかという点については、未だ不明なままである。

最後に、TorrentFreakは上述の警告がビジネス利用の顧客にも適用されることを確認した。つまり、カフェや中小ビジネスにおいても、企業ネットワーク内で行われる行為について注意しなければならないということである。このことは、各所で提供されるフリーWifiの終わりを意味する可能性がある。

ベライゾン以外では、以前にもAT&Tやタイム・ワーナー・ケーブルが講じる措置について我々はお伝えしてきた。

AT&Tのリーク文書によれば、警告を受けたユーザは著作権に関するオンライン教育プログラムを完了するまで、一部のウェブサイトへのアクセスがブロックされる。また、タイム・ワーナー・ケーブルは、ウェブサイトの閲覧を一時的に遮断するという。

残る2つのプロバイダ、ケーブルビジョンとコムキャストも、同様の措置を講じることが予想される。いずれにしても、この6ストライクスキームにおいて、侵害を継続するユーザのインターネット接続が永久に遮断されることはないようだ。

アンティグア、著作権無視のコンテンツ販売サイトを計画中(ただしWTO公認)

以下の文章は、TorrentFreakの「Antigua Government Set to Launch “Pirate” Website To Punish United States」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Antigua Government Set to Launch “Pirate” Website To Punish United States
著者:Ernesto
日付:January 24, 2013
ライセンス:CC BY

アンティグア政府は、米国の権利者に無断で映画や音楽、ソフトウェアを販売するウェブサイトの開設を計画している。米国はアンティグアが提供するインターネット・ギャンブル・サービスを「ブロック」している。WTOがアンティグアに有利な裁定をしているにかかわらず。アンティグアはWTOが認めた「ワレズ」サイトでブロックによって失われた収益の一部を取り戻そうとしている。

アンティグア‐バルブダは、長きに渡りギャンブル産業で繁栄したカリブ海の小国である。

数年前、アンティグア国民の5%がギャンブル関連の会社で働いていた。しかし、米国が同国マーケットへのアクセスを妨害したことで、その産業は崩壊した。

「かつて私たちの国には数十億ドル規模の産業がありました。人口の5%がそこで働いていたのですが、今や産業は縮小し、無くなったに等しいのです。」とロンドンのアンティグア高等弁務官カール・ロバーツは以前語っている。

ギャンブル・ビジネスの再構築を望むアンティグアは、世界貿易機関(WTO)に裁定を依頼し、そして勝利した

2005年、WTOは米国がアンティグアのギャンブル企業を国内市場から閉めだしたことについて、米国内の企業が自由に運営することを認めていたことから、自由貿易を阻害していると判断した。さらに2007年には、WTOはアンティグアに対し、年間2100万ドルを上限として、米国の著作権を停止する権限を与えた。

TorrentFreakでは、アンティグア政府がこのオプションを行使する予定であるとの情報を、政府に近い関係者から得た。当局は米国のコンテンツを、製作者に補償することなく、世界中の顧客に販売するウェブサイトを立ち上げようとしているという。

計画は既に数カ月にわたって進められており、この計画についてWTOに報告する準備は整っている。まず最初に、アンティグアは先月のWTOミーティングにてこの話題について切り出した。しかし、米国はこの要請が「時期尚早である」として、議論を回避した。

今月、アンティグアは再び提案しようとしている。もし彼らの提案が通れば、まもなくアンティグアによるメディア・サイトがローンチされることになる。

アンティグアの弁護士マーク・メンデルは、この計画の詳細についてはまだ話せないとTorrentFreakに語った。しかし、彼はWTOがアンティグアに米国の著作権を停止する権限を与えているので、アンティグアがたちあげようとしているウェブサイトは「海賊サイト」には当てはまらないのだと強調した。

「私たちは国際機関WTOから承認を得ていますから、世界中のどこの国であっても、私たちの計画を止めることはできません」とメンデルは言う。

TorrentFreakは、提供されるコンテンツや価格についての詳細を探っているところではあるが、一説によると月額5ドルであらゆる米国のメディアにアクセスできるという。当然のことではあるが、アンティグアが米国の著作権を停止することについて、米国から強い抵抗を受けている。

先月、米国は「アンティグアで政府が公認する知的財産権の窃盗計画を実行するのであれば、アンティグア自身の利益を害することになるだろう」とWTOに警告する書簡を送っている。

この書簡によると、アンティグアが製作者に補償することなく、米国著作物を販売するウェブサイトを公認したとすれば、彼らは和解の機会を失うとしている。

「政府公認の海賊行為となれば、アンティグアに真の利益をもたらす和解の可能性を失うだろう。アンティグア経済、特にハイテク産業への対外投資に大きな障害をもたらすことになる」と米国は主張している。

アンティグアはこうした脅威を特に気に留める様子もなく、計画を進めている。

このアンティグアのメディア・ポータルが実際にローンチされれば、世界中のニュース・ヘッドラインを飾ることになるだろう。その結果、このサイトは正規のサービスとしてはインターネット上で最大規模の米国メディア・サプライヤーとなるだろう。

TPPの話にも通じるところではあるが、これが米国式の自由貿易なんだろうか。

実際にローンチされて、米国の権利者が被害を被ったとすれば、補償を求める相手は米国政府ということになるんだろうね。

日本:10月1日より違法ダウンロード刑事罰化

以下の文章は、TorrentFreakの「Anti-Downloading Law Hits Japan, Up To 2 Years in Prison From Today」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Anti-Downloading Law Hits Japan, Up To 2 Years in Prison From Today
著者:enigmax
日付:October 01, 2012
ライセンス:CC BY

日本は今日、違法ファイル共有を取り締まるための新たな法律を施行した。日本の著作権体制は、世界でも最も厳しい部類に属する。ほとんどの国が著作権侵害コンテンツのアップロードしたユーザのみをターゲットにする中、日本の法律では、違法コンテンツのダウンロードだけで刑務所にぶち込まれることになる。

IFPIの日本支部、日本レコード協会によると、日本の音楽産業は問題を抱えているのだという。違法ダウンロードは正規ダウンロードの10倍もあり、正規ダウンロード市場は昨年、16%も落ち込んだのだ、と。

この落ち込みを終わらせるために戦わなければならない、と彼らは言う。

今年6月、音楽産業による集中的なロビイングを受けて、日本は改正著作権法を可決した。これにより、違法ダウンローダーにはすでに課せられている民事的な責任に加え、厳しい刑事罰が科されることになる。

。一部の国でコンテンツの無許諾ダウンロードが違法化されてはいるが、通常、いわゆる「スリーストライク」キャンペーンでターゲットにされるのはアップローダー(放流者)である。

日本はすでに、違法アップローダーに対して10年以下の懲役、1000万円以下の罰金を科す厳しい法律を有しているが、これからは単なるダウンローダーでさえ犯罪者となる。

本日より、著作権侵害コンテンツであることを知りつつダウンロードすれば、2年以下の懲役、200万円以下の罰金が科せられることになった。しかし、この法律は新たな問題を引き起こすかもしれない。

違法アップローダーの追跡は容易い。権利者はファイル共有ユーザが公開している違法コンテンツに接続し、証拠を収集するだけで良い。しかし、誰かがコンテンツを違法ダウンロードしたことを証明するのは、極めて難しい。

たとえば、権利者がBitTorrent上で違法ダウンローダーを追跡するとしよう。何者かが違法にダウンロードしていることを知るためには、権利者自らがネットワークに接続する必要がある。権利者がダウンローダーとつながったとしても、その場合、自らがコンテンツをアップロードすることになる。彼らが行うアップロードは適法なものなので、違法ダウンロードの証拠にはならない。

だが、「ダウンローダー」が抱える問題はさらに広範囲に及ぶ。一般に、こなれたBitTorrentユーザであれば、ファイル共有がターゲットにされうることは理解している。しかし、単なるダウンロードを刑事犯罪にしたために、YouTubeを見ただけで逮捕されるのではないかとの恐れが広がっている。

違法ダウンロード刑事罰化という目標を達成した権利者ではあるが、この厳格な法律を持ってしても満足することはない。6月、日本レコード協会を含む音楽権利者団体は、無許諾の音楽コンテンツがインターネットに公開される前に、自動的に発見できるシステムを開発したことを明らかにした。

しかし、このシステムはインターネット利用者の接続を検閲し、外部のデジタル指紋データベースを照合する。このシステムが機能するには、インターネット・サービス・プロバイダの協力が必要になるだろう。このシステムとISPのネットワークを深く統合する必要がね。

2点ほど補足を。

「YouTubeを見ただけで逮捕されるのではないかとの恐れ」については、ここで明確に否定しておく。YouTubeやニコニコ動画を見ただけで逮捕されることはありえない。 YouTubeやニコ動の視聴時に生成されるキャッシュについては、文化庁も、違法ダウンロード刑事罰化を推進した音事協レコ協ほかも違法ダウンロードに該当しないと明言している。ユーザ側が適法性を判断するために上記の解説を確認したにもかかわらず、刑事罰が科されるとは思いがたい。

一方で、たとえ文化庁や権利者団体が違法ダウンロードには当たらないと明言したからといって、司法がそのように判断するかはわからないという主張もある。しかし、管轄官庁や周知について努力義務が課せられている団体が適法だと説明しているのだ。たとえ司法の独断によって、これらの説明が間違いだと判断されたとしても、それに従って行動した人々に責任を問うことができるとは思えない。

いや、もしそうなるなら、京都府警がレコ協とか音事協の誰かを著作権侵害幇助の容疑で逮捕してくれると思うけどね。

いずれにしても、YouTubeやニコニコ動画の視聴という、我々が普段を行なっている行為を控える必要はない。違法ダウンロード刑事罰化によって適法な利用にも萎縮効果がもたらされるとは思うが、それは最小限に抑えなければならない。時代遅れのレコード産業なんかと心中してなるものかっての。

違法ダウンロード刑事罰化には反対してきたし、今でも反対している身としては口惜しいが、この期に及んでは違法ダウンロードをしないよう求めるよりほかない。が、それは正しく理解されなければならない。以下のブログ記事が正しい理解の助けになるだろう。

で、2点目。日本の音楽業界が開発したシステムの話。これは、著作権情報集中処理機構(CDC)が開発した音源情報特定支援システムモジュール「Fluzo-S」のことだと思うんだけど、これ、土管に仕掛けるDPI的なものではなくて、コンテンツ配信用サーバに設置するシステムなんだよね。同様のシステムは、すでにYouTubeでも「コンテンツID」として実装されていて、これを権利者側で構築したデータベースを利用して、コンテンツIDみたいなシステムを自前で作らなくてもいいようにする、と。たとえば、違法着うた共有が盛んに行われているロッカー付の掲示板サービスに導入するとかね。そういう話。

最後に。違法ダウンロード刑事罰化について伝えるテレビ番組を観た。その中で渋谷の若者に「違法ダウンロード刑事罰化」を知っているかどうかアンケート調査を行なっていた。その結果、8割ほどの人が知らないと回答していた。

こんなクソみたいな法律を作ったレコード産業は、アリバイ作りの告知を行う程度で、今後どのようなことが起ころうとも知らぬ存ぜぬを決め込むのだろう。

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